従業員の眼精疲労にはどう対策する? 取り入れたい健康施策とは


眼精疲労とは、長時間目を使用することで目だけでなく全身に不調が生じて、十分な休息を取っても回復しない状態のことです。

近年、企業においてはIT技術の発展によって情報機器を用いた業務が普及しましたが、それに伴って業務の際に目の疲れや痛みを訴える労働者が見られるようになっています。

経営者や人事担当者のなかには、「従業員の眼精疲労によって生じる健康リスクはどのようなものがあるのか」「具体的な眼精疲労対策を知りたい」などとお考えの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、従業員の眼精疲労について、原因やリスク、企業が行える対策を解説します。


目次[非表示]

  1. 1.眼精疲労の原因
  2. 2.眼精疲労によるリスク
    1. 2.1.従業員側
    2. 2.2.企業側
  3. 3.企業が行える従業員の眼精疲労予防・対策
    1. 3.1.職場環境の整備
    2. 3.2.業務に使用する機器の整備
    3. 3.3.眼精疲労の軽減が期待できる物品の支給・購入補助
  4. 4.眼精疲労対策はエクササイズでも行える!
  5. 5.まとめ


眼精疲労の原因

眼精疲労が起こる原因としては、主に以下が挙げられます。


▼眼精疲労の原因

  • ドライアイ
  • メガネ・コンタクトレンズなどの矯正不良
  • 長時間のパソコン作業による目の酷使
  • 目に負担がかかる環境や姿勢での作業 など


企業の業務においても、パソコンやスマートフォンのような情報機器による作業を行うと眼精疲労が生じやすいと考えられます。

情報機器作業による健康問題については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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眼精疲労によるリスク

従業員、企業ともに眼精疲労によるリスクがあると考えられます。


従業員側

眼精疲労になると、さまざまな症状が発生します。


▼従業員側のリスク

身体の部位
症状
痛み、かすみ、充血、まぶしさを感じる など
全身
頭痛、吐き気、肩こり、めまい、精神的なイラつき など


単なる疲れ目とは異なり、眼精疲労の場合は目だけでなく全身にも症状が現れることが特徴です。


企業側

従業員が眼精疲労による症状を抱えることで、企業にとっても以下のリスクが考えられます。


▼企業側のリスク

  • 生産性の低下
  • 従業員の休職・退職


眼精疲労によって生産性が低下している状態は、健康問題に起因した業務パフォーマンスの低下を示す、プレゼンティーズムの一つといえます。

なお、プレゼンティーズムについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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出典:経済産業省『健康・医療新産業協議会 第9回健康投資WG 事務局説明資料



企業が行える従業員の眼精疲労予防・対策

眼精疲労によるリスクを回避するには、企業側で従業員の眼精疲労対策を行うことが重要です。

具体的な対策としては、職場環境と機器を整備するほか、眼精疲労軽減につながる物品を支給することが挙げられます。


職場環境の整備

目に負担がかかりにくい職場環境を整備することで、従業員の眼精疲労について予防・対策が期待できます。


▼職場環境の整備例

  • 加湿器を設置する
  • 画面に映りこむ照明の眩しさを抑える
  • 作業内容に応じた照度を確保する など


職場に加湿器を設置するとドライアイの発生を抑えやすくなり、眼精疲労の予防につながります。

また、作業に適した照明を整備することも重要です。労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則では、照度の基準が以下のように定められています。


事務所衛生基準規則による照度の基準

作業
照度
一般的な事務作業
300ルクス()以上
付随的な事務作業
150ルクス()以上

e-Gov法令検索『事務所衛生基準規則』を基に作成


※ルクスとは、照明の明るさを示す単位です。数値が高いほど明るいことを表します。


出典:e-Gov法令検索『事務所衛生基準規則


業務に使用する機器の整備

コンピュータのディスプレイをはじめ、業務上で目を使用する機器においては眼精疲労に配慮する必要があります。


▼機器の整備例

  • 輝度やコントラストの調整が可能な機器を導入する
  • 目との距離が40cm以上になるようにディスプレイを配置する
  • 反射防止用のフィルムを貼る など


また、職場だけでなく在宅勤務において使用する機器についても同様の対策が求められます。


出典:厚生労働省『情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて』『情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン


眼精疲労の軽減が期待できる物品の支給・購入補助

目薬やアイマスクなど、眼精疲労の軽減が期待できる物品を従業員に支給したり、購入の補助を行ったりすることも有効だと考えられます。

具体的には、ドライアイや眼精疲労への軽減効果があるとされる目薬のほか、温感機能やリラックスできる香りの着いたアイマスクなどが挙げられます。



眼精疲労対策はエクササイズでも行える!

眼精疲労対策は、エクササイズによっても行えます。目の周りのセルフマッサージのほか、眼球運動や目のあたためなどを行うことで、目に疲れがたまらないようにケアできます。


▼目の周りのセルフマッサージ

  1. 指3本を目の下の骨にあて、目頭から目尻に向けて骨の際を押していく
  2. 指3本を眉頭の辺りにあて、眉尻に向けて骨の際を押していく


▼眼球運動

  1. 目を上・右・下・左と動かして、それぞれで3カウントを行う
  2. 目を真ん中に戻して、ぎゅっとつぶってからパッと開く
  3. 反対回りでも同様に行う


▼目のあたため

  1. 両手を擦ってあたためる
  2. 暖まった手のひらを少し丸めて目に当てる
  3. 1・2を繰り返し行ってじんわりとあたためる



まとめ

この記事では、従業員の眼精疲労について以下の内容を解説しました。


  • 眼精疲労の原因
  • 眼精疲労によるリスク
  • 企業が行える従業員の眼精疲労予防・対策
  • 眼精疲労対策はエクササイズでも行える!


眼精疲労の原因として、ドライアイや矯正不良、目の使い過ぎ、目に負担がかかる環境や姿勢での作業などが挙げられます。企業の業務においては、情報機器による作業時に眼精疲労が生じやすくなります。

従業員が眼精疲労になってさまざまな症状を抱えると、企業にとっても生産性の低下や、従業員の休職・退職などのリスクが発生します。

職場環境や業務に使用する機器を整備したり、眼精疲労の軽減が期待できる物品を活用したりするなど、従業員の眼精疲労対策を行うことが重要です。また、眼精疲労への対策はエクササイズによって行うこともできます。

ルネサンス』では、健康経営に役立つさまざまなサービスやプログラムを提供しています。従業員の健康課題に対してどのように取り組めばよいかお悩みの方は、ぜひご相談ください。

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