ストレスを適切に受け止める3つの土台『食事』『休養』『運動』の改善方法

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ストレス反応は、ストレッサーを認知するときの悪いクセで引き起こされることがあります。認知の悪いクセは、トレーニングによって改善することが可能です。

しかし、悪いクセを改善しようとしても、肝心の体が疲労状態ではうまくいきません。食事・休養・運動を整えて、体を健康に保つことが重要です。

この記事では、ストレスを適切に受け止める土台となる食事・休養・運動と、その改善方法について解説します。


なお、ストレッサーを認知するときの悪いクセと改善方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。


目次[非表示]

  1. 1.ストレスを適切に受け止める3つの土台
    1. 1.1.①食事
    2. 1.2.②休養
    3. 1.3.③運動
  2. 2.3つの土台の整え方
    1. 2.1.食生活の改善方法
      1. 2.1.1.①5大栄養素をバランスよく摂取する
      2. 2.1.2.②5色を彩りよく摂取する
      3. 2.1.3.③摂取するタイミングを見直す
    2. 2.2.良質な休養方法
    3. 2.3.体を整える運動方法
  3. 3.まとめ


ストレスを適切に受け止める3つの土台

体を良い状態にすることで、ストレスにつながりやすい出来事を良い思考で認知することが可能となります。体を良い状態にするためには、ストレスを受け止める3つの土台となる食事・休養・運動を整えることが大切です。


①食事

食事には、心と体の健康を維持・増進する、肥満や生活習慣病などを予防して、健康寿命を伸ばす役割があります。ただし、栄養バランスや規則的な食事のリズムを整えることが大切です。

出典:厚生労働省『食生活指針の解説要領』/政府広報オンライン『「食べる力」=「生きる力」を育む食育 実践の環(わ)を広げよう


②休養

休養は、生活の質に関わる重要な要素の一つです。心と体の健康のためには、日頃から、十分に質の良い睡眠をとることはもちろん、余暇で心と体を養うことが欠かせません。

休養は、疲れを癒やすために欠かせません。疲れたときは、積極的に休養をとることが大切です。

出典:厚生労働省『国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針


③運動

運動することで、筋肉を積極的に動かして血流をよくします。これにより、筋肉の緊張がほぐされて、精神を安定させることが期待できます。

出典:厚生労働省『国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針



3つの土台の整え方

ストレスを適切に受け止められるようになるには、普段から食事・休養・運動の3つの土台を整えることを意識した行動が求められます。

ここからは、3つの土台の整え方について、詳しく解説します。


食生活の改善方法

毎日の食事を見直して、3つのポイントを押さえることで、食生活の改善を図ることができます。


①5大栄養素をバランスよく摂取する

栄養素は、炭水化物、脂質、たんぱく質、ミネラル(無機質)、ビタミンの5つに分けることができます。それぞれの役割を認識して、バランスよく摂取することが大切です。


▼5大栄養素と含まれる食品例

栄養素
栄養素が含まれる食品
炭水化物:脳や筋肉などの生命活動のエネルギー源
ごはん・パン・麺など
脂質:脳や筋肉などの生命活動のエネルギー源
油脂類・揚げ物・洋菓子など
たんぱく質:体の成分をつくる・自律神経を調節する・免疫機能を高める
肉・魚・卵・大豆製品など
ミネラル:神経の伝達を高める・精神の安定を図る
野菜・果物・乳製品・海藻類・小魚など
ビタミン:糖質・脂質・タンパク質の働きをサポートする
野菜・果物・レバーなど


②5色を彩りよく摂取する

5大栄養素をバランスよく摂取することは大事ですが、正しく管理するには、栄養素や栄養価計算に関する知識が求められるため、容易なことではありません。

簡単にバランスよく栄養を摂取するためには、食材の色を意識することが重要です。

5色をバランスよく摂取する習慣をつけることで、自然と栄養バランスが整いやすくなります。


5色を食べる


また、見た目で判断できるため、栄養素や栄養価計算に関する知識がなくても意識しやすいです。さらに、自炊だけではなく、外食・中食でも取り入れやすいといえます。


③摂取するタイミングを見直す

従業員のなかには、朝食を抜いている方もいると考えられます。

しかし、空腹のままでは、脳だけでなく体を動かすエネルギーが不足するため、体が重く、だるさや疲労感が残って元気が出ません。きちんと三食を摂取することが大切です。

三食を摂取するときのポイントは、以下のとおりです。


▼三食を摂取するときのポイント

朝食
脳を活性化するために、炭水化物(ブドウ糖)を摂取する
昼食
日中に摂取したカロリーはエネルギーに変換されやすいため、脂肪分を摂取する場合は昼食が適している
夕食
夜間に体をつくるために、たんぱく質を摂取する

出典:農林水産省『朝ごはんを食べないと?


良質な休養方法

睡眠は休養の原点です。全日本病院出版会 日本睡眠教育機構監修 宮崎総一郎・佐藤尚武『医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック』 (2013年10月)では、良質な睡眠のために次の10項目を掲げています。


▼良質な睡眠のための10項目

  1. 就寝前4時間はカフェインの摂取を避ける(カフェイン:コーヒー、紅茶、緑茶、チョコレート等)
  2. 禁煙(就寝前2時間の喫煙を避ける)
  3. 就寝前の光の刺激を避け、照明はやや暗めにする(光の刺激:テレビ、パソコン、スマホ、ゲーム等)
  4. 熱すぎる入浴やシャワーを避け、ぬるめの入浴にする
  5. 早朝の自然光を浴び体内時計をリセットする
    自然光のような1500~2000ルクス以上の光は網膜を介してメラトニンを抑制=眠気がとれる
    14~16時間後頃から自然に眠気を催す“睡眠覚醒リズム”を形成=ぐっすり眠れる
  6. よい睡眠リズムをつくるために、毎日同じ時刻に起床する
  7. 就寝時間にこだわり過ぎず、眠たくなったら床に就く
  8. 規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
  9. 眠りが浅い時は遅寝・早起きで睡眠リズムを回復させる
  10. 睡眠薬代わりの寝酒は逆に不眠のもと

引用元:全日本病院出版会 日本睡眠教育機構監修 宮崎総一郎・佐藤尚武『医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック』 (2013年10月)


質の良い睡眠により、副交感神経を優位にして、回復やリラックス効果が期待できます。

また、呼吸を整えることで、心の安定を図れます。副交感神経の働きを高めるために、腹式呼吸を取り入れることも一つの方法です。

出典:厚生労働省 『腹式呼吸をくりかえす


体を整える運動方法

体の機能向上は、脳の機能向上につながるといわれています。好循環をつくるためにも、運動をして体を整えることが大切です。


▼体の機能向上が脳の機能向上につながるメカニズム

  1. 動く
  2. 体の機能向上
  3. 血流の向上
  4. 脳の活性
  5. 脳の機能向上
  6. パフォーマンスの向上


脳は、多くの血液を必要とします。全身の血流が良くなることで脳の血流もよくなり、脳の活性化につながります。

腿(もも)の前やお尻の横など、大きな筋肉を動かすことで、血流や代謝の向上が期待できます。



まとめ

この記事では、ストレスを支える3つの土台について解説しました。


  • ストレスを支える食事・休養・運動とは
  • 3つの土台の整え方


メンタルタフネスを目指そうにも、土台ができていない状態では、疲労がとれず、ストレッサーを認知する悪いクセを改善できません。

前向きで良い認知をするためにも、まずは土台となる食事・休養・運動の習慣を見直すことが大切です。

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また、以下の記事でもストレスについて詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

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