高齢者の認知機能向上に役立つ二重課題運動を解説

高齢者の認知機能向上に役立つ二重課題運動について解説


高齢者になると認知症になりやすく、2025年には65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になると予測されています。

認知症とは、脳の病気や障がいなどが原因で認知機能が低下して、日常生活に支障をきたす状態のことです。アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症などの種類があります。

内閣府の『令和4年版 高齢化社会白書』によると、日本の65歳以上の高齢化率は28.9%で、今後も上昇することが予測されており、2036年には33.3%で約3人に1人の割合になる見込みです。

そのため、日本の高齢化に伴い、認知機能が低下しやすい利用者の多いデイサービスでは、認知機能向上に向けた取組みが求められています。

この記事では、高齢者の認知機能や身体機能の向上が期待できる“二重課題運動”について解説します。

出典:厚生労働省 みんなのメンタルヘルス『認知症』/内閣府『令和4年版 高齢化社会白書


目次[非表示]

  1. 1.二重課題運動とは
  2. 2.二重課題運動が研究された背景
  3. 3.研究の内容と成果
  4. 4.今後の展開
  5. 5.まとめ


二重課題運動とは

二重課題運動とは、“運動課題(体を動かす)”と“認知課題(脳を使う)”の2つの課題を同時に行うトレーニングのことです。

体と脳を同時に使う運動は、認知機能向上の効果が期待できます。

トレーニング方法は、じゃんけんや指数えなどのゲーム感覚で楽しめるものが多くあります。


▼具体的な二重課題運動の例
▽ひとりじゃんけん

  1. 両手で同時に「じゃんけんポン」とじゃんけんをする
  2. 負けたほうのじゃんけんを「グー」のように発声する。あいこの場合は、「あいこ」と発声する


▽指揮者

  1. 右手は体の前で上から下に線を描き、上下に繰り返し動かす
  2. 左手は体の前で縦に四角を描き、繰り返し動かす
  3. 1と2の動きを、数字を数えながら同時に動かす


▽指数え&グーパー

指数え&グーパー


  1. 利き手と反対の手をグーパーグーパーと繰り返す
  2. 利き手は親指から順に指を折りながら1から10まで数える
  3. 両手違う動きを同時に1から10まで声に出して数えながら行う


二重課題運動は、無理をせずに継続して行うことがポイントです。



二重課題運動が研究された背景

近年では、動物実験や実験室レベルでのヒト研究、疫学調査研究により、⾝体機能が低下するのを抑制する効果が多く示されました。しかし、身体機能の向上に着目したデータであり、認知機能に対する効果はあまり検証されていませんでした。

そこで、筑波大学の研究チームは、運動課題と認知課題の2つの課題を同時に⾏う⼆重課題運動に注目して、2020年に身体機能と認知機能の共役関係によるシナジー効果の可能性を報告しています。

また、2022年に報告された研究では、85歳以上の超高齢者を対象に、シナプソロジー®()を活用して高度な二重課題運動の定量的評価を試みています。

※シナプソロジー®とは、ルネサンスが独自で開発した二重課題運動プログラムのこと。



研究の内容と成果

⼆重課題運動には、身体機能に加えて、認知機能向上が期待できることが判明しています。

筑波大学では、平均年齢89.9歳の超高齢者24人を、“⼆重課題運動を実践した群”と“⾮実施群(対照群)”に分けて、24週間にわたり調査を行いました。

その結果、⼆重課題運動を実施した群では、身体機能と認知機能の両方が著しく改善しています。非実施群では、すべての評価項目で改善は認められず、時間とともに身体機能と認知機能が低下するという結果が出ました。


▼二重課題運動の研究内容

  • 60分の二重課題運動を週に2回、24週間で実施
  • じゃんけんやボール回しなどの身体動作と、数字の計算や言葉を使う脳活性課題を組み合わせたプログラムを実施


これらの研究内容をまとめた論文は、2022年4月、アルツハイマーや認知症に関する情報を掲載するアメリカの学術誌にも掲載されました。

二重課題運動は、ゲーム感覚かつ集団で楽しめるため、超高齢者の参加率が高く、コミュニケーションを図れる場としても有効的だといえます。

デイサービスのレクリエーションで、脳トレとして導入してみてはいかがでしょうか。

なお、⼆重課題運動の研究内容が掲載されたアメリカの学術誌のページは、こちらからご覧いただけます。

Cognitive and physical benefits of a game-like dual-task exercise among the oldest nursing home residents in Japan



今後の展開

高齢者は、二重課題運動を継続的に実施することで、身体機能や認知機能が維持・改善され、健康寿命の延伸が期待できます。

二重課題運動の研究における今後の課題としては、⾝体機能と認知機能を同時に活性化させるための、より⾼度なプログラム開発に取組む必要性が挙げられます。



まとめ

この記事では、二重課題運動について以下の内容で解説しました。


  • 二重課題運動の基本概要
  • 二重課題運動が研究された背景
  • 研究内容と成果
  • 今後の展開


筑波大学とルネサンスの共同研究により、運動課題と認知課題の2つの課題を同時に行う二重課題運動プログラム“シナプソロジー®”は、認知機能低下を抑制する効果が期待できることが判明しました。

それだけではなく、ゲーム感覚で集団で実施される“シナプソロジー®”には、社会的交流の機会が減っている超高齢者社会で、コミュニケーションを図れる場としての効果も期待できます。

高齢者が多く利用するデイサービスでも、利用者の認知機能向上にアプローチする二重課題運動を取り入れてみてはいかがでしょうか。

ルネサンス』では、慣れない動きで脳を適度に刺激して活性化を図るプログラム“シナプソロジー®”を提供しています。

脳が喜び笑顔が生まれる“シナプソロジー®”は、デイサービスだけでなく、企業やフィットネスクラブ、幼稚園などでも活用されています。

シナプソロジー®に関する詳しい情報はこちらをご覧ください。

  シナプソロジー|介護リハ事業所の差別化プログラム シナプソロジーはスポーツクラブルネサンスが独自で開発したプログラムです。 「2つのことを同時に行う」「左右で違う動きをする」といった普段慣れない動きで脳に適度な刺激を与え、活性化を図ります。 「脳」にアプローチして事業所の差別化をしませんか? さらに、職員教育にもつながるプログラムです。 株式会社ルネサンス


また、こちらからお問い合わせいただけます。

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