【業務パフォーマンスの向上】眠りの質を高める8つの方法
睡眠は、健康を維持するだけではなく、業務のパフォーマンスを維持するうえでも欠かせません。睡眠の質が低いと、健康への影響はもちろん、単純ミスが増えたり判断が鈍ったりするため、パフォーマンスの低下を招く恐れがあります。
また、このような状態が長期間続くと、生産性の低下や品質事故、労働災害にもつながる可能性も考えられます。
現状、従業員の睡眠に対して何らかの課題を感じている場合は、睡眠の質を高める施策の実施を検討してはいかがでしょうか。
この記事では、睡眠の質を高める具体策について8つ紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
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目次[非表示]
- 1.眠りの質を高める具体策
- 1.1.①起床時間を一定にする
- 1.2.②起きたらすぐに日を浴びる
- 1.3.③就寝までは起きている
- 1.4.④食事で睡眠リズムを整える
- 1.5.⑤運動で睡眠リズムを調える
- 1.6.⑥入浴で睡眠リズムを調える
- 1.7.⑦布団は寝るだけの場所にする
- 1.8.⑧睡眠のためのマインドフルネス
- 2.まとめ
眠りの質を高める具体策
眠りの質を高めるには、日々の生活でできることから改善していくことが大切です。ここでは、良質な睡眠のために取り入れられる具体策を、8つ紹介します。
①起床時間を一定にする
就寝時間は日によって異なる場合があっても、起床時間を一定に保つことが大切です。
起床時間が異なると、睡眠に関係するホルモンの一つである“コルチゾール”が分泌される時間がバラバラになり、睡眠覚醒リズム(※)が乱れてしまうといわれています。コルチゾールの分泌時間を一定にするためにも、起床時間を一定にすることが重要です。
※睡眠覚醒リズムとは、起床後、日光を浴びてから約14~16時間後に、自然と眠気を促すよう形成される睡眠リズムのこと。
②起きたらすぐに日を浴びる
起床時間を一定に保つとともに、起床後に朝の光を浴びる習慣を身につけることが大切です。
人の体は、1,500〜2,000ルクスの光を感知すると、メラトニンの分泌が減少して目が覚めます。起床後はカーテンを開けて日光を浴びるようにすることが望ましいです。
一方、交代制勤務の場合、明るい時間帯に帰宅・就寝する方もいます。その場合は、サングラスを着用して帰宅したり、寝室を完全に暗くしたり、光を遮断したりするのがおすすめです。
③就寝までは起きている
睡眠の誘発や維持に関与する“睡眠物質”が十分に溜まると、深い睡眠を得ることができます。しかし、睡眠物質が十分に溜まる前に寝てしまうと、少し溜まっていた睡眠物質を使ってしまうことになります。
昼休み中の短時間の仮眠はリラックス効果が認められていますが、それ以外での仮眠は極力避けるようにすることが望ましいといえます。仮眠の取り方は、座ったままで20分以内にするのがポイントです。また、視界を遮断するだけでもリラックス効果が期待できます。
④食事で睡眠リズムを整える
起床後の目覚めをスッキリさせるためには、朝食が重要です。朝食に、脳のエネルギー源となるブドウ糖を摂取することで、朝から業務に集中できるようになります。
また、睡眠リズムを整えるためにも、朝食に何を摂取するかが大切です。たとえば、朝食にたんぱく質を摂取すると、就寝前に分泌が増えるメラトニンの材料になります。
睡眠の質を下げないためには、夕食に食べ過ぎないことが大切です。寝る3時間前までに夕食を済ませる、消化のよいものを食べることを意識してみてはいかがでしょうか。
出典:農林水産省『朝食が大事なワケ』/e-ヘルスネット『快眠と生活習慣』
⑤運動で睡眠リズムを調える
質の良い睡眠のためには、入眠時に深部体温が下がることが大切です。
運動をすると深部体温が上がりますが、3時間ほど経過すると下がり始めます。就寝時間に合わせて運動をすることで、入眠時に深部体温が急激に下がるため、寝つきやすくなります。
朝6~7時頃起床した場合、1日のうちで深部体温が最も高くなるのは、起床から11時間後にあたる夕方頃のため、この時間帯に軽い運動をするのがおすすめです。ストレッチ、良い姿勢を保つ、階段を使うなど積極的に身体を動かすのがポイントです。
⑥入浴で睡眠リズムを調える
寝る1〜2時間前までに38〜40℃ほどのぬるま湯に浸かると、末梢血管を拡張させて皮膚から放熱することで、深部体温が下がりやすくなります。
質の良い睡眠には、副交感神経を優位にすることが大切ですが、熱いお風呂やシャワーは交感神経を優位にしてしまいます。お風呂やシャワーのときは温度に注意が必要です。
⑦布団は寝るだけの場所にする
寝る前に、スマートフォン(以下、スマホ)でメールやゲームに熱中してしまう方は少なくありません。
ただし、寝る前にスマホやテレビ、ゲームによって脳が興奮するような情報に接したり、強い光を目に入れたりすると、眠りの質を下げてしまうため注意が必要です。
眠りの質を高めるには、脳が布団と睡眠をセットにして記憶することが大切です。脳が「布団=眠る場所」と記憶できるように、布団を寝るだけの場所にするのがポイントです。
出典:厚生労働省『令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要』/マート・ライフ・プロジェクト『質のいい睡眠で、カラダも心も健康に。』
⑧睡眠のためのマインドフルネス
悩んだり、考えてたりして寝つきが悪いときは、マインドフルネスを実践してみるのも一つの方法です。
マインドフルネスとは瞑想の一つで、“今この瞬間”に意識を向けることを指します。過去を後悔したり、未来に不安を抱いたりせずに、今の自分の状態をありのまま観察しましょう。
まとめ
この記事では睡眠の質を高める具体策として、以下の8つを解説しました。
- 起床時間は一定にする
- 起きたらすぐに日を浴びる
- 就寝までは起きている
- 食事で睡眠リズムを調える
- 運動で睡眠リズムを調える
- 入浴で睡眠リズムを調える
- 布団は寝るだけの場所にする
- 睡眠のためのマインドフルネス
睡眠の質は、業務のパフォーマンスにも影響を与えると考えられます。
今回ご紹介した8つの方法に、最初からすべて取り組むことは難しいかもしれません。しかし、1つずつ取り組んで習慣化することで、無理なく睡眠の質を高める効果が期待できます。
従業員の健康はもちろん、生産性、品質など、業務パフォーマンスの向上を目指すためにも、睡眠の質から改善してみてはいかがでしょうか。
『ルネサンス』が開催する『スリープタフネス』では、呼吸法やエクササイズの実践、マインドフルネス体験などを通して、参加者が日常的に取り組めるようなプログラムをご用意しております。
健康経営の取組みや、睡眠の質を高める施策の実施を考えている担当者の方は、お気軽にお問合わせください。
また、以下の記事でも睡眠の質について詳しく解説しています。併せてご確認ください。