【介護】加算算定の仕組みと業務効率化の方法
加算算定は、介護事業において収入の増加につながる重要な介護報酬の項目です。その項目の一つに、科学的介護情報システムの導入があります。
科学的介護情報システム(以下、LIFE)とは、介護サービス利用者の状態やケアを記載する計画内容のデータを収集・分析して、科学的根拠に基づいたフィードバックを行うシステムです。Long term care Information system For Evidenceを略して、LIFEと呼ばれています。
介護サービス利用者のケアの計画や内容をLIFEに入力すると、インターネットを通じて厚生労働省へ送信され、フィードバックを受けることができます。
LIFEからのフィードバックを受けた介護事業者は、ケアの質の向上や、業務のPDCA(Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Action:改善)サイクルの円滑化に生かすことが可能です。
加算算定の効率化を図るために「加算算定について学びたい」「加算算定を効率化させるためのサービスがあれば導入したい」と考える担当者の方もいるのではないでしょうか。
この記事では、加算算定の仕組みと、算定の効率化について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
なお、LIFEの詳細については、こちらの記事で解説しています。併せてご一読ください。
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目次[非表示]
- 1.加算算定とは
- 1.1.①加算算定の目的
- 1.2.②計算方法
- 1.3.③デイサービスで算定できる加算一覧
- 2.加算取得の課題と解決策
- 3.加算算定の業務負担を軽減するICT化
- 3.1.①ICTを活用した業務効率化
- 3.2.②R-Smart
- 4.まとめ
加算算定とは
介護事業における加算査定は、要件を満たすことで基本報酬に追加して算定できる介護報酬の項目の一つです。ここでは、加算算定の目的と計算方法、デイサービスで算定できる加算を紹介します。
①加算算定の目的
加算算定の主な目的として、事業者および職員の収入増加と、より質の高いサービスの提供を促すことが挙げられます。
国が行う政策の一部として、介護や医療現場で働く職員の処遇改善、体制の強化など、今後のサービスや取組みの質を向上させることも目的です。
②計算方法
利用者に介護サービスを提供する事業者の賃金には地域差があります。この差を介護報酬に反映する目的で、“単位制”が採用されています。
1単位の報酬単価は、以下の計算式で算定できます。
基本報酬単価(10円) × サービス別人件費割合 × 地域別上乗せ割合 |
地域別上乗せ割合は、物価や人件費といった地域格差を調整するために日本全域で区分されており、“1〜7級地”と“その他”に分類されています。
また、サービス別人件費割合は、サービス内容により70%・55%・45%に分けられます。そのうち、デイサービス(通所介護)の人件費割合は45%となっています。級地別の単価は次のとおりです。
▼デイサービスの級地別報酬単価
- 1級地:10.90円/単位
- 2級地:10.72円/単位
- 3級地:10.68円/単位
- 4級地:10.54円/単位
- 5級地:10.45円/単位
- 6級地:10.27円/単位
- 7級地:10.14円/単位
- その他:10円/単位
出典:厚生労働省『地域区分について』
③デイサービスで算定できる加算一覧
訪問介護や訪問看護サービスなど、サービス内容に応じで加算内容や単位が異なります。ここでは、デイサービスで算定できる加算と単位数を一覧で紹介します。
口腔機能向上加算 |
|
個別機能訓練加算 |
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栄養改善加算 |
200単位/回 |
運動器機能向上加算 |
225単位/月 |
認知症加算 |
60単位/日 |
生活機能向上連携加算 |
|
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加算取得の課題と解決策
加算取得は、利用者にも事業者にもメリットがある一方でいくつかの課題もあります。主な課題として挙げられるのが、“要件が異なる項目数のうち、どの加算から取得すればよいか”ということです。
解決策として、取得難易度の低い項目から加算取得を図る方法があります。加算取得において、一般的に取得しやすいといわれるのが、口腔機能向上加算です。
口腔機能向上加算は、言語聴覚士、歯科衛生士、看護職員のいずれかを1名以上配置する必要があります。帳票作成が1種類で済み、職員の負担が少ないという特徴があります。
口腔機能向上加算の要件については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
加算算定の業務負担を軽減するICT化
加算算定に関するノウハウの不足や、効率的な算定を行う仕組みが確立されていないなどの悩みは、ICT化により解決へとつなげられます。
①ICTを活用した業務効率化
2020年度の介護報酬改定により、介護現場でICTの活用が認められました。この改定の後押しになったのが、感染症まん延による人材不足や、利用者との接触制限などといわれています。
たとえば、利用者の状況把握や、利用者のご家族への説明などをはじめとした加算算定にかかる業務にICTを活用することで、担当者の負担軽減につながります。
②R-Smart
加算取得支援をサポートしてくれるサービスを利用するのも一つの方法です。
近年、LIFEを導入するデイサービスは急速な増加傾向にあります。一方で、人手によるデータ入力をはじめ、介護職員の業務を圧迫して、運用の負荷となることが課題となっています。
ルネサンスの加算取得支援サポートサービス『R-Smart』を利用することで、LIFEの運用を滞りなく行い、加算算定にかかる業務効率化を図れます。
R-Smartは、個別機能訓練加算と口腔機能向上加算に特化していて、帳票作成やタスク管理を支援します。LIFEとの連携をサポートするシステムのほか、ルネサンスがこれまでに培ったノウハウを生かして、利用者に楽しみながら参加してもらえるプログラムも提供しています。
加算算定に関する業務を効率的に進めたいという場合は、R-Smartの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
この記事では、加算算定の仕組みと効率化について、以下の内容を解説しました。
- 加算算定とは
- 加算取得の課題
- 加算算定の業務負担を軽減するICT化
加算算定は、事業者や職員の増収につながるだけではなく、今後のサービスの質向上にも役立ちます。
加算査定を取得する際は、職員の業務を圧迫しないように、ICTを活用することが望ましいと考えられます。
『ルネサンス』の“R-Smart”は、LIFEとの連携やプログラムの提供などを通して、加算取得に役立つさまざまな支援を行っています。
詳しくサービスの詳細は、こちらからご確認ください。
また、サービスに関する質問や疑問は、こちらからお気軽にご相談ください。