テレワークによる運動不足のリスク。 企業に求められる新たな健康づくりとは
テレワークによる働き方が浸透した今、座位時間の増加や外出機会の減少などによって運動不足になる従業員が増えています。運動不足は、さまざまな健康問題の発生から心身の不調を引き起こすリスクがあるため、早期の対策が求められます。
テレワークを導入している企業では、「運動不足によってどのような健康リスクが起きているのか」「運動不足を解消するためにどのような取り組みが有効なのか」などの課題について調べている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、テレワークによる運動不足リスクを解消するための具体的な取り組みについて解説します。
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目次[非表示]
- 1.テレワークの現状と運動不足の関連性
- 2.運動不足が招く健康リスク
- 2.1.生活習慣病の発症
- 2.2.メンタル不調
- 2.3.身体の冷え・頭痛・肩こりの発症
- 3.テレワークによる運動不足を解消する方法
- 3.1.①セルフケア教育の実施
- 3.2.②運動機会を増やすためのイベント・制度の運用
- 3.3.③オンラインプログラムの提供
- 4.ルネサンスのオンラインサービスでテレワーク時代の健康づくりを実現
- 5.まとめ
テレワークの現状と運動不足の関連性
新型コロナウイルス感染症の流行によって拡大したテレワークは、2023年3月の時点において全国的に約3割の企業で実施されています。
▼テレワークの実施率
画像引用元:内閣府『第6回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査』
経済産業省が公開しているデータ『新型コロナウイルス感染症に関するアンケート調査結果』では、コロナ禍での外出自粛やテレワークの導入によって外出機会が減り、運動不足になる従業員が増加していると報告されています。
テレワークでは、会議や営業活動などを自宅で座ったまま行えるため、1日の多くの時間を座位姿勢で過ごすことになります。座り過ぎは、身体の健康とメンタルにも悪影響を及ぼすと報告されています。疲労感やストレスを和らげるには、有酸素運動をはじめとするエクササイズを取り入れることが有効ともいわれています。
また、通勤や取引先への訪問、オフィス内での移動などがなくなることで身体を動かす機会が減り、その結果として起きる身体活動量の低下がさまざまな健康リスクを引き起こすと懸念されています。
出典:内閣府『第6回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査』/経済産業省『新型コロナウイルス感染症に関するアンケート調査結果』
オフィス通勤」と「テレワーク」の活動量の違いはどのくらい?
筑波大学大学院と健康機器メーカーのタニタの調査では、以下のような結果が報告されています。
- 1日当たりの歩数「約1万1,500歩」が在宅勤務により平均29%減少
- 消費エネルギー約300kcalが在宅勤務により約50kcalに減少
通勤時の約300kcalと、職場内または昼食のための移動を含め400 kcalを超えるとなると、在宅勤務時との差は350kcalです。仮に週3日、1ヵ月間の在宅勤務があったとすると、1ヵ月で4,000~5,000kcalの差が出ます。
この差を埋めるためには、今まで以上に運動をして消費しなければなりません。
出典:一般社団法人日本生活習慣病予防協会『テレワーク・自宅待機による運動不足で生活習慣病のリスク』
運動不足が招く健康リスク
テレワークによって運動不足が続くと、次のような健康リスクにつながるおそれがあります。
生活習慣病の発症
運動不足によって身体活動量が低下すると、生活習慣病の発症リスクが高まると懸念されています。
また、テレワークでは仕事とプライベートとの切り替えがうまくいかず、睡眠時間や食習慣の乱れによって肥満傾向になる従業員も見られています。肥満は生活習慣病をはじめとする数多くの健康問題の基となるため、健康づくりを通して予防・対策に取り組むことが重要です。
メンタル不調
テレワークによる運動不足や座位時間の増加は、メンタル不調にもつながるリスクとなります。
運動不足になると自律神経の働きが悪くなり、ストレスの蓄積や気分の落ち込みなどにつながるとされています。
また、テレワークは一人で仕事をすることから、職場のコミュニケーションが希薄になってしまいメンタル不調者の発見が遅くなることも懸念されます。
身体の冷え・頭痛・肩こりの発症
テレワークによって身体活動量が減少すると、血流や筋力が低下して身体の冷え・頭痛・肩こりなどを発症しやすくなります。
また、筋力が低下することは、歩く・立ち上がるといった日常生活に必要な移動能力が衰える“ロコモティブシンドローム”への影響も大きく、将来、介護が必要になるリスクが高まる可能性も懸念されています。
なお、運動不足のリスクについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
テレワークによる運動不足を解消する方法
従業員の健康づくりに携わる担当者は、テレワークによる運動不足のリスクを踏まえたうえで、適度な運動を習慣的に取り入れてもらうための支援を、研修機会の提供や就業時間内での運動を推奨する制度の導入を通じて実現することが重要です。
①セルフケア教育の実施
テレワークによる運動不足を解消するために、従業員が自宅でできる運動習慣に関する教育を行い、行動変容を促す方法があります。
肩こり・腰痛を防止するための正しい姿勢やストレッチ、歩行運動の取り入れ方などに関する情報提供を行うことで、意識して体を動かす習慣を形成することにつながります。
▼セルフケア教育の実施例
- 仕事の間や休憩中にストレッチを取り入れることを推奨する
- 肩や首まわりの正しい体操をまとめたガイドブックを提供する
- 1日1回の外出や、就業時間中での体操実施などの目標を導入する
- リモート環境下で、朝礼などでセルフケアの教育や活動状況の共有を行う
なお、厚生労働省が公開している「今より10分多く身体を動かそう」を主軸とした『+10(プラステン)』を推奨したアクティブガイドを活用することも有効です。
出典:厚生労働省『アクティブガイド 健康づくりのための身体活動指針』
②運動機会を増やすためのイベント・制度の運用
従業員の自発的な運動を促すために、参加型のイベント・制度を運用する方法があります。
楽しみながら参加できるイベント・制度を導入することで、運動に対するハードルの低下や社内コミュニケーションの促進にもつながると考えられます。
▼運動機会を増やすためのイベント・制度の例
- 歩数計アプリケーションを活用して目標歩数の達成を競う
- アプリケーションなどを活用したウォーキングイベントを実施する
- 社内SNSでテレワーク中の運動習慣を投稿してもらうイベントを実施する
- ストレッチの実施や体重測定などの健康活動をポイント化して、商品交換に活用できる福利厚生制度を導入する
- 運動会やスポーツ大会の開催、職場対抗 体力測定など、運動施策そのものを社内イベントして開催する
運動を通して職場の人たちとコミュニケーションをとれる機会を設けることは、メンタルヘルス対策や不調者の早期発見にも有効と考えられます。
なお、スポーツ庁による座り過ぎ対策については、こちらの記事で解説されています。
日本人の座位時間は世界最長「7」時間!座りすぎが健康リスクを高める あなたは大丈夫?その対策とは・・・
③オンラインプログラムの提供
テレワークをする従業員を対象に、自宅で運動ができるオンラインプログラムを提供することも一つの方法です。
パソコンやタブレットを使用して自宅でプログラムを受講してもらうことで、体を動かす機会を創出できます。
▼オンラインプログラムの実施例
- 自宅でできるストレッチや体操、筋力トレーニングの実践動画を共有する
- インストラクターによるフィットネスプログラムを実施する
- ヨガ教室やマインドフルネスのワークショップを実施する
- オンラインフィットネスのサロンやアプリケーションの利用を福利厚生に追加する
ライブ配信の場合は双方向のやり取りができるため、テレワーク中における健康問題のアドバイスや職場の従業員とのコミュニケーションにも役立ちます。
ルネサンスのオンラインサービスでテレワーク時代の健康づくりを実現
ルネサンスでは、テレワークにおける運動不足の解消や健康管理に役立つ総合的な健康施策オンラインサービス『スマートAction』を提供しています。
スマートActionは、オンラインで運動・健康教育に関するプログラムやセミナーを、いつでも何度でも受けられるサービスです。テレワークによる運動不足を解消するプログラムのほかに、禁煙サポートやメンタルサポートなど、職場の健康課題に応じて取り入れられる多様なプログラムを用意しております。
▼スマートActionの活用方法
- 朝の通勤時間の代わりに“15分のストレッチ”で体を目覚めさせる
- 仕事の合間に3分のストレッチを行い、疲れ目や足のむくみの解消を図る
- 終業後に音楽に合わせて体を動かして、心も体もリフレッシュする
また、カスタマーリレーションマネジメントによって従業員の行動変容を促したり、健康施策の参加率や満足度などを測定して効果を可視化したりするところまで一貫してサポートしております。
詳しくは、こちらをご確認ください。
まとめ
この記事では、テレワークによる運動不足の解消を目的とした健康づくりについて、以下の内容を解説しました。
- テレワークと運動不足の関連性
- 運動不足が招く健康リスク
- テレワークによる運動不足を解消する方法
- テレワーク時代の健康づくりに役立つオンラインレッスン
テレワークで運動不足になると、生活習慣病やメンタルの不調、身体の冷え・頭痛・肩こりの発症といったさまざまな健康リスクにつながる可能性があります。
運動不足を解消するには、従業員が自発的に身体を動かす意識づくりや運動機会の提供を行うことがポイントです。例えば、セルフケア教育の実施や運動イベント・制度の運用、オンラインプログラムの提供などが挙げられます。
『ルネサンス』では、オンラインで健康施策のプログラムやセミナーを受講できるサービス『スマートAction』を提供しています。テレワーク中のセルフケアや運動機会の創出に向けたプログラムをはじめ、従業員の行動変容を促すカスタマーリレーションマネジメント、効果測定まで一貫したサービスを用意しております。
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