がん予防のポイントは生活習慣にあり! 従業員のがんによる人材喪失リスクを軽減するには


少子高齢化によって企業を取り巻く環境が変化するなか、がんによる人材喪失のリスクが高まっています。企業においては従業員のがんを予防するための対策が求められます。

がんを予防するうえで重要とされる要素の一つが、生活習慣です。

経営者や人事担当者のなかには、「がんと生活習慣がどのように関係するのか」「がん予防につながる生活習慣を知りたい」などと気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、がん予防の重要性やがんの原因となる生活習慣、がん予防につながる生活習慣について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.従業員のがんによる企業へのリスク
  2. 2.がんの原因となる生活習慣
  3. 3.がんを予防する生活習慣のポイント
    1. 3.1.①禁煙を実施する
    2. 3.2.②過度な飲酒を控える
    3. 3.3.③食生活を整える
    4. 3.4.④適正体重を維持する
    5. 3.5.⑤体を動かす
  4. 4.まとめ


従業員のがんによる企業へのリスク

がんになると命が脅かされるだけでなく、治療や薬の副作用に苦痛が伴うことがあります。また、従業員ががんになると、企業にとっては人材喪失のリスクにつながります。


▼従業員のがんが人材喪失リスクにつながる要因

  • 日本人の死因としてがんが最も多い
  • 定年の延長により労働者の高齢化が見込まれる


日本はがんによる死亡割合が世界でも高く、日本人の死因の約3割はがんとされます。がん罹患者の3分の1は20代から60代でがんに罹患し、仕事を持ちながら通院している方が多くいます。がんに罹患したことで、退職をしてしまう方がまだおられるようですが、治療をしながら仕事をしている方も増えてきています。

この状況を踏まえると、従業員のがんによる企業のリスクとして以下が考えられます。


▼従業員のがんが企業に及ぼすリスク

  • 入院・通院等、治療による生産性の低下
  • 入院などにより欠員が出た場合の人材不足
  • 医療費の増加


さらに、高齢になるほどがんの罹患率は上がることから、定年の延長によって労働者の高齢化が進むとがん患者の労働者も増えやすくなるといえます。そのため、自社の労働者ががんによって亡くなったり、働けなくなったりするリスクが今後さらに高まると考えられます。

企業のリスクを避けるだけでなく、従業員が健康的な生活を送るためにも、がんになる習慣は避けることが望ましいといえます。


出典:文部科学省『がん教育推進のための教材』/厚生労働省『仕事と治療の両立支援



がんの原因となる生活習慣

がんを発生させる原因として、特定の生活習慣が挙げられます。具体的には、以下の生活習慣によってがんが発生しやすくなります。


▼がんの原因となる生活習慣

  • 喫煙・受動喫煙
  • 過度な飲酒
  • バランスの悪い食事
  • 運動不足 など


がんの原因としては、生活習慣のほかにも細菌・ウイルスや遺伝的要因などが考えられます。ただし、がん予防の施策を策定する際、生活習慣は本人や周囲の手で改善を試みやすいことから特に重要といえます。

なお、喫煙のデメリットに関してはこちらの記事で詳しく解説しています。合わせてご確認ください

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がんを予防する生活習慣のポイント

がんを完全に防ぐことはできませんが、生活習慣によってがんになりにくくなることは目指せます。健康的な生活習慣が増えるほど、がんのリスクは下がるとされます。


▼5つの健康習慣とがん

5つの健康習慣とがん

画像引用元:厚生労働省『がん予防 ~がんにならずに健康寿命を延ばす!


出典:厚生労働省『がん予防 ~がんにならずに健康寿命を延ばす!


①禁煙を実施する

たばこには多くの発がん性物質が含まれることから、禁煙を実施してそれらの物質を避けることでがんの予防が期待できます。

ただし、受動喫煙の場合でもがんのリスクにつながるため、受動喫煙を避けられる環境の整備が重要です。


②過度な飲酒を控える

がん予防のためには、節度のある飲酒を守る必要があります。

過度の飲酒を行うと、発がん性物質が体内に吸収されやすくなり、がんのリスクを高めます。

飲酒量の目安としては、1日に平均純アルコールで20g程度です。ただし、目安には個人差があり、女性や高齢者においてはより飲酒量を抑えることが必要とされます。


出典:厚生労働省『健康日本21(がん)


③食生活を整える

食生活は胃がんや食道がんと密接に関わります。そのため、食生活を整えることでこれらを予防できると考えられます。


▼がん予防につながる食生活のポイント

  • 塩分の過剰な摂取を控える
  • 熱い飲食物の摂取を避ける
  • 野菜や果物を積極的に摂取する など


④適正体重を維持する

がんの予防には、適正体重を維持することも重要です。肥満と痩せすぎはどちらもがんの原因になります。

肥満度を示す指数のBMIと、がん死亡リスクの関連は以下のとおりです。


▼BMIとがん死亡リスクの関連

BMIとがん死亡リスクの関連

画像引用元:厚生労働省『がん予防 ~がんにならずに健康寿命を延ばす!


BMIが高すぎても低すぎてもがんによる死亡リスクが高くなっていることが分かります。


出典:厚生労働省『がん予防 ~がんにならずに健康寿命を延ばす!


⑤体を動かす

身体活動・運動量が多いと、少ない場合と比較してがんの罹患リスクが低いことが報告されています。

運動不足は大腸がんや乳がんなどのリスクにつながるため、日常生活に運動を取り入れることでこれらの予防が期待できます。

また、筋力トレーニングを行うと、実施時間が僅かであってもがんの発症リスクの低減につながったとする研究結果があります。



まとめ

この記事では、従業員のがん予防について以下の内容を解説しました。


  • 従業員のがんによる企業へのリスク
  • がんの原因となる生活習慣
  • がんを予防する生活習慣のポイント


企業においては、人材喪失リスクを軽減するために従業員のがん予防を行うことが求められます。

禁煙や飲酒の制限、食生活の改善、体重の維持、運動など生活習慣の改善を行うことで、がんの予防が期待できます。

ルネサンス』では、健康経営に役立つさまざまなサービスやプログラムを提供しています。従業員の健康課題に対してどのように取り組めばよいかお悩みの方は、ぜひご相談ください。

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