情報機器(VDT)作業による健康問題と予防・対策を解説

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パソコンやタブレットなどの情報機器を使用して作業を行う職場において、長時間作業による眼精疲労や目の乾きなど、健康に影響を与えることが懸念されています。

「情報機器(VDT)作業によりどのような健康問題が懸念されるか分からない」「情報機器(VDT)作業による健康問題の予防策や対策を知りたい」と考える職場の健康づくり担当者の方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、情報機器(VDT)作業の概要をはじめ、懸念される健康問題の予防・対策について解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.情報機器(VDT)作業とは
  2. 2.情報機器(VDT)作業による健康問題について
  3. 3.情報機器(VDT)作業による健康問題の対策
  4. 4.情報機器(VDT)作業による健康問題を予防する体操
  5. 5.従業員が行うVDT作業のために企業ができること
  6. 6.まとめ


情報機器(VDT)作業とは

VDT作業とは、ディスプレイのような出力装置、マウスやキーボードなどの入力装置で構成される“VDT(Visual Display Terminals)機器”を用いた作業を指します。

最近では、“情報機器作業”との呼び名に置き換えられました。VDTという用語が一般的になじみがないことや、近年はパソコンに加えてタブレットやスマートフォンなどの多様な情報機器が利用されるようになったことが背景にあります。


主な作業には、データ入力、文章・画像の作成・編集、プログラミング、検索など、以下3つの特徴を持った作業に分けられます。


▼情報機器(VDT)作業の特徴

  • 監視作業やコールセンター対応など、 “自分の判断で中断が難しい作業”
  • 経理業務や文書作成など、“考えながら行う作業”
  • プログラミングやパソコンを用いた校正・編集など、“情報機器を常に使用する作業”


情報機器(VDT)作業は就労環境に欠かせない一方で、長時間行うことによる健康への影響が懸念されています。


▼懸念される健康への影響

  • 眼の症状
  • 心の症状
  • 身体の症状


上記の症状を感じる労働者の増加により、厚生労働省は1985年に『VDT作業のための労働衛生上の指針について』というガイドラインを作成しました。

その後、2019年に『情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン』として改変されました。

このガイドラインの目的は、情報機器(VDT)作業を行う労働者の健康を守ることです。従業員が感じる心身の負担を軽減して、支障なく働けるようにするために、事業者がどのような措置を講じたほうがよいかについてまとめられています。





情報機器(VDT)作業による健康問題について

⻑時間同じ姿勢で情報機器(VDT)作業を続けることによって、⼼⾝の健康に悪影響を及ぼし、健康問題につながることがあります。“VDT症候群”とも呼ばれます。

情報機器(VDT)作業による健康問題の症状は、眼・身体・心と大きく3つに分けられます。


▼情報機器(VDT)作業による健康問題の主な症状

眼の症状

  • ドライアイ
  • 眼精疲労
  • 充血
  • 視力低下
身体の症状
  • 首・肩の凝り
  • 腰・背中の痛み
  • 腱鞘炎
  • 頭痛

心の症状

  • イライラ
  • 不安感
  • 疲労感
  • 憂うつ感



情報機器(VDT)作業による健康問題の対策

パソコン・タブレットによる作業を長時間行う場合は、ガイドラインに沿って労働衛生管理を進めることが大切です。

ここでは、『情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン』を参考に、作業環境管理・作業管理・健康管理の観点から対策方法やポイントについて解説します。


▼作業環境管理の例

照明
  • 机上の照度が300ルクス以上になるように調整する
  • 窓にブラインドを設置して、太陽光の差し込みを調節する
パソコン機器
  • 正しい姿勢が取れるように位置や向きを調整する
  • 動かせるキーボード・マウスを使用して肩こりを予防する
  • 輝度やコントラストなどを調節して眼の疲労を抑える
椅子・机
  • 座面の高さ・背もたれが調節できるものを使用する
  • 脚元が窮屈でない机を選ぶ

厚生労働省『情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン』を基に作成


▼作業管理の例

作業時間
  • 従業員に応じた業務量を与える
  • 1時間ごとに10~15分程度休憩する
作業姿勢
  • 椅子に深く、足裏の全体が接するように座る
  • 長時間同じ姿勢にならないように体を動かす
機器の調整
  • ディスプレイは眼から40cm以上離す
  • ディスプレイの位置や角度、輝度などを調節する

厚生労働省『情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン』を基に作成


▼健康管理の例

職場体操
  • 休憩時間にストレッチやリラクゼーションなどを行うよう呼びかける
  • 運動を促すゲームを取り入れる
健康診断の実施
  • 情報機器(VDT)作業を1日4時間以上行う従業員
  • 情報機器(VDT)作業が1日4時間未満だが、身体的な症状がある従業員
健康相談
  • 健康相談の機会を設けるように努める
  • テレワーク中心の場合、定期的に会社で集まる機会を設ける

厚生労働省『情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン』/総務省『インターネットトラブル事例集』を基に作成


また、テレワークを行う職場においても、上記のガイドラインに準じて従業員の健康確保に努める必要があります。

たとえば、テレワークの作業環境を整備する際、以下を参考にできます。


自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備

画像引用元:厚生労働省『自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備


出典:厚生労働省『情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン』『自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備』/総務省『インターネットトラブル事例集



情報機器(VDT)作業による健康問題を予防する体操

情報機器(VDT)作業中は、1時間に10~15分程度の休憩を取ることが望ましいとされています。

休憩中にマッサージやストレッチを行うことで、筋肉の凝りをほぐして、血流改善・疲労回復を図ることが可能です。また、リラックス・姿勢改善の効果も期待できます。

ここからは、休憩中に椅子に座りながらできる簡単なマッサージ・ストレッチを紹介します。


▼目の周りのマッサージ

VDT(情報機器作業スッキリセミナー)_ページ_


  1. 指3本を目の下の骨にあて、押しながら徐々に目尻の方へ動かす
  2. 指3本を眉頭の辺りにあて、押しながら徐々に眉尻の方へ動かす


疲れを溜めないために、習慣的に行うことが大切です。


▼背中のストレッチ

	背中のストレッチ


  1. 両手を胸の前で組んで引き寄せる
  2. 手と胸を遠くに離して背中を丸める(3~5回)


肩の力を抜いて行うことがポイントです。


▼腿裏のストレッチ

	腿裏のストレッチ


  1. 片脚を前に伸ばしてかかとをつける
  2. 手で椅子の横を持ち、10~15秒ほど上体を前に倒す
  3. 反対の足も同じように行う


目線をつま先の方向に向けるとより効果が期待できます。


従業員が行うVDT作業のために企業ができること

  • 従業員の健康状態を正しく把握し、年に1回は健康診断を行う
  • 健康診断の結果に基づき産業医などを活用した健康相談機会を設ける
  • 就業前後、または就業中に体操、ストレッチ、リラクゼーション、軽い運動などを行う

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まとめ

この記事では、情報機器(VDT)作業の健康問題について、以下の項目を解説しました。


  • 情報機器(VDT)作業とは
  • 情報機器(VDT)作業による健康問題について
  • 情報機器(VDT)作業による健康問題の対策 
  • 情報機器(VDT)作業による健康問題を予防する体操


情報機器(VDT)作業はさまざまな職場に導入されていますが、長時間作業による健康問題が懸念されています。

従業員の健康を確保するためにも、オフィスワーク・テレワークにおける適切な作業・健康管理に努めることが重要です。

休憩中に、体を動かしてリフレッシュ・疲労回復を図れるような取組みを検討してみてはいかがでしょうか。


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