介護予防事業を推進する効果的な取り組みとは。ルネサンスによる介護予防サポーター養成の事例も解説
日本では高齢化が急速に進行しており、65歳以上の要介護・要支援の認定を受けた人の数は増加傾向にあります。
▼第1号被保険者(65歳以上)の要介護度別認定者数の推移
画像引用元:内閣府『令和5年版高齢社会白書(全体版)』
また、65歳以上の一人暮らしをする高齢者の増加や家族による老老介護のケースも多く見られており、介護需要が高まっている状況です。
自治体においては、地域住民の豊かで自分らしい暮らしを守るために、多様かつ充実した生活支援や介護予防のサービスを提供することが求められます。そのなかの一つの取り組みとして、介護予防を重視した“介護予防事業”が挙げられます。
高齢福祉課・高齢介護課の担当者のなかには、「介護予防事業を強化して住民の健康づくりを推進したい」「取り組み事例を踏まえてニーズのあるサービスを提供したい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、介護予防事業の概要と具体的な取り組みについて解説します。
出典:内閣府『令和5年版高齢社会白書(全体版)』
この記事を読んでいるあなたにおすすめ
- お役立ち記事 |介護予防に有効な体操とは。自治体で取り組むプログラムの種類
- サービス資料 |介護予防事業のご案内
目次[非表示]
- 1.介護予防事業の構成
- 2.介護予防事業を推進するうえでの課題
- 3.介護予防事業の取り組み3選
- 3.1.①通いの場での健康づくり支援
- 3.2.②ボランティアの養成とマッチングの支援
- 3.3.③レクリエーションの実施ノウハウを提供する
- 4.ルネサンスが支援する介護予防事業の事例
- 5.まとめ
介護予防事業の構成
介護予防事業とは、介護保険法に基づいて創設された地域支援事業に含まれる“介護予防・日常生活支援総合事業(以下、総合事業)”のことです。
総合事業には、介護予防・生活支援サービス事業と一般介護予防事業の2つがあり、それぞれ構成される事業内容と対象者が異なります。
▼総合事業を構成する各事業と対象者
事業 |
事業内容 |
対象者 |
【1】介護予防・ 生活支援サービス事業 |
|
|
【2】一般介護予防事業 |
|
|
厚生労働省『介護予防の取組強化・推進のための市町村マニュアル』『介護予防・日常生活支援総合事業と生活支援体制整備事業について』を基に作成
なお、各事業の詳細についてはこちらの記事をご確認ください。
出典:厚生労働省『介護予防の取組強化・推進のための市町村マニュアル』『介護予防・日常生活支援総合事業と生活支援体制整備事業について』
介護予防事業を推進するうえでの課題
各市町村で介護予防に関する事業やサービスの提供が推進されていますが、その進捗や実施状況にはばらつきが見られます。
▼今後の介護予防・生活支援サービス事業における市町村の実施方針
画像引用元:厚生労働省『介護予防の取組強化・推進のための市町村マニュアル』
介護予防に関するサービスの提供に関する課題には、「高齢者がサービスや活動内容を知らない」「必要性や魅力を感じてもらえず活用されない」といったように有効に機能していないケースが見られます。
また、介護予防事業を進めるうえで、地域の担い手不足も課題の一つに挙げられます。自治体のなかには「住民同士の共助を進めるにはどうすればよいか」「介護予防を推進するサポーターやボランティアをどう確保すればよいか」といった悩みの声が見られています。
自治体が介護予防の取り組みを推進するには、高齢者一人ひとりが介護予防や健康に関する意識を持ち、自主的な活動を促せるようなサービスの提供と働きかけが必要です。
出典:厚生労働省『介護予防の取組強化・推進のための市町村マニュアル』
介護予防事業の取り組み3選
ここからは、自治体による介護予防事業の取り組み事例を紹介します。
①通いの場での健康づくり支援
庁舎の一室や公民館、遊休施設、地域サロンなどの通いの場を活用して、高齢者の健康づくりを支援するプログラムを実施する取り組みがあります。
専門職人材の派遣や住民ボランティアの協力のもと、健康づくりに関するプログラムを実施することで高齢者の健康維持・増進が図れます。
また、高齢者同士・ケアマネジャー・専門職人材などとの交流を通して、健康状態の把握や悩みの相談ができる環境を整えると、生活支援サービスとのスムーズな連携を行えます。
▼健康づくりを支援するプログラムの例
- 講習を受けた介護予防サポーターによる体操指導
- フレイルチェックと予防に関する講習
- 歯科衛生士による口腔機能のチェックやエクササイズ
- 栄養士による食生活改善の指導 など
高齢者が参加するきっかけをつくるために、地域の公共施設で啓発活動を行ったり、趣味活動や茶話会などの気軽かつ楽しく取り組めるイベントを実施したりすることも重要です。
なお、自治体でのフレイル対策や生活習慣病予防の取り組みについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
②ボランティアの養成とマッチングの支援
通いの場や地域サロンの運営をサポートする人材を確保するために、ボランティアの養成とマッチングの支援を行うことも有効です。
住民ボランティアによる活動を支援することで、地域住民・高齢者同士の交流を促して共助の関係を構築できます。また、ボランティア活動を通して社会参加の場を提供できれば、支援を行う側の介護予防や生きがいの創出にもつながります。
▼取り組みのポイント
- 専門職人材や指導員を派遣してボランティアへの研修を行う
- 健康づくりのプログラムをサポートする教材を作成して自主的な学びを促す
- 社会参加のための地域プラットフォームを立ち上げて、ボランティアの登録と活動場所の情報提供・紹介を行う
- ボランティア活動のポイント制度でインセンティブを付与して、積極的な参加を促す など
なお、高齢者の社会参加についてはこちらの記事をご確認ください。
③レクリエーションの実施ノウハウを提供する
自治体がレクリエーションを実施するノウハウをまとめたリーフレットやDVDを制作して、地域に公開・配布する方法があります。
専門職人材または指導員がいなくても、高齢者同士やボランティアを交えて気軽に健康づくりのプログラムを実施することが可能です。
▼レクリエーションに関する資料の例
- 自宅でのセルフケアや生活習慣の改善に活用できる資料
- 地域サロンや自主活動グループの運営行う介護予防サポーターが活用できる資料 など
なお、介護予防サポーターについてはこちらの記事をご確認ください。
ルネサンスが支援する介護予防事業の事例
ルネサンスでは、自治体による地域住民の介護予防事業を支援するさまざまなサービスを提供しています。
▼ルネサンスによる介護予防事業
介護予防事業 |
内容 |
介護予防教室の実施 |
フレイル予防プログラム
認知機能低下予防教室
膝痛・腰痛予防プログラム
|
地域による介護予防活動の支援 |
介護予防サポーターの養成
自主活動グループの支援、フォローアップ
|
スポーツクラブを活用した支援 |
運動機能低下予防教室
転倒・骨折予防教室
マシンで筋力アップ教室
水中運動教室
|
短期集中予防サービス |
運動器の機能向上や栄養改善のための教室 |
多種多様なプログラムによって高齢者の参加意欲を高められるほか、自主活動グループへの支援によって継続的な運営につなげられます。また、介護予防事業の運営や育成に対する人材不足の課題にも対応できます。
▼介護予防サポーターの養成事業の事例
ルネサンスでは、全国270自治体4,500教室以上の豊富な経験を活かし、自治体による地域住民の介護予防事業を支援するさまざまなサービスを提供しています。
介護予防の取り組み事例として、北海道のある地域では、介護予防教室の参加者を増やして新しいコミュニティの創出と継続的な活動を行うために、ルネサンスがサポートを行い介護サポーターの養成事業に取り組みました。このような具体的な事例を通じて、地域全体の介護予防活動が活性化されています。
【課題】
高齢者が「対象の介護予防教室には参加しにくい」「私は介護予防の対象者ではない」といった意識を持っており、集客につながりにくい状況でした。
【取り組み】
ルネサンスによる住民参加型教室を実施して、無理なく楽しく続けられるプログラムや交流会を取り入れました。プロによる指導や映像コンテンツを導入したことで、自主的かつ継続的に取り組みを続けられるようになりました。
【効果】
プログラムの参加者からは、「ずっとプログラムを受けられるのが嬉しい」「地域住民と毎週会うのが楽しみになった」という声をいただきました。
また、事業ご担当者さまは「リーダーや責任者が一人になることなく、参加者同士が自然に集まり、無理なく継続できるようになった」とのことです。
なお、介護予防事業におけるサービスラインナップと事例についてはこちらの資料をご確認ください。
まとめ
この記事では、介護予防事業について以下の内容を解説しました。
- 介護予防事業の構成
- 介護予防事業を推進するうえでの課題
- 介護予防事業の取り組み3選
- ルネサンスが支援する介護予防事業の事例
高齢化によって介護需要が高まる今、自治体においては地域住民が利用できる通いの場を拡充したり、多様な社会参加の場を提供したりして、ニーズ・課題に合った介護予防事業を推進することが求められます。
専門職人材を活用しながら気軽に参加できる健康づくりのプログラムを実施するとともに、ボランティアの養成やノウハウの提供によって、住民同士の自主的な活動をサポートする取り組みが必要です。
『ルネサンス』では、地域の健康づくりを自立自走できるように事業構想から計画、実行までを一貫して支援しています。これまで270以上の自治体で介護予防事業を受託してきた実績を基に、通いの場の創出や健康づくりプログラムの実施、住民による自主的な活動の支援など、幅広いサポートをお任せいただけます。
詳しくは、こちらをご確認ください。