デイサービスで行う機能訓練とは。リハビリテーションとの違いと訓練内容

デイサービスで行う機能訓練とは。リハビリテーションとの違いと訓練内容


少子高齢化が進むなか、要介護状態となり生活機能の低下した高齢者であってもQOLを維持して生活できる社会が求められています。そこで重要な役割を果たすのがデイサービスで実施される機能訓練です。

デイサービスの担当者のなかには、「機能訓練とリハビリテーションはどのような点が異なるのか」「機能訓練の具体的な取り組みを知りたい」などと気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、デイサービスで行う機能訓練の概要やリハビリテーションとの違い、取り組み内容について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.デイサービスで行う機能訓練とは
  2. 2.機能訓練とリハビリテーションの違い
  3. 3.デイサービスにおける機能訓練の内容
    1. 3.1.運動機能の訓練
    2. 3.2.口腔嚥下機能の訓練
    3. 3.3.認知機能の訓練
  4. 4.機能訓練に活用できるプログラム
  5. 5.まとめ


デイサービスで行う機能訓練とは

機能訓練とは、日常生活を営むために必要な機能の減退を防止するための訓練のことです。機能訓練を行うことで、運動機能や日常生活動作能力の維持・改善が図れます。

また、機能訓練の実施方法・内容によっては介護報酬の加算を算定できるようになるため、デイサービスの経営面においても重要となります。


▼デイサービスの機能訓練に関する加算

  • 個別機能訓練加算
  • 口腔機能向上加算
  • ADL維持等加算 など


※日常生活動作とは、人間が毎日の生活を送るための基本的動作で、食事・更衣・トイレ・入浴・移動などさまざまな動作が該当します。



機能訓練とリハビリテーションの違い

リハビリテーションとは、日常生活における動作や活動の改善・維持を目指す医療のことです。

機能訓練とリハビリテーションは目的が似ているが、対象や実施者が異なります。


▼機能訓練とリハビリテーションの違い


対象
実施者
機能訓練
居宅要介護者
機能訓練指導員
リハビリテーション
居宅要介護者のうち、症状が安定期にあり、主治医の判断でリハビリテーションが必要と認められた者
理学療法士、作業療法士、言語聴覚療法士

厚生労働省『リハビリテーションと機能訓練の機能分化とその在り方に関する調査研究(結果概要)』を基に作成


機能訓練は主治医の指示なしで受けられることから、デイサービスの利用者にとってより取り組みやすいものといえます。

なお、機能訓練指導員についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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出典:厚生労働省『リハビリテーションと機能訓練の機能分化とその在り方に関する調査研究(結果概要)



デイサービスにおける機能訓練の内容

デイサービスで行う機能訓練の内容はさまざまです。代表的なものとしては、運動機能や口腔嚥下機能、認知機能などに関するメニューが挙げられます。


運動機能の訓練

歩行訓練や体操などを行うことで、運動機能の維持・改善を図ります。


▼運動機能に関する訓練の例

  • 歩行訓練
  • 関節可動域訓練
  • 体操 など


運動機能は移動をはじめ、さまざまな日常生活動作を行うために重要な機能です。

また、運動機能の向上によって、何かを“できる”体験を積んでいくことで、高齢者一人ひとりが持つその人らしい自己認識を維持しやすくなります。


口腔嚥下機能の訓練

口腔嚥下機能は、日常生活動作における食事と密接に関わる機能です。

口腔嚥下機能の維持・改善を図ることで、食欲減衰による低栄養を防いだり、誤嚥性肺炎や窒息事故などを予防したりする効果が期待できます。


▼口腔嚥下機能に関する訓練の例

  • 嚥下体操
  • 口腔体操 など


なお、嚥下機能の訓練についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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認知機能の訓練

認知機能とは、人間が持つ知的機能の総称です。認知機能が低下すると、認知症を発症し、社会生活に支障をきたす可能性があります。

訓練によって認知機能の低下を予防することで、認知症の発症を遅らせたり、認知症になった際の進行を穏やかにしたりできると考えられます。


▼認知機能に関する訓練の例

  • 脳のトレーニング
  • 二重課題運動 など



機能訓練に活用できるプログラム

多くのデイサービスにおいては、機能訓練の具体的なプログラムを自社で考えたり、実際に研修したりすることが課題となります。

自社での対応が難しい場合には、外注することも可能です。

ルネサンスでは、利用者の運動機能や口腔嚥下機能、認知機能の維持・改善につながるプログラムを提供しています。


▼機能訓練に活用できるプログラム

  • 姿勢改善プログラム
  • 口腔機能向上プログラム
  • 歩行改善プログラム
  • シナプソロジー


姿勢は嚥下と関係性が深いため、姿勢改善のプログラムを実施することで、嚥下機能の改善も期待できます。

また、シナプソロジーは、脳を活性化させるルネサンス独自のメソッドです。できないこと自体を楽しみながら日常の動作に紐づいた二重課題行動を行うことで、利用者の意欲を保ちながら認知症予防が行えます。

不良姿勢と嚥下機能の関連性や実際のプログラムついてはこちらの資料をご確認ください。

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なお、認知機能の訓練とシナプソロジーについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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まとめ

この記事では、デイサービスで行う機能訓練について以下の内容を解説しました。


  • デイサービスで行う機能訓練の概要
  • 機能訓練とリハビリテーションの違い
  • デイサービスにおける機能訓練の内容
  • 機能訓練に活用できるプログラム


デイサービスでは、利用者の日常生活に必要な機能の減退を防止するために機能訓練を行っています。

機能訓練はリハビリテーションと目的が似ているものの、主治医の指示なしで受けられるため利用者にとってより身近なものといえます。

ルネサンス』では、口腔機能加算の取得を支援するサービス『R-Smart』を提供しています。口腔嚥下筋肉のトレーニングや姿勢改善に特化したグループプログラムと、EMSによる個別のリハビリによって嚥下機能の維持・向上を目指せます。

詳しくは、こちらの資料をご確認ください。

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