介護予防サポーターとは? 役割と活躍推進に向けた取組み


現在日本では、高齢化が急速に進行しており、団塊世代が70歳以上を迎える2025年以降からは、医療や介護の需要がさらに増加すると見込まれています。

そうしたなか、厚生労働省は、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを送れるように医療や介護、生活支援などが一体的に提供される“地域包括ケアシステム”の構築を推進しています。

自治体においては、介護予防や生活支援サービスの充実に向けて、ボランティアをはじめとした多様な担い手の確保が進められており、その一つに“介護予防サポーター”が挙げられています。

高齢福祉関連部署の担当者のなかには、地域包括ケアシステムの実現を後押しするために、介護予防サポーターの養成・活用を検討している方もいるのではないでしょうか。

この記事では、介護予防サポーターの役割をはじめ、活動に関する課題、活躍推進に向けた取組みについて解説します。

なお、厚生労働省の保険事業・介護予防については、こちらの記事をご確認ください。

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出典:厚生労働省『地域包括ケアシステム


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目次[非表示]

  1. 1.介護予防サポーターとは
  2. 2.主な役割
  3. 3.介護予防サポーターの活動を推進するうえでの課題
  4. 4.介護予防サポーターの活躍を推進するための取組み
  5. 5.まとめ


介護予防サポーターとは

介護予防サポーターとは、地域に暮らす高齢者が自立した生活を送れるように、健康づくりに関する取組みを支援する人材です。

介護予防サポーターが地域に暮らす高齢者の介護予防活動を広げることにより、自立した生活を送れる高齢者が増えることが期待されています。

また、介護予防教室・イベントなどが交流の場となって、高齢者の見守りやコミュニティづくりにもつながると考えられます。

そのほかにも、高齢者が介護予防サポーターとして地域の高齢者支援事業に参加することで、自身の介護予防につながることも期待されます。

厚生労働省の調査によると、地域介護予防活動支援事業における介護予防に関するボランティア人材の育成数は累計320,781人で、そのうち42.9%が65歳以上です。


▼介護予防サポーターの主な活動

  • 高齢福祉課や地域包括支援センターが実施する教室・イベントの運営補助
  • 公民館や老人クラブでの自主的活動
  • 地域サロン開催・自主グループの運営


▼具体的な取組み内容

  • 介護予防に関する教室(体操・転倒骨折予防・口腔機能向上・認知症予防)
  • 血圧測定、体力測定


出典:厚生労働省『介護予防・日常生活支援総合事業等(地域支援事業)の実施状況(令和2年度実施分)に関する調査結果(概要)


自主グループ活動のマンネリ化脱却法


主な役割

介護予防サポーターは、地域になじみのある身近な担い手として、自治体での介護予防支援事業の支援や、高齢者の介護予防の普及・啓発を行う役割を担います。

地域の高齢者の健康づくりを進めるためには、介護予防や認知症などについて正しく理解する人が地域に多くいることが重要です。

しかし、自治体の高齢福祉課や高齢者支援センターの担当者・専門家は、実際にその地域に住んでいないケースも少なくありません。医療・介護・生活支援などを一体的に提供する地域包括ケアシステムを構築するには、地域住民主体の活動を広げて、住民互助の関係性を築くことが必要といえます。

出典:厚生労働省『地域包括ケアシステム



介護予防サポーターの活動を推進するうえでの課題

介護予防サポーターの活動を推進するうえでの課題には、以下が挙げられます。


▼活動推進に関する課題

  • 人材育成が思うように進まない
  • 活動が属人的になっている(リーダー負担が大きい)
  • 活動がマンネリ化して継続が難しい
  • 自治体職員の参加が多く、一般の方の募集が少ない


地域の介護予防活動を推進するためには、介護予防サポーターによる主体的な活動を継続的に行ってもらうことが重要です。 

また、高齢者の参加を促すには、自治体の高齢福祉課や高齢者支援センターなどが連携して、活動を補助・支援できる体制をつくることが求められます。



介護予防サポーターの活躍を推進するための取組み

介護予防サポーターの活躍を推進するためには、一般の未経験者にも介護予防サポーターになれる環境を整備したり、自主活動に関する支援を行ったりすることが大切です。

自治体における取組みとして、以下が挙げられます。


▼活躍推進に向けた取組み

  • 介護予防サポーターの養成・育成(フォローアップ研修・レクリエーション講習等)
  • ボランティアポイント制度の導入(活動に応じて特典と引き換えられる)
  • 自主活動グループのフォローアップ(リーダー育成、メンバー交流の活性化等)
  • 外部サービスを活用した新たな介護予防プログラムの導入


自治体がきめ細かな養成・育成を行うことで、未経験の方にも介護予防サポーターになってもらいやすくなります。

ボランティアポイント制度を導入すれば、介護予防活動の意欲向上や、やりがいにつながり、定着化することが期待されます。

また、既存の自主活動グループへのフォローアップは、主体的な活動を後押しする効果が期待できます。自主活動のマンネリ化を解消するために、外部サービスを活用することも一つの方法です。

自主グループ活動のマンネリ化を脱却する方法については、こちらの資料で詳しく解説しています。ぜひご活用ください。

自主グループ活動のマンネリ化脱却法


出典:厚生労働省『ボランティアポイント制度導入・運用の手引き』/愛知県『2 予防に関する取組み



まとめ

この記事では、介護予防サポーターについて以下の項目で解説しました。


  • 介護予防サポーターとは
  • 主な役割
  • 介護予防サポーターの活動を推進するうえでの課題
  • 介護予防サポーターの活躍を推進するための取組み


介護予防サポーターは、地域になじみのある身近な担い手として、介護予防に関するボランティア活動を行います。自治体の介護予防支援事業を支援するほか、地域に暮らす高齢者に対して、介護予防の普及・啓発を行う役割を担います。

介護予防サポーターによる自主活動を積極的に行ってもらうには、人材の養成・育成や、グループへのフォローアップなどを行い、活動を支援することが重要です。

ルネサンス』では、地域における介護予防事業を支援するさまざまなプログラムを提供しています。住民主体となった介護予防の推進や、介護予防活動の質の向上を図りたい方は、ぜひお問い合わせください。

なお、自主グループ活動を活性化させるポイントについては、こちらから資料をダウンロードしていただけます。

自主グループ活動のマンネリ化脱却法

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