個別機能訓練加算の課題とは? 口腔機能向上加算しやすい理由や算定状況を解説
通所介護事業所の収益安定や売り上げ向上などの方法として、加算取得が挙げられます。
なかでも、“個別機能訓練加算”と“口腔機能向上加算”は比較的算定しやすいといわれている加算です。しかし、事業所の人員体制によっては個別機能訓練加算の取得が難しい場合があります。
この記事では、個別機能訓練加算の課題や、口腔機能向上加算が取得しやすい理由、おすすめのシステムなどについて解説します。
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目次[非表示]
- 1.個別機能訓練加算の課題
- 2.口腔機能向上加算が取得しやすい理由
- 2.1.①人員要件
- 2.2.②利用者のニーズ・情報収集と評価
- 2.3.③必要帳票
- 2.4.④プログラム提供
- 3.口腔機能向上加算の算定要件
- 3.1.口腔機能向上サービスの管理指導計画書
- 3.2.代表的なプログラム
- 4.口腔機能向上加算の算定状況
- 5.口腔機能向上加算の悩みは“R-Smart”が解決
- 6.まとめ
個別機能訓練加算の課題
個別機能訓練加算とは、対象の介護施設の利用者に作成した個別機能訓練計画書を基に、機能訓練を実施した場合に算定される加算のことです。
利用者の生活機能の維持・向上を図りながら、住み慣れた地域で可能な限り自立した生活を送れることを目的にしています。
2021年の介護報酬改定で、より利用者の自立支援に役立てる機能訓練の提供を促進するため、加算区分や算定要件の見直し・変更が行われました。これにより、以前より個別機能訓練加算を算定しやすくなったといわれています。
一方で、個別機能訓練加算はプログラムの提供や帳票の作成などにおいては、リハビリ専門職を配置したほうが算定しやすいという課題があります。
そのため、「個別機能訓練加算を検討中だけれど、加算取得ができない」という事業所は、口腔機能向上加算の取得で対策可能です。
口腔機能向上加算が取得しやすい理由
口腔機能向上加算が個別機能訓練加算よりも取得しやすい理由を、4つの算定要件の違いを基に解説します。
①人員要件
加算を取得するには、指定の資格を有する職員配置が必要です。
地域密着通所介護・通所介護では、運営基準の人員要件となっている看護職員を配置することで、個別機能訓練加算と口腔機能向上加算どちらでも算定できます。
しかし、個別機能訓練加算のサービス提供のしやすさを考慮すると、ほかの専門職のほうが望ましいといえます。
▼人員要件の違い
個別機能訓練加算 |
口腔機能向上加算 |
|
|
②利用者のニーズ・情報収集と評価
個別機能訓練加算では、利用者のニーズ把握や情報収集、プログラム提供後の再評価のために、職員の自宅訪問が必要です。
しかし、口腔機能向上加算では自宅訪問の必要がなく、職員の負担にもつながりません。
▼ニーズ・情報収集と評価の違い
個別機能訓練加算 |
口腔機能向上加算 |
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ニーズ把握・情報収集 |
事業所の職員が利用者の自宅を訪問する |
事業所の職員が利用者の口腔機能を把握する |
計画作成・プログラム提供 |
個別機能訓練計画を作成して、プログラムを提供する |
口腔機能向上サービスの管理指導計画を作成して、口腔機能サービスを行う |
再評価 |
進捗状況の評価を3ヶ月ごとに1回以上実施 |
口腔機能向上サービスの管理指導計画の進捗を定期的に評価する |
③必要帳票
個別機能訓練加算は3種類の帳票作成が必要ですが、口腔機能向上加算は1種類の帳簿作成で算定できるため、職員の負担が少ないといえます。
▼作成書類の違い
個別機能訓練加算 |
口腔機能向上加算 |
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口腔機能向上サービスの管理指導計画書 |
④プログラム提供
個別機能訓練加算は、5人程度以下の小集団に対して、機能訓練指導員が直接訓練を実施するというプログラムの提供方法に縛りがあります。
しかし、口腔機能向上加算は、実施方法・時間・内容に関する決まりがほとんどなく、口腔に対するプログラムなら制限なく算定可能です。
口腔機能向上加算の算定要件
口腔機能向上加算の算定要件には、人員配置や計画書の作成、評価方法、提供プログラムなど、さまざまな項目があります。
ここでは、提出が必要な帳票と提供するプログラムに焦点を当て、加算取得のコツについて解説します。
口腔機能向上サービスの管理指導計画書
口腔機能向上加算を取得するには、利用者一人ひとりの口腔状態に合わせて『口腔機能向上サービスの管理指導計画書』と呼ばれる帳票を作成・提出します。
▼帳票に記載する内容
- 利用者のかかりつけ歯科医や入れ歯、誤嚥性肺炎の発症の有無
- 口腔内の衛生状態や機能状態のチェック
- プログラムの目標と実施内容
- プログラムの実施記録 など
実施期間・回数などの目標を設定する際は、プログラム終了後に一般介護予防事業(※)を含めた社会参加の場につなげられるよう、考慮することがポイントです。
※一般介護予防事業とは、市区町村が民間サービスと連携して、地域の65歳以上が利用できる通いの場を提供する事業のこと。
代表的なプログラム
口腔機能向上加算の取得に向けたプログラムは、利用者が要支援・要介護状態に陥らないように、自分らしい生活の確立と自己実現を支援するために実施します。
実施の目的として、以下の3つが挙げられます。
- 口腔機能向上の必要性についての教育
- 口腔清掃の自立支援(摂食・嚥下機能を支えるための口腔清掃、食事環境の整備など)
- 摂食・嚥下機能等の向上支援(咀嚼機能、嚥下機能、構音・発声機能、呼吸機能、表出機能など)
プログラムを実施する前には、利用者にプログラムの内容や進め方、メリット、リスクなどを説明して、同意を得る必要があります。
作成した計画書を参考に、利用者の状態に応じたプログラムを選定することがポイントです。
▼代表的なプログラム例
画像引用元:厚生労働省『介護予防マニュアル【第4版】』
なお、口腔機能向上加算の算定要件については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
出典:厚生労働省『介護予防マニュアル【第4版】』
口腔機能向上加算の算定状況
厚生労働省の『審議報告案にかかる参考資料』によると、口腔機能向上加算は需要があると認識しているものの、8割以上の事業所は算定していないことが分かっています。
算定していない理由として、以下のような理由が挙げられています。
- 口腔機能向上加算が必要な利用者の把握が難しい
- 口腔機能向上加算の必要性について利用者・家族の同意を得ることが難しい
- 歯科の専門職がいないことで、必要性を分かりやすく説明できない
- 算定を支援してくれる歯科の医療機関が見つからない
- 算定に費やす時間や人材が不足している
- 上記の代表的なプログラムでは利用者の同意を得にくい
これらの課題や担当者の業務負担は、専用のWebシステムを利用することで軽減できます。
口腔機能向上加算の悩みは“R-Smart”が解決
ルネサンスが2022年10月1日からサービスを開始したR-Smartは、口腔機能向上加算の悩みを解決する加算取得支援サポートです。
歯科専門職がいない事業所でも導入が可能で、帳票作成のアプリ・オリジナルの口腔プログラム・加算取得のサポートがセットにっています。
R-Smartを利用している事業所の経営者や職員などからは、以下のような口コミが寄せられています。
▼経営者の口コミ
利用者の利用自粛に伴う売上げ減少や衛生用品などの価格高騰による経費の増加などで経営が苦しくなっていたのですが、口腔機能向上加算を算定することで一定の収益を確保することができ、経営が楽になりました。 |
▼看護師の口コミ
これまではアセスメントに手書きで入力していたものをシートに入力し直していました。しかし、R-Smartだと直接入力するだけで、アセスメントシートが自動作成できるので、煩雑な作業がなくなり嬉しいです。 |
初期研修に操作方法も含まれているため、パソコンが苦手な職員でも問題なく運用できます。また、R-Smartでは、システム・プログラム・サポートを整備することで、口腔機能向上加算の導入負担の軽減が可能です。
サービスに関する詳しい情報はこちらをご覧ください。
併せてこちらもご覧ください。
まとめ
この記事では、個別機能訓練加算と口腔機能向上加算について以下の内容で解説しました。
- 個別機能訓練加算の課題
- 口腔機能向上加算が取得しやすい理由
- 口腔機能向上加算の算定要件
- 口腔機能向上加算の算定状況
- 口腔機能向上加算算定支援システム『R-Smart』について
口腔機能向上加算は、自宅訪問が不要なことや作成帳票が1種類でよいこと、プログラム提供に制限がないことなどが取得しやすい理由として挙げられます。
算定要件により個別機能訓練加算が取得できない事業所は、口腔機能向上加算の取得を検討してみてはいかがでしょうか。
『ルネサンス』が提供する口腔機能向上加算の算定を支援するシステム『R-Smart』を導入すれば、ノウハウがなく、初めて口腔機能向上加算をする事業所でも簡単に算定できます。
詳しいサービス概要や資料請求などについては、こちらをご覧ください。