【高齢者のトレーニング】バランス能力を鍛える5つのポイント

【高齢者のトレーニング】バランス能力を鍛える5つのポイント


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バランス機能は立っているときだけではなく、座る・歩くなどの動作でも働いています。

バランス機能が低下すると、立ち上がりや方向転換の際に転倒する可能性があります。特に高齢者は、転倒時にケガをするケースがあるため、バランストレーニングが大切です。

デイケア・デイサービスの担当者のなかには、「効果的なバランストレーニングを知りたい」「よいものがあれば導入したい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、高齢者が転倒する理由をはじめ、バランス能力を鍛えるポイントについて解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.高齢者が転倒する理由
    1. 1.1.①安定性限界が狭くなる
    2. 1.2.②身体能力の低下
    3. 1.3.③病気や薬による副作用
  2. 2.バランス能力を鍛える重要性
  3. 3.バランス能力を鍛えるポイント
    1. 3.1.①体幹
    2. 3.2.②股関節
    3. 3.3.③足関節
    4. 3.4.④クロスサポートメカニズム
    5. 3.5.⑤ステッピング
  4. 4.EMSを使ったエクササイズ
  5. 5.まとめ


高齢者が転倒する理由

高齢者が転倒する理由は、安定性限界の狭さや加齢による身体能力の低下などさまざまです。高齢者の転倒は、骨折や寝たきり状態につながりやすいと考えられます。


①安定性限界が狭くなる

安定性限界が狭くなることは、高齢者が転倒する大きな要因です。

立っているときに地面に接する部位は足部で、足部内に重心を留めておくことができる能力がバランス能力です。

安定性限界は、足部内で重心を移動してもバランスを崩さずに、姿勢を維持できる範囲を指します。

高齢者の場合、足部が不安定になり安定性限界の範囲が狭くなるため、重心の制御ができなくなり転倒につながると考えられています。また、転倒の大きな要因でもあり、安定性限界が狭くならないような取組みが重要です。


②身体能力の低下

高齢者は、加齢に伴い筋力が低下する傾向にあるため、バランスを崩した際に踏ん張ることができずに、そのまま転倒してしまうことがあります。

また、高齢者自身が予想している動作と現実の動作に差が生まれて、思ったとおりに動けずに転倒する場合もあります。

加齢に伴い、瞬発力や柔軟性も衰えるため、一つひとつの動作が遅くなり、緊張や焦りから転倒することも考えられます。


③病気や薬による副作用

高齢者のなかには、薬を服用している方もいます。

薬の副作用によっては、立ちくらみやふらつきといった症状がでることがあり、転倒しやすい状態になります。

また、睡眠に関する薬を服用している場合は、日中でもその効果が残っている場合もあるため、注意が必要です。


バランス能力を鍛える重要性

バランス能力は、日常生活のあらゆる動作に関わる重要なスキルです。姿勢を保つためのバランス能力には、以下のようなさまざまな情報が関わっています。

  • 視覚情報・・・目から得られる情報
  • 体性感覚情報・・・関節の動きや足裏の触覚・圧覚

  • 前庭感覚情報・・・身体の平衡感覚やスピードを感じる感覚(耳の三半規管で感知)

これらの情報を処理したうえで筋肉が働き、身体のバランスを保ちます。しかし、年齢を重ねると筋力や感覚機能が低下し、それに伴ってバランス能力も衰えてしまいます。その結果、身体が不安定になりやすく、転倒やケガのリスクが高まります。これを防ぐためには、日常的にバランス能力を鍛えることが重要です。

バランス能力を鍛えるポイント

高齢者のバランス能力は、さまざまな方法で鍛えることが可能です。


①体幹

体幹は、不安定な姿勢になった場合に体を元の位置に戻すといった、バランス能力の重要な部分を担っています。

そのため、体幹を鍛えることで筋肉を効率よく動かすことができて、歩行時の安定性や運動のコントロール性の向上が期待できます。

体幹の筋力が低下した場合は、身体機能だけではなく内臓機能の低下にもつながる可能性があるため、積極的に鍛えたい部分です。


②股関節

股関節は、大きな動揺刺激が加わった際に働く役割を担っています。

股関節周囲の筋肉が衰えることで、姿勢が悪くなり痛みが生じやすくなるケースがあるため、鍛えることが大切です。

バランスが崩れた際は股関節で姿勢を維持しようとするため、鍛えることで転倒防止に役立ちます。

股関節を鍛える方法としては、腰や骨盤を時計回り・反時計回りに回す、足を肩幅に広げて手を床と水平に保ちながら前方に伸ばすといった方法が挙げられます。


③足関節

足関節は、少しの動揺刺激が加わった際に働く役割を担っています。

高齢者の場合は、足でバランスを維持することが難しいため、腰と股関節を多用していると考えられています。

腰と股関節の痛み軽減や転倒防止に、つま先やかかとを上げる、足の指を使ったじゃんけんをするといった運動を行って、足関節を鍛えることが大切です。


④クロスサポートメカニズム

足部の安定性を高めるクロスサポートメカニズムは、腓骨(ひこつ)筋と脛骨(けいこつ)筋の働きによって機能します。

後脛骨筋と長腓骨筋が足底部でクロスしていることにより、足関節を内側と外側から引っ張り合い、安定性を高めています。

腓骨筋と脛骨筋の機能を高めて足部を安定させることで、安定性限界を拡大させて、転倒防止が期待できます。


⑤ステッピング

ステッピングとは、人がバランスを崩した際に一歩足を踏みだして、バランスを保とうとする動きを指します。体重を支えるために必要な床面積を“支持基底面”といい、重心が支持基底面から外れることで転倒します。

若者は瞬発力・筋力・関節の柔軟性があるため、重心が支持基底面から外れても片方の足を瞬時に出して転倒を防止することが可能です。

しかし、高齢者は瞬発力・筋力・関節の柔軟性が低下しやすいため、バランスを崩した際は複数のステップを取るといわれています。

ステッピングを鍛える運動には、かかと・つま先の上げ下げやクロスステップなどがあり、テーブルや手すりに手を添えて行うことで転倒の防止につながります。

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EMSを使ったエクササイズ

ルネサンス』では、運動プログラムの一つとしてEMS(Electrical Muscle Stimulation:電気的筋肉刺激)を用いた足部安定化プログラムを導入しています。

前述したように、足部の安定性が崩れると、ほかの関節や筋肉にも影響を及ぼすことが分かっています。その足部の安定性に重要なのが、足部アーチサポートシステムを支えている“腓骨筋”と“後脛骨筋”です。

高齢者は、加齢とともに腓骨筋と後脛骨筋が衰えるといわれており、一般的な運動で鍛えるのは難しい部分でもあります。

しかし、EMSを用いることでこれらの筋肉を簡単に刺激して、筋の活性化を図ることが可能です。


▼EMSを使ったエクササイズの具体例と効果

  • 運動プログラムの合間に実施
  • 実施時間は10~15分
  • 1ヶ月の継続でバランス機能の改善を認めた


▼EMSを使ったエクササイズの実施写真

EMSを使ったエクササイズの実施写真


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まとめ

この記事では、高齢者のバランストレーニングについて以下の内容を解説しました。

  • 高齢者が転倒する理由
  • バランス能力を鍛える重要性
  • バランス能力を鍛えるポイント
  • EMSを使ったエクササイズ

高齢者が転倒する原因として、加齢に伴う身体能力の低下が影響していると考えられています。

高齢者の転倒は、ケガや寝たきり状態のリスクにつながる可能性があります。転倒を予防するためには、バランス機能の向上に関して、さまざまな手法を用いてアプローチすることが大切です。

ルネサンス』では、高齢者の健康づくりをサポートするために、安全・楽しい・効果的なプログラムを提供しています。また、フレイル予防の“元気アップ教室”や認知機能低下予防の“脳はつらつ教室”など、楽しく参加できるプログラムで介護事業所やデイケア・デイサービスの活性化に貢献しています。詳しくは​​​​​​​こちら

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