【健康経営施策】従業員の睡眠の質をチェックしよう

202207_05_【健康経営施策】従業員の睡眠の質をチェックしよう


昨今の企業では、働き方改革や健康経営の促進により、長時間労働の削減、勤務間インターバルの導入などで、従業員が十分な睡眠時間を得るための取組みが広がっています。

睡眠に関しては、“時間”が着目されることも多いですが、大事なのは時間よりも“質”です。本質に踏み込んだ健康経営に取り組むためにも、睡眠の質について見直してみてはいかがでしょうか。

この記事では、睡眠の質のチェックと、睡眠とホルモンバランスの関係について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.睡眠で大事な質についてのチェック方法
  2. 2.睡眠とホルモンバランスの関係
    1. 2.1.睡眠に関係するホルモン
    2. 2.2.良質な睡眠とホルモンバランス
  3. 3.まとめ


睡眠で大事な質についてのチェック方法

睡眠不足は心身にさまざまな悪影響を与えますが、睡眠時間を多くとればよいというわけでもありません。

睡眠は質が重要です。質の悪い睡眠は、生活習慣病の疾患リスクや、その症状を悪化させる場合があります。

何時に就寝しているか、何時間眠れているかだけではなく、“質のよい深い睡眠をとれているか”という点に注目することが大切です。

睡眠で大切なポイントは、以下の2つです。


  • 何時に寝ればよいかにこだわらない。深く眠ることが大切。
  • 何時間寝ればよいかにこだわらない。睡眠時間は人それぞれ。


睡眠の質を確かめるために、“起床から3~4時間後のパフォーマンスをチェックする”方法があります。起床後3~4時間後の自分はいつもどのような状態か、以下の項目でチェックしてみましょう。


▼睡眠の質を確かめるためのセルフチェック例

起床から3~4時間後のパフォーマンス
睡眠の質に対する評価
  • 集中力が高い
  • 高いパフォーマンスを発揮できる
良好
  • 眠気が強い
  • 集中力が散漫になってしまう
課題ありの可能性


睡眠の質に対する評価が良好であれば、睡眠の質に問題はないと考えられます。

一方、起床から3~4時間後も眠気が強く集中力が散漫になってしまう場合は、睡眠の質に課題がある可能性があります。睡眠の質の低下は、労働生産性や作業効率の低下だけでなく、健康を害することで働けなくなるリスクも高まります。そのため、良質な睡眠を得られるような生活習慣の改善が必要です。



睡眠とホルモンバランスの関係

よい睡眠は、“睡眠中のホルモン分泌が十分であること”が条件として挙げられます。ここからは、睡眠に関係するホルモンと良質な睡眠の関わりについて紹介します。


睡眠に関係するホルモン

睡眠中は、疲労回復や身体の修復、ストレス解消、肥満防止などに効果があるホルモンが分泌されます。

睡眠に関係のあるホルモンには、大きく分けて以下の3つがあります。


  • 成長ホルモン
  • メラトニン
  • コルチゾール


各ホルモンの作用と特徴は次のとおりです。


▼睡眠に関係のあるホルモンの作用と特徴


成長ホルモン
メラトニン
コルチゾール
作用
  • 成長促進(免疫力を高める)
  • 糖分・脂肪・たんぱく質の代謝
  • 神経の修復
  • 睡眠促進
  • 体内時計を1日24時間に調整する
  • 抗酸化(活性酸素、がん細胞を中和)
  • 血圧や血糖値の上昇
  • 抗炎症作用
    ​​​​​​​​​​​​

特徴

  • 睡眠が深くなるほど増える
  • 眠りはじめの90分に最も分泌される
  • 暗くなるほど増える
  • 光を感知して減るほど目が覚める
  • 起床3時間前から増える
  • 交感神経の活動を高める
  • 起床準備を整える


良質な睡眠とホルモンバランス

良質な睡眠には、時間よりも質が大事です。質の良い睡眠には、上記で説明したホルモンのバランスが関係しています。

成長ホルモン・メラトニン・コルチゾールの3つのホルモンと、睡眠の深さ、睡眠時間の関係をグラフで見てみましょう。


睡眠の機能と構造


図のとおり、入眠後のノンレム睡眠時に成長ホルモンの分泌が高まっていることが分かります。成長ホルモンは免疫や代謝機能に作用するといわれるため、深い睡眠により、しっかりと分泌させることで健康な体づくりに貢献します。

また、メラトニンにより睡眠リズムを一定に保ち、ストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールの過剰分泌を抑えることもよい睡眠にとって重要です。コルチゾールの分泌量が慢性的に増加すると、うつ病や不眠症、生活習慣病など、ストレスに関連する病気にかかるリスクが高くなることが分かっています。

睡眠の質を改善して、良質な睡眠を得るために、ホルモン分泌を考慮した生活習慣を手に入れるよう意識をしましょう。


良質な睡眠を得るための具体的な方法は、次の記事で紹介しています。

  【業務パフォーマンスの向上】眠りの質を高める8つの方法 睡眠は、健康を維持するだけではなく、業務のパフォーマンスを維持するうえでも欠かせません。睡眠の質が低いと、健康への影響はもちろん、単純ミスが増えたり判断が鈍ったりするため、パフォーマンスの低下を招く恐れがあります。この記事では、睡眠の質を高める具体策について8つ紹介します。 株式会社ルネサンス


出典:厚生労働省『健康づくりのための睡眠指針 2014



まとめ

この記事では、睡眠の質のチェック方法と睡眠とホルモンの関係性について、以下の項目を解説しました。


  • 睡眠の質のチェック方法
  • 睡眠とホルモンの関係性


社内に「朝起きられない」「日中うとうとしてしまうことがある」という従業員がいる場合、眠りの質が低い可能性があります。睡眠の質は、従業員自身の健康面はもちろん、業務のパフォーマンスにも影響を与えかねません。

睡眠不足や質の悪い睡眠が与える影響は、従業員個人の問題だけでなく、経営課題にも直結する場合があります。たとえば、生産性やパフォーマンスの低下、労働災害や事故のリスクの上昇などさまざまな懸念が考えられます。

健康経営に取り組むためにも、従業員の“睡眠の質”に注目してチェックし、課題に応じた改善策を取ってみてはいかがでしょうか。

ルネサンス』のセミナーでは、科学的に質のよい睡眠をとる技術を習得できます。良質な睡眠に興味のある方は、ぜひ参加をご検討ください。

  スリープタフネスセミナー|質の高い睡眠で生産性の高い人財を ルネサンスがお届けする“生理学的に裏付けされた睡眠のためのソリューション”です。 快適な睡眠を取り戻すことでパフォーマンスが高まり、企業の成長・発展に貢献できることは間違いありません。健康経営を「睡眠」から始めましょう。 株式会社ルネサンス


また、こちらの記事でも睡眠の質について詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

  【睡眠と健康経営】睡眠の必要性と睡眠不足が与えるリスク 健康経営を目指すうえで、睡眠の質の改善に着目している企業さまも多いのではないでしょうか。この記事では、健康経営に取組む企業の人事・総務担当者の方へ向けて、睡眠の必要性と従業員の睡眠不足が与えるリスクについて解説します。 株式会社ルネサンス
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