認知症を予防する5つの方法。介護施設での効果的な取り組みとは

認知症を予防する5つの方法。介護施設での効果的な取り組みとは


認知症とは、認知機能が持続的に低下することによって日常生活や社会活動に支障をきたしている状態のことです。認知機能は、人間の記憶や言語、意思決定、感情などさまざまな知的情報を処理する機能を指します。

年齢を重ねるほど認知症を発症する可能性が高まるとされているため、介護施設においては認知機能の維持・向上に取り組み、予防することが求められます。

介護施設の管理者やレクリエーション担当者のなかには、「認知症予防に有効な取り組みが分からない」「現在実施しているプログラムではあまり効果が見られない」などとお悩みの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、認知症の予防に取り組む重要性と5つの方法、ルネサンスが独自開発したプログラムについて解説します。


目次[非表示]

  1. 1.認知症予防の重要性
  2. 2.認知症を予防する5つの方法
    1. 2.1.①身体運動の習慣をつくる
    2. 2.2.②バランスのよい食事を提供する
    3. 2.3.③良質な睡眠を促す対策を行う
    4. 2.4.④社会活動や交流の場を提供する
    5. 2.5.⑤認知機能訓練を実施する
  3. 3.ルネサンスが独自開発!効果検証エビデンスがあるプログラム“シナプソロジー”で認知機能の低下を予防!
  4. 4.まとめ


認知症予防の重要性

認知症の予防は、心身機能の改善を通して健康寿命を延伸するだけでなく、自立した生活や社会参加によって生きがいの創出、生活の質の向上を図るために重要な取り組みといえます。

日本では、高齢化の進行に伴って認知症となる高齢者が増加することが予測されており、認知症の予防は社会的な重要課題の一つとなっています。

認知症の原因によって、引き起こされる認知機能障がいは異なりますが、認知機能の低下によって心身にさまざまな問題が表れます。


▼認知機能の低下によって現れる問題

  • 身体動作に支障が生じて買い物や食事、洗濯などの家事が難しくなる
  • 記憶力や注意力が低下して生活がうまくいかなくなる
  • 心身の不調やストレス、不安などによって暴言・徘徊、妄想などが引き起こされる


認知症が発症する原因は数多くあり、もっとも多いのがアルツハイマー型、次いで血管性認知症、レビー小体型認知症と考えられています。

また、認知症と診断される一歩手前の状態を“MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)”といいます。MCIの状態を放っておくと認知症へと進行しますが、対策を行うことで認知症への移行を遅らせたり、認知機能が回復する可能性があります。


▼加齢と認知機能の関係性

加齢と認知機能の関係性

画像引用元:厚生労働省『あたまとからだを元気にするMCIハンドブック


加齢による認知機能の低下を予防するには、早期から認知症の予防に取り組むことが重要と考えられます。

なお、認知症における“予防”とは、“認知症にならない”という意味ではなく、“認知症になることを遅らせる”ことや、“認知症になっても進行を緩やかにする”ことを意味します。

出典:厚生労働省『あたまとからだを元気にするMCIハンドブック』/首相官邸『認知症施策推進大綱



認知症を予防する5つの方法

認知症を予防するには、認知機能の低下を防ぐための取り組みを継続的に行うことが重要です。認知機能の低下を予防する重要な要素には、以下が挙げられます。


▼認知機能の低下を予防する重要な要素

  • 生活習慣(運動・食事・睡眠)
  • 人とのかかわり
  • 脳のトレーニング


これらの要素を取り入れた介護施設での具体的な取り組み方法を5つ紹介します。


①身体運動の習慣をつくる

認知症の発症に関連する因子の一つには、運動不足が挙げられています。

運動習慣がある人は、運動習慣がない人と比べて認知症になるリスクが低くなるとされています。


▼運動と認知症との関係性

運動と認知症との関係性

画像引用元:厚生労働省『あたまとからだを元気にするMCIハンドブック


軽度な運動であっても、週3日以上の運動習慣を身につけることで認知機能低下の予防につながると考えられます。


▼認知症予防につながる運動

  • ストレッチ
  • 音楽に合わせた足踏みやダンス
  • 有酸素運動
  • 足腰を鍛える筋力トレーニング
  • 拮抗運動・拮抗体操 など


介護施設で運動を実施する際は、医師またはインストラクターへ相談のもと、利用者の身体能力や認知機能のレベルに応じたプログラムを実施することが重要です。

出典:厚生労働省『介護予防 マニュアル』『あたまとからだを元気にするMCIハンドブック


②バランスのよい食事を提供する

毎日の食事は、代謝や免疫、神経系など脳のあらゆる機能の維持に深く関わっています。食べる量・質を考慮したうえで、できるだけいろいろな食品をバランスよく摂取することが重要です。

厚生労働省の資料では、バランスよくいろいろな食事を摂ることによって認知機能が低下するリスクが抑制された例が報告されています。


▼食事と認知機能の関係性

食事と認知機能の関係性

画像引用元:厚生労働省『あたまとからだを元気にするMCIハンドブック


また、栄養摂取の面だけでなく、五感への刺激とコミュニケーションの機会創出を意識した食事の場を提供することで、安心感や生活リズムの獲得につながると期待されています。


▼認知症予防のための食事例

  • 野菜や果物、魚などの複数の食品をまんべんなく摂取する
  • 季節を意識した料理や旬の食材を使用して、食事の多様性を高める
  • 減塩タイプの調味料や食品を使用する
  • 体格や体重に合わせた食事量を守る など


出典:厚生労働省『あたまとからだを元気にするMCIハンドブック


③良質な睡眠を促す対策を行う

介護施設では、利用者の良質な睡眠を促すための対策を行うことも重要です。

適切な睡眠時間は人によって異なりますが、短すぎても長すぎても認知症のリスクにつながるとされています。


▼睡眠時間と認知症の関係性

睡眠時間と認知症の関係性

画像引用元:厚生労働省『あたまとからだを元気にするMCIハンドブック


睡眠時間が5時間以上7時間未満の人は、5時間未満または8時間以上の人と比べて認知症の発症リスクが低いという結果が報告されています。

介護施設の利用者に良質な睡眠を促す対策には、以下が考えられます。


▼良質な睡眠を促す対策例

  • 就寝時間はなるべく部屋を暗くする
  • 就寝直前のテレビやスマートフォンを控える
  • カフェインやアルコールの摂取量を減らす など


出典:厚生労働省『あたまとからだを元気にするMCIハンドブック』『健康づくりのための睡眠ガイド 2023 (案)


④社会活動や交流の場を提供する

社会活動をしたり、交流の場に参加したりして、人とのかかわりを持つことは認知症の予防に有効とされています。身体的・心理的・社会的な活動性を増やすことで、認知機能によい影響をもたらすと期待できます。

また、人との交流や会話を通して、相手の感情・意図を汲み取ったり、状況・文脈を理解したりする“社会的認知”の機能が活発化すると考えられています。


▼社会活動・交流の場の例

  • クイズやゲームなどのレクリエーション時間を設ける
  • 地域住民との茶話会を開催する
  • グループでパズルやボードゲーム、楽器の演奏などに取り組む
  • 家族や友人などと電話・ビデオ通話をする時間を設ける など


出典:厚生労働省『あたまとからだを元気にするMCIハンドブック


⑤認知機能訓練を実施する

認知症を予防する取り組みの一つに、認知機能訓練の実施があります。

認知機能訓練は、認知機能の改善を図るための脳のトレーニングです。介護施設で取り入れられている代表的なトレーニングには、体を使った“運動課題”と脳を使った“認知課題”の2つの課題を同時にこなす“二重課題運動”が挙げられます。


▼二重課題運動の取り組み例

二重課題運動の取り組み例

画像引用元:厚生労働省『あたまとからだを元気にするMCIハンドブック


二重課題運動は、全体的認知機能や言語流暢性、記憶、脳萎縮の改善に向けた取り組みとして有効性が確認されています。


なお、認知機能訓練についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

  介護施設における認知機能訓練の課題。継続的な参加を促すプログラムとは 高齢化が進む今、認知機能の維持・向上のための訓練を通して機能低下を予防することが社会的な課題となっています。今回は、認知機能の低下を予防するための一般的な訓練や介護施設における認知機能訓練の課題、ルネサンスが提供する独自プログラムについて解説します。 株式会社ルネサンス


出典:厚生労働省『あたまとからだを元気にするMCIハンドブック



ルネサンスが独自開発!効果検証エビデンスがあるプログラム“シナプソロジー”で認知機能の低下を予防!

シナプソロジー


シナプソロジー®は、ルネサンスが独自開発した認知機能訓練プログラムの一種です。二重課題運動をベースに認知機能への刺激を行うことで、脳を活性化させる仕組みとなっています。


▼シナプソロジーの特徴

  • できることを目的としない
  • 日常の動作に紐づいている
  • 段階的で多種多様なプログラムが用意されている


シナプソロジーは、慣れていない動作や初めて行う動作によって脳に新しい刺激を与えて、適度な混乱を楽しむことを大切にしています。プログラムをできるようになることを目的としないため、できないことによる利用者のストレスや意欲の低下を防げます。

また、歩行・移動などの日常の動作に紐づいていることから、意欲を持って取り組んでもらいやすくなります。さらに、多種多様なプログラムによって利用者の身体能力や認知機能に合わせた取り組みを実施できるほか、マンネリ化によって飽きてしまう心配がありません。

認知機能訓練は継続して取り組むことが重要となるため、利用者が楽しく継続しやすいシナプソロジーがおすすめです。

医療現場でも活用されています。


シナプソロジーの効果やメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

  認知機能向上の鍵!シナプソロジー®の効果と導入メリット 加齢による認知機能の低下をどのように予防するかは、高齢の利用者をケアする介護事業所における課題の一つです。 利用者にとって効果的なプログラムを導入することは、介護事業所としても差別化を図るうえで役立つ可能性があります。 介護事業所の経営者・店舗責任者のなかには、「シナプソロジー®の導入を検討している」「基本情報や効果について知りたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。 この記事では、シナプソロジー®の概要をはじめ、効果と導入するメリットについて解説します。 株式会社ルネサンス


※シナプソロジー・SYNAPSOLOGY・シナプソロジーロゴは、株式会社ルネサンスの登録商標です。



まとめ

この記事では、介護施設における認知症予防について以下の内容を解説しました。


  • 認知症予防の重要性
  • 認知症を予防する5つの方法
  • ルネサンスが独自開発!効果検証エビデンスがあるプログラム“シナプソロジー”の特徴


高齢化が進行する今、認知症予防は社会的な課題の一つです。健康寿命の延伸や生活の質の向上を図るために、介護施設においても認知症予防に取り組むことが重要といえます。

認知症の発症は、日頃の生活習慣や社会的なかかわりが深く関係しています。認知機能低下を予防するには、適度な運動やバランスのとれた食事、良質な睡眠、社会活動・交流の場への参加、認知機能訓練の実施がポイントとなります。

ルネサンス』では、脳を活性化させる独自開発のプログラム『シナプソロジー』を提供しております。二重課題運動をベースとしたゲーム感覚で行えるプログラムによって、楽しみながら認知機能の低下予防に対する取り組みを行えます。

介護施設のレクリエーションとして取り入れることで、出席率の向上やマンネリ化の解消にもつながります。


シナプソロジーの詳細については、こちらをご確認ください。

  シナプソロジー|介護リハ事業所の差別化プログラム シナプソロジーはスポーツクラブルネサンスが独自で開発したプログラムです。 「2つのことを同時に行う」「左右で違う動きをする」といった普段慣れない動きで脳に適度な刺激を与え、活性化を図ります。 「脳」にアプローチして事業所の差別化をしませんか? さらに、職員教育にもつながるプログラムです。 株式会社ルネサンス


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