通いの場とは?地域の活力を創る運営方法を紹介

【介護予防】厚生労働省が提唱する通いの場とは? 捉え方や運営方法を紹介


介護予防事業の一環として厚生労働省が提唱する“通いの場”は、住民を主体とした定期的に開かれる健康活動の場・機会のことをいいます。

通いの場は、高齢者であれば誰でも参加することができて、無理なく楽しみながら通うことができるのが特徴です。

現在、地域づくりの施策として、通いの場における介護予防の取組みが全国で展開されるように、取組みの支援や広報が求められています。

なかには、「通いの場の基本情報や運営方法を学びたい」「通いの場を活性化させたい」と考えている自治体担当者の方もいるのではないでしょうか。

この記事では、通いの場の基本情報や運営方法について解説します。


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目次[非表示]

  1. 1.通いの場とは
  2. 2.通いの場の捉え方
  3. 3.通いの場の運営方法
    1. 3.1.通いの場の運営手順
    2. 3.2.通いの場の感染対策
  4. 4.まとめ


通いの場とは

通いの場とは、高齢者をはじめとした地域住民が主体となり、介護予防やフレイル予防などを目的とした活動を行う場です。

住民同士のふれあいを通して、生きがいづくり・仲間づくりの輪を広げて、地域の介護予防の拠点となる場でもあります。


通いの場

画像引用元:厚生労働省『介護予防について


通いの場には、介護予防に直結する取組みや仲間と楽しめるアクティビティがあるため、地域の高齢者にはさまざまなメリットがあります。


①楽しみや生きがいを見出す

通いの場に参加する高齢者一人ひとりが主体となり活動することで、自身の役割・生きがい・楽しさを見出すことができるため、社会参加への意欲を高められます。


②生活にメリハリが生まれる

通いの場を定期的に開催することで、参加する高齢者は外出するスケジュールを立てるため、生活にメリハリが生まれます。さらに、外出して人に会うことで身だしなみにも気を配るようになります。


③孤立防止につながる

気軽に立ち寄れる場所やともに活動できる仲間をつくることで、自宅以外の自分の居場所ができるため、閉じこもり防止につながります。また、仲間同士でお互いに気を掛け合うようになれば、見守りとしての効果も期待できます。


④介護・認知症の予防になる

通いの場に参加して、軽い運動やストレッチなどを行うことで、自宅で過ごすよりも身体活動量が増えるため、介護予防につながります。

また、通いの場で仲間と会話して笑ったり、さまざまな学びのプログラムで脳を使ったりすることで認知症予防も期待できます。

通いの場では、軽い体操や会食など、さまざまな活動を取り入れているところが多くあります。

主な活動例は以下のとおりです。


▼通いの場の活動例

  • 運動・体操
  • 会食
  • 茶話会
  • 認知症予防
  • 趣味活動(運動系・文化系活動等)
  • 農作業
  • 生涯学習
  • ボランティア活動
  • 就労的活動
  • 多世代交流 など


出典:厚生労働省『介護予防について




通いの場の捉え方

2021年8月、厚生労働省は多様な通いの場の展開を図るため、通いの場の類型化を発表しました。

だれが(運営)、どこで(場所)、なにを(活動)行うか、3つの視点から通いの場の類型化を行っています。


通いの場の捉え方

画像引用元:厚生労働省『介護予防について


通いの場の捉え方は、住民が主体となり運営されているかどうかが重要です。


▼通いの場の捉え方

  • 介護予防に資すると市町村が判断する場であること
  • 住民が主体的に取組んでいること
  • 運営は市町村が財政的支援を行うものに限らないこと
  • 月1回以上の活動実績があるもの


また、通いの場の捉え方は、自治会や住民団体、医療機関などが運営する活動と、住民個人が行う活動に分けられます。



運営目的・役割
活動例
自治会・住民団体等が運営する活動
  • 生きがいづくり
  • 楽しみづくり
  • 趣味活動(運動・文化系) 
  • 地域スポーツクラブ
  • ボランティア活動
  • 社会貢献活動 など
  • 地域交流
  • 多世代交流
  • 単身者の孤立防止
  • 茶話会
  • 共同菜園運営
  • 老人クラブ など
  • 介護予防
  • 認知症予防
  • 運動機能・心身機能の維持・向上
  • 健康に関する講習会
  • 介護予防教室
  • 公園に健康遊具設置
  • 健康マージャンの開催 など
住民個人が行う活動
  • コミュニティの形成
  • 介護予防
  • 茶話会
  • ファミレスでのつどいの場
  • フィットネスジム
  • 健康マージャンの開催 など


なお、自治会・住民団体等が運営する活動は、行政が通いの場として把握することが望ましいとされています。

出典:厚生労働省『介護予防について』『通いの場の類型化について』



通いの場の運営方法

新たに通いの場を立ち上げて運営する場合は、仲間を募ったり開催場所を決めたりすることから始めます。

その際は市区町村や社会福祉協議会で、相談・支援・活動費の助成・保険の取扱いを行っている場合があるため、事前に問い合わせることをおすすめします。


通いの場の運営手順

通いの場の運営は、具体的に以下の手順で行います。


▼通いの場の運営手順

  1. 通いの場を運営する仲間を募る
  2. 開催場所・日時を決める
  3. 通いの場の活動内容を決める
  4. 参加者を募集する
  5. 活動の準備をする


まずは、ともに活動する仲間を地域で募り、高齢者が気軽に訪れることができて費用がかからない場所と、月に1~2回程度で何曜日の何時から開催するかを決定します。また、活動内容を決める際は、参加者が気軽に交流できるプログラムにします。

地域住民へは、回覧板・地域の公民館への掲示・近所の人への声かけなどで呼びかけて、参加者を募ります。

通いの場を安全に運営するためには、地域住民の組織や行政、保険・医療・福祉機関との連携の確認も行うことが重要です。危険箇所がないかを確認したうえで、衛生管理やプライバシー保護、保険加入、備品の準備など、運営上の体勢を整えます。


通いの場の感染対策

また、通いの場を安全に運営する際は、新型コロナウイルス感染症の対策をしっかりと行う必要があります。

感染を防ぐために、運営者は自身の健康管理に十分配慮して、参加者には毎日の体温計測、マスク着用、丁寧な手洗いを促します。

主な感染対策方法は以下のとおりです。


▼感染対策の方法

  • 毎日体温計測する
  • 食事中以外はマスクを着用する
  • 丁寧に手を洗う
  • ドアノブや手すりなどを定期的に消毒する
  • 1時間に2回以上の換気を行う
  • マスクを着用して運動を行う際は、早めの休憩・こまめな水分補給をする


出典:厚生労働省『介護予防について


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まとめ

この記事では、通いの場について以下の内容で解説しました。


  • 通いの場とは
  • 通いの場の捉え方
  • 通いの場の運営方法


通いの場は、高齢者が健康活動や仲間との会話を楽しむところで、介護予防やフレイル予防を目的とした活動を行う場所です。

活動内容は、体操・茶話会・ボランティア活動などがありますが、地域の利用者のニーズに合わせた内容で開催することが望ましいです。

また、通いの場を運営する際は、新型コロナウイルス感染症対策を行い、保健師や専門家と相談しながら開催の可否を判断する必要があります。

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