デイサービスの加算算定や人手不足の課題を解決するには。ICT活用による現場業務の効率化がカギ
少子高齢化によって介護需要の高まりと生産年齢人口の縮小が同時に生じるなか、デイサービスの運営においてはさまざまな課題が見られています。
デイサービスにおける課題の解決を図るうえでは、ICTによる現場業務の効率化がカギとなります。
介護施設の担当者のなかには、「デイサービスにおける課題の解決にICTの活用がなぜ必要なのか」「効果的なICTツールが知りたい」などとお考えの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、デイサービスの運営における課題やICT活用の重要性、課題を解決するICTツールについて解説します。
なお、介護予防へのICTの活用についてはこちらの資料をご確認ください。
その他この記事を読んでいるあなたにおすすめ
- お役立ち記事 | デイサービスにおける人手不足の原因と解決策。映像プログラムで職員の業務負担を軽減
お役立ち記事 | 科学的介護情報システム(LIFE)とは? 活用方法を解説
-
お役立ち記事 | ADL維持等加算とは。算定要件や加算を取得するポイント
目次[非表示]
- 1.デイサービスの運営における課題
- 1.1.加算の算定による収益向上
- 1.2.人手不足への対策
- 2.デイサービスの課題解決に向けたICT活用の重要性
- 3.デイサービスの課題を解決するICTツール
- 3.1.記録業務の効率化
- 3.2.加算の算定に必要なプログラムの提供
- 3.3.加算算定のサポート
- 4.まとめ
デイサービスの運営における課題
デイサービスの運営においては、事業の継続性を保つために収益の向上を図る必要があります。また、少子高齢化の影響で深刻となっている人手不足への対策も求められます。
加算の算定による収益向上
事業を安定して継続させるには、収益の向上を図る必要があります。
利益率の指標となる収支差率を見ると、2022年度決算におけるデイサービスの収支差率は1.5%で、介護サービス全体の平均となる2.4%よりも低い状態です。なかには赤字となっている施設もあります。
デイサービスの収益を向上させるには加算の算定が重要です。特定の要件を満たすことで介護報酬を増やせるため、収益の向上に直結します。
▼加算によって期待できる収益の例(※)
追加で算定する加算 |
単位数 |
収益想定 |
口腔機能向上加算(Ⅰ) |
150単位(1ヶ月)×2(要介護)
150単位(1ヶ月)×1(要支援)
|
225,720円 |
口腔機能向上加算(Ⅱ) |
160単位(1ヶ月)×2(要介護)
150単位(1ヶ月)×1(要支援)
|
240,768円 |
科学的介護推進体制加算 |
40単位(1ヶ月) |
30,096円 |
個別機能訓練加算(Ⅰ)イ |
56単位(1日) |
42,134円 |
個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ |
76単位(1日) |
57,182円 |
個別機能訓練加算(Ⅱ) |
20単位(1ヶ月) |
15,048円 |
一方で、帳票への記録をはじめとする作業が煩雑になりやすいことから、加算を算定できていない施設が多いとされています。
なお、加算算定の仕組みについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
※5級地の通所介護施設において72名に算定した場合の例
出典:厚生労働省『令和5年度介護事業経営実態調査結果の概要』『口腔・栄養(自立支援・重度化防止を重視した質の高い介護サービスの推進)』『令和6年度介護報酬改定における改定事項について』『地域区分について』/内閣府『介護サービスの質の評価と科学的介護の取組の推進(その1)(令和3年度介護報酬改定)』
人手不足への対策
デイサービスをはじめとする介護業界は人手不足が深刻なため、対策が必要です。
▼介護関係職種における有効求人倍率の推移
画像引用元:厚生労働省『「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」現状と課題・論点について』
人手不足によって欠勤への対応が難しくなったり、現場スタッフの負担につながったりする問題が生じています。
また、口腔機能に対する歯科専門職のように、専門的な知識を持つスタッフを確保できないことで、効果的なプログラムを策定することが難しいケースが見られます。
なお、デイサービスの人手不足についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
デイサービスの課題解決に向けたICT活用の重要性
デイサービスにおける課題を解決するには、ICTの活用が重要です。ICTを活用することで、表計算ソフトを含む手作業では煩雑になりやすい帳票作成業務の効率化が実現します。
加算の算定が行いやすくなるだけでなく、業務負担の軽減による離職率の低下も期待できます。
また、近年では加算の要件として科学的介護情報システム(以下、LIFE)への対応が求められ、データの入力に時間と労力がかかるケースがあります。LIFEと連携できるICTツールの利用によって、データ入力の円滑化が可能です。
LIFEへの対応によって単位がより多くなる加算も見られるようになっており、ICTによる加算のサポートは今後ますます欠かせないものになると考えられます。
▼LIFEへの対応が必要な加算の例
- 科学的介護推進体制加算
- 口腔機能向上加算(Ⅱ)
- 個別機能訓練加算(Ⅱ)
- ADL維持等加算 など
なお、LIFEやADL維持等加算についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
出典:厚生労働省『科学的介護』『口腔・栄養(自立支援・重度化防止を重視した質の高い介護サービスの推進)』
デイサービスの課題を解決するICTツール
ルネサンスでは、ICTの活用が難しいと感じている事業所でも導入しやすいソリューションとして『R-Smart』を提供しています。
R-Smartでは、ICTによる記録業務の効率化や効果的なプログラムの提供が可能です。また、現場力を持った人材による加算算定のサポートも受けられます。
これにより、加算の算定が円滑に行えるようになり、現場の負担軽減にもつながります。
記録業務の効率化
R-Smartには、加算の算定に必要な帳票を簡単に作成できる機能があります。
施設内に点在している情報を一元管理でき、プルダウン式の簡素な入力方式によって帳票を作成できます。これにより、文字入力を70%削減し、帳票作成時間についても80%削減することが可能です。
加えて、LIFEとの連携機能があるため、LIFEを必要とする加算の算定も効率化できます。
加算の算定に必要なプログラムの提供
R-Smartでは、加算の算定に必要なプログラムについて、ルネサンスで効果を検証済みのプログラムが利用できます。
これにより、特に難易度が高いとされる口腔機能向上加算について、歯科専門職のいない施設でも算定を目指せるようになります。
また、利用者のモチベーションについても考慮された持続しやすい内容となっており、出席率85%を維持した実績があります。
加算算定のサポート
R-Smartを導入することで、加算算定システムの導入から実運用までのサポートが受けられます。
▼R-Smartによる加算算定のサポート
サポートの種類 |
サポート内容 |
導入前サポート |
システムを使用した帳票管理とプログラムの研修を実施 |
加算取得サポート |
利用者やケアマネージャーの説明などをサポート |
運用サポート |
システムの操作方法やプログラム運用に関する不明点を解消 |
効果測定 |
売上・業務効率化・利用者満足度などの測定とサポート |
現場の運用ノウハウを活用した体系的な支援により、加算算定におけるICTの活用を利用方法からサポートします。
まとめ
この記事では、デイサービスの課題について以下の内容を解説しました。
- デイサービスの運営における課題
- デイサービスの課題解決に向けたICT活用の重要性
- デイサービスの課題を解決するICTツール
デイサービスの運営においては、事業を安定させるために収益の向上を図る必要があります。また、深刻化する人手不足への対策も欠かせません。
収益の向上に必要な加算の算定を効率的に行うには、ICTの活用が有効です。また、ICTによる業務効率化は従業員の負担を軽減させて離職を防ぐためにも役立ちます。
『ルネサンス』では、ICTの活用が難しいと感じている事業所でも導入しやすい『R-Smart』を提供しています。
記録業務を効率化するICTシステムや加算の算定に必要なプログラムを提供できるほか、ICTシステムの導入から実運用までの研修・サポートに対応しています。
詳しいサービスの内容は、こちらをご確認ください。