【高齢者の健康支援】厚生労働省が推進する保健事業と介護予防の一体的実施とは?

【高齢者の健康支援】厚生労働省が推進する保健事業と介護予防の一体的実施とは?


年齢が75歳になると、国民健康保険制度・社会保険制度から後期高齢者医療制度へ移行します。

制度移行に伴う課題としては、保健事業が途切れるため、継続的な支援ができない、連携不足により高齢者の健康ニーズを満たせないなどが挙げられます。

これらの課題を解決するために、厚生労働省は保健事業と介護予防の一体的な実施を推進するための体制を整備しました。高齢者一人ひとりの状況に合わせたきめ細かい支援を行うことで、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活や社会参加ができることを目指しています。

この記事では、保健事業と介護予防の一体的な実施の概要と進め方について解説します。

「保健事業と介護予防の一体的な実施について調べている」「一体的な実施を推進したいが進め方が分からない」とお悩みの自治体担当者の方は、ぜひご一読ください。

出典:厚生労働省『高齢者の保健事業 基礎資料集


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目次[非表示]

  1. 1.保健事業と介護予防の一体的な実施の概要
  2. 2.一体的な実施の進め方
  3. 3.まとめ


保健事業と介護予防の一体的な実施の概要

2020年4月、医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律により、厚生労働省は保健事業と介護予防の一体的な実施を推進するための体制を整備しました。

75歳以上の高齢者に対する保健事業と介護予防は、それぞれ異なる組織により実施されています。保健事業は、後期高齢者医療広域連合が主体となり、介護予防は各市町村が主体のため、連携不足により適切に継続がされていない点が課題でした。

なお、保健事業については、市町村へ委託して、生活習慣病の重症化を予防する取組みを行っているケースもありますが、ほとんどの場合は健康診断のみの実施でした。


保健事業と介護予防の現状と課題

保健事業と介護予防の現状と課題

画像引用元:厚生労働省『高齢者の保健事業 基礎資料集


高齢者が置かれている状況やニーズには個人差があるため、一人ひとりに合わせた保健指導やニーズに沿った支援が必要だと考えられています。

また、広域連合・市町村・都道府県などが連携を図りながら、支援体制の構築と地域の健康課題解決が求められています。2024年度までにすべての市町村に展開されることが目標に掲げられています。


一体的な実施後のイメージ図

一体的な実施後のイメージ図

画像引用元:厚生労働省『高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施について


高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施は、これまでの連携の課題を解消して、フレイル状態()に陥りやすい高齢者に対して、個々の状況に合わせた支援を行うことが目的です。

医療専門職が積極的に関わり、高齢者の保健事業と介護予防を一体的に実施することで、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活や社会参加ができることを目指しています。

※フレイル状態とは、加齢に伴い心と体の働きが弱くなってきた状態のこと。

出典:厚生労働省『高齢者の保健事業 基礎資料集』『高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施について

また、フレイルに関しては以下の記事で詳しく解説しています。こちらも併せてご覧ください。

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一体的な実施の進め方

高齢者の心身の健康課題に対応してきめ細かい支援を実施するためには、高齢者の保健事業について市町村と広域連合とが連携して、内容を明示していく必要があります。

また、市町村においては、介護保険の地域支援事業や国民健康保険の保健事業との一体的な実施が求められます。


▼一体的実施の推進に向けた体制整備

一体的実施の推進に向けた体制整備

画像引用元:厚生労働省『高齢者の保健事業 基礎資料集


一体的な実施に向けた取組み内容は、医療専門職の配置、医療専門職の通いの場への関与、地域の健康課題の整理・分析などが挙げられます。

一体的な実施に向けた具体的な取組み内容は以下のとおりです。


▼高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施の推進に向けたプログラム

高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施の推進に向けたプログラム


高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施の推進に向けたプログラム


高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施の推進に向けたプログラム


高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施の推進に向けたプログラム

画像引用元:厚生労働省『高齢者の保健事業 基礎資料集


介護予防につながる地域の通いの場に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。こちらも併せてご覧ください。

  【介護予防】厚生労働省が提唱する通いの場とは? 捉え方や運営方法を紹介 通いの場は、高齢者であれば誰でも参加することができて、無理なく楽しみながら通うことができるのが特徴です。 現在、地域づくりの施策として、通いの場における介護予防の取組みが全国で展開されるように、取組みの支援や広報が求められています。 なかには、「通いの場の基本情報や運営方法を学びたい」「通いの場を活性化させたい」と考えている自治体担当者の方もいるのではないでしょうか。 この記事では、通いの場の基本情報や運営方法について解説します。 株式会社ルネサンス

出典:厚生労働省『高齢者の保健事業 基礎資料集』『高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施について
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まとめ

この記事では、保健事業と介護予防の一体的な実施について、以下の内容で解説しました。


  • 保健事業と介護予防の一体的な実施の概要
  • 一体的な実施の進め方


保健事業と介護予防の一体的な実施は、それぞれの組織・団体の取組みを連携して、高齢者が健康に生活できるようにするための仕組みです。

市町村は、事業のコーディネートや調整・分析を行うために医療専門職を配置したり、通いの場を活用して高齢者への健康指導や相談を行ったりすることで、適切な医療サービスへの継続が可能になります。

ルネサンス』では、地域高齢者の健康づくりをサポートするために、安全・楽しい・効果的なプログラムを提供しています。

フレイル予防の“元気アップ教室”や、認知機能低下予防の“脳はつらつ教室”など、楽しく参加できる介護予防プログラムで、介護予防事業や通いの場の活性化にお役立てください。

介護予防に関する事業の企画・実施などに課題を抱える自治体担当者の方は、お気軽にお問い合わせください。


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