睡眠環境を整える4つの方法と睡眠の質を高めるコツ
睡眠は、量(時間)以上に質が重要です。しかし、ストレスや生活習慣、寝室環境などさまざまな要因によって睡眠の質は低下するといわれています。
厚生労働省が行った『令和元年国民健康・栄養調査結果の概要』によると、睡眠の質について、20~50歳代の男女では「日中、眠気を感じた」と回答した人の割合が高くなっています。
年代を問わず多くの方が睡眠の質に問題を抱えていることが分かります。
▼睡眠の質の状況
画像引用元:厚生労働省『令和元年国民健康・栄養調査結果の概要』
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目次[非表示]
- 1.睡眠の質とは
- 2.なぜ睡眠の質が大切なのか
- 3.睡眠の質が下がることによる影響
- 3.1.不安・うつなど心の不健康につながる
- 3.2.注意力や作業効率を低下させる
- 3.3.生活習慣病のリスクを高める
- 4.睡眠環境を整える4つの方法
- 5.【世代別】睡眠の質を高めるコツ
- 6.まとめ
睡眠の質とは
睡眠の質とは、眠りの深さや睡眠と覚醒のリズムが整っている状態を指します。これには、レム睡眠とノンレム睡眠が関係しています。
- レム睡眠・・・脳が活発に働いており、記憶の整理や定着が行われます。
ノンレム睡眠・・・大脳は休息していると考えられ、脳や肉体の疲労回復のために重要だとされています。
眠りは、まずノンレム睡眠で深い眠りに入り、その後約1時間後に眠りが浅くなり、レム睡眠に移行します。個人差はありますが、このサイクルは一晩に約3~5回繰り返され、睡眠前半はノンレム睡眠が多く、後半にはレム睡眠が増えます。これらの睡眠サイクルを理解し、質の高い睡眠環境を整えることが大切です。
なぜ睡眠の質が大切なのか
質の良い睡眠を取ることで、心身の健康を維持できることは、多くの人が実感していることだと思います。深い眠りは、単に疲れを取るだけでなく、記憶力を強化し、免疫力を高めるなど、体のさまざまな機能を活性化させます。さらに、睡眠の質が向上すると、仕事のパフォーマンスにも良い影響を与えます。一方で、睡眠の質が低下すると、どのような影響があるのでしょうか。
睡眠の質が下がることによる影響
睡眠の質が低下すると、体内のホルモン分泌などにも変化が起こり、病気の発症につながる場合があります。
以下、睡眠の質の低下のうち、「睡眠不足」によって起こる悪影響についてご説明します。
不安・うつなど心の不健康につながる
睡眠が不足すると、脳の感情を調節する部分の活性が低下する、ストレスホルモンが増加するなどの変化が起こり、不安やうつ状態につながります。不眠の症状がある人は、うつ病になりやすいことも知られています。
注意力や作業効率を低下させる
睡眠の不足は、日中の注意力や集中力、意欲低下につながる原因のひとつです。
企業の場合、従業員の睡眠の質が低下することで、仕事中の眠気や業務パフォーマンスの低下につながり、労働災害や生産性の低下のリスクとなります。
生活習慣病のリスクを高める
睡眠の不足は、肥満や高血圧、糖尿病、心臓病や脳卒中などの生活習慣病を発症するリスクを高めます。ホルモンの変化によって、食欲や代謝が変化することが主な原因と考えられています。また、睡眠の乱れによって食事や運動など、他の生活習慣も乱れやすくなることも理由のひとつです。
睡眠不足は一日のパフォーマンスを低下させるだけでなく、体や心の健康をむしばむ原因となる可能性もあります。この記事では、睡眠環境を整える4つの方法と世代別での睡眠の質を高めるコツについて解説します。
出典:厚生労働省『令和元年国民健康・栄養調査結果の概要』
睡眠環境を整える4つの方法
睡眠の質を高めるには、睡眠環境と生活習慣を整えることが大切です。
睡眠環境を整えるためには、次の4つを適切に整える必要があります。
- 照明
- 寝具
- 室温と湿度
- 寝間着
なお、生活習慣を改善して睡眠の質を高める方法はこちらの記事で紹介しています。併せてご覧ください。
①照明
睡眠の質を高めるためには、照明を暗くする必要があります。真っ暗にすることや、不安を感じない程度の暗さにすることが重要です。
明るい光は目を覚ます作用があるため、就寝前の照明が明る過ぎると、睡眠の質の低下につながります。
たとえば、ベッドに入る30分前から間接照明やダウンライトにしておくことも有効な方法の一つです。
出典:厚生労働省健康局『健康づくりのための睡眠ガイド 2023』
②寝具
寝具には、“体への負担が少ない寝姿勢(寝相)を保つこと”“体を保温すること”の2つの役割があります。
体に合っていない枕を使うことで、首・肩・胸の筋肉に負担がかかり、呼吸しづらくなることがあります。
また、敷布団やベッドのマットレスは、柔らか過ぎると眠りにつきにくくなるだけではなく、腰痛の原因になることもあります。
そのため、適度な硬さのあるものを選ぶことが重要です。たとえば、軽くて通気性のよい素材の掛け布団を選ぶことで、快適な睡眠につながります。
出典:厚生労働省 e‐ヘルスネット『快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係』
③室温と湿度
快適な眠りを実現するためには、室温と湿度を適切な数値に保つことが大切です。快適な室温と湿度は季節によって異なります。
▼快適な室温・湿度
室温 |
|
湿度 |
通年50~60% |
④寝間着
寝間着を適切に選ぶことも睡眠の質の向上につながります。
寝るときに寝間着に着替える習慣をつけることで、スリープセレモニー(入眠儀式)ができて、心と体が眠る準備に入ることができます。
▼質のよい睡眠に適した寝間着の特徴
- ゆとりがある
- 吸汗性・保湿性がある
- 肌触りのよいコットン100%やシルク
締めつけがなく、保湿性に優れた素材の寝間着を選ぶことがポイントです。そのほか、敏感肌の方は、人間の肌と主成分が同じタンパク質でできているシルク素材の寝間着がおすすめです。
【世代別】睡眠の質を高めるコツ
睡眠の質を高めるためには、世代別での生活環境やライフスタイルの相違を考慮することも大切です。
子ども
子どもの睡眠の質を高めるコツは、毎日同じ時間に起きてしっかりと朝ご飯を食べることです。
生活のリズムを整えることで、体内時計の時刻を合わせることができるため、早寝早起きの習慣が身について、睡眠の質の向上につながります。
また、子どもが睡眠不足になる原因の一つに、テレビやゲームなどをしていて夜更かしをしてしまうことが挙げられます。夜更かしをすることで睡眠の質が低下するため、就寝の30分前には、テレビやゲームなどを終わらせることが重要です。
出典:厚生労働省e‐ヘルスネット『子どもの睡眠』
働き盛り世代
睡眠の質を高めるには、生活習慣を整えることが重要です。生活習慣が乱れて、睡眠不足が続くと、ストレスを感じやすくなるため、メンタルヘルス不調のリスクも高まります。
生活習慣を整えるためには、毎朝同じ時間に起床する、バランスのよい食事を摂るなど、規則正しい生活を行うことが大切です。
一方で、働き盛り世代は、仕事のトラブル対応や繁盛期など、多忙な毎日が続いて、生活習慣が乱れて睡眠不足に陥りやすくなります。睡眠不足の解消には、日中に昼寝を取り入れることがおすすめです。
その際、30分以上の昼寝は、夜の睡眠の質を低下させる可能性があるため、15〜20分程度に留めます。健康経営施策の一つとして、昼寝を取り入れてみてはいかがでしょうか。
なお、睡眠不足が与えるリスクと睡眠の質のチェック方法についてはこちらの記事で解説しています。
出典:厚生労働省e‐ヘルスネット『子どもの睡眠』『快眠と生活習慣』/厚生労働省 こころの耳『e-ラーニングで学ぶ15分でわかる働く人の睡眠と健康』
シニア世代
シニア世代の睡眠の質を高めるコツには、日中のウォーキングといった無理のない範囲での適度な運動をすることが挙げられます。心地よく疲れることで、夜間に眠りにつきやすくなります。
また、シニア世代は、加齢に伴って睡眠の質が低下しやすくなります。しかし、これは自然な老化現象の一つであるため、日中も活発に活動できるようであれば、心配する必要はありません。
ただし、睡眠不足が続いている場合は、改善する必要があります。眠くなってから寝床に入る、昼寝をしすぎないなど、睡眠にメリハリをつけることが重要です。
まとめ
この記事では、睡眠の質について以下の項目を解説しました。
- 睡眠の質とは
- なぜ睡眠の質が大切なのか
- 睡眠環境を整える4つの方法
- 世代別の睡眠の質を高めるコツ
睡眠の質は、従業員の心身の健康だけではなく、日々の業務パフォーマンスにも影響を与えることがあります。睡眠の質が高まれば、健康でいきいきと仕事に取組み、生産性の向上につながることが期待できます。
睡眠の質を高めるためには、生活習慣を整えるほか、バランスのよい食事を摂ったり、ヨガでリラックスしたりすることもおすすめです。
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