通所型サービスCの事例から見る成功ポイント|自治体・地域包括支援センター向けに解説

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​​​​​​通所型サービスCは、生活機能が低下した高齢者に対して、短期間で集中的に支援を行い、自立した生活や社会参加につなげるためのサービスです。一方で、自治体や地域包括支援センターの担当者のなかには、次のような課題を感じている方もいるのではないでしょうか。

「対象者をどのように把握すればよいのか」「利用者数が思うように増えない」「教室終了後の通いの場につながらない」「地域包括支援センター、専門職、委託事業者の役割分担が難しい」

本記事では、通所型サービスCの事例から見える成功ポイントを、自治体・地域包括支援センター向けに解説します。

▼この記事でわかること

  • 通所型サービスCの事例を見る際に押さえたい視点
  • 自治体・地域包括支援センターが見直したい運用ポイント
  • 利用者数の確保、セルフケア支援、卒業後の通いの場への接続に向けた考え方
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目次[非表示]

  1. 1.通所型サービスCとは?短期集中予防サービスの基本
  2. 2.通所型サービスCで重要な「リエイブルメント」の考え方
    1. 2.1.「してあげる支援」ではなく「元の生活を取り戻す支援」
    2. 2.2.ICFの視点で「心身機能・活動・参加」に働きかける
  3. 3.通所型サービスCの事業設計における3つのポイント
    1. 3.1.本人の生活課題を具体化できているか
    2. 3.2.地域包括支援センターと専門職が連携できているか
    3. 3.3.卒業後の通いの場・社会参加まで設計できているか
  4. 4.通所型サービスCの事例パターン
    1. 4.1.事例パターン1:利用者数の伸び悩みを改善するケース
    2. 4.2.事例パターン2:セルフケア能力の向上を目指すケース
    3. 4.3.事例パターン3:卒業後の多様な活動につなげたケース
  5. 5.詳しい導入事例を知りたい方へ
  6. 6.まとめ
  7. 7.FAQ
    1. 7.1.Q1.通所型サービスCの事例を見るときは、何を確認すべきですか?
    2. 7.2.Q2.通所型サービスCで利用者数が増えない場合はどうすればよいですか?
    3. 7.3.Q3.通所型サービスCの成果はどのように評価すべきですか?
    4. 7.4.Q4.通所型サービスCの卒業後は、どこにつなげるとよいですか?

通所型サービスCとは?短期集中予防サービスの基本

通所型サービスCとは、介護予防・日常生活支援総合事業における通所型サービスの一つで、生活機能の改善を目的に短期間で集中的な支援を行うサービスです。現行の通所介護に相当するものとそれ以外の多様なサービスに分けられています。通所介護以外のサービスは通所型サービスA・B・Cの3種類があり、それぞれサービス内容・提供者・実施期間が異なります。そのため市町村は、地域の実情に合わせて通所型サービスの種類を検討することが必要です。

通所型サービスCの対象者やプログラム内容など、制度の基本については以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

通所型サービスCで重要な「リエイブルメント」の考え方

リエイブルメントとは、直訳すると「再びできるようになる」という意味です。通所型サービスCを考えるうえでは、「リエイブルメント」の視点が重要です。

高齢や病気、けがなどによって日常生活がしづらくなった方に対して、最初から介護サービスの継続利用を前提にするのではなく、短期集中の支援によって元の生活を取り戻すことを目指します。

厚生労働省のリーフレットでも、短期集中予防サービスは、日常生活に不安を感じた人がリハビリ専門職等による3カ月間の支援を通じて、元の生活を取り戻す取り組みとして紹介されています。

つまり通所型サービスCは、単に運動の場を提供する事業ではありません。本人が「また買い物に行きたい」「地域の集まりに参加したい」「自宅での生活を自分で続けたい」といった目標を持ち、その実現に向けて専門職や地域包括支援センターが支援する事業です。


出典:厚生労働省『リエイブルメントで 元気な自分を取り戻す!―3カ月間の短期集中予防サービス―


「してあげる支援」ではなく「元の生活を取り戻す支援」

リエイブルメント型の支援では、本人に代わって何かを「してあげる」ことだけを目的にしません。もちろん、生活上すぐに必要な支援を行うことは大切です。しかし、改善の可能性がある方に対して支援を提供し続けるだけでは、本人が本来できることまで失われてしまう可能性があります。

通所型サービスCで重視したいのは、本人が「自分でできること」を少しずつ増やし、元の生活や望む生活に近づいていくことです。

たとえば、家事が難しくなった方に対して、すぐに家事援助だけを検討するのではなく、「どの動作が難しいのか」「どの程度なら自分でできるのか」「どの生活行為を取り戻したいのか」を確認します。そのうえで、短期間の支援を通じて、掃除、買い物、外出、趣味活動など、本人の生活に直結する行動を再び行えるように支援します。

従来型の支援で起こりやすい視点

リエイブルメント型の視点

1

できないことをサービスで補う

できるようになる可能性を探す

2

支援の継続を前提にする

短期集中で元の生活を目指す

3

身体機能の維持を中心に考える

生活行為や社会参加まで見据える

4

支援者がやることを決める

本人の目標を一緒に具体化する

短期集中予防サービスのポイントは、本人が「自分で自分のことを管理できるようにすること」とされており、セルフマネジメントの力が付けば、サービス終了後も元気な生活を維持できると示されています。

そのため自治体や地域包括支援センターでは、通所型サービスCを「短期間だけ通う教室」として設計するのではなく、本人が自分の生活を取り戻すための支援として位置づけることが重要です。

出典:厚生労働省『リエイブルメントで 元気な自分を取り戻す!―3カ月間の短期集中予防サービス―


ICFの視点で「心身機能・活動・参加」に働きかける

通所型サービスCでは、身体機能の改善だけを成果と捉えないことが大切です。

介護予防では、生活機能を「心身機能・構造」「活動」「参加」の3つの側面から捉えるICFの視点が重要になります。厚生労働省の資料でも、ICFにおける生活機能の3つのレベルとして、「心身機能・構造」「活動」「参加」が示され、それぞれが相互に影響し合うものとされています。

たとえば、脚の筋力やバランス能力を高めることは「心身機能」への働きかけです。しかし、それだけでは本人の生活が十分に変わらないことがあります。

重要なのは、身体機能の改善を、実際の生活行為や社会参加につなげることです。


ICFの視点

通所型サービスCで見るべき変化の例

1

心身機能

歩行、立ち上がり、バランス、体力などが改善しているか

2

活動

買い物、掃除、料理、外出などができるようになっているか

3

参加

地域サロン、趣味活動、通いの場などに参加できているか

たとえば、「歩行能力が改善した」という変化は大切ですが、そこで終わらせず、「近所のスーパーまで買い物に行けるようになった」「地域の集まりに参加できるようになった」といった活動・参加の変化まで確認することが重要です。

この視点を持つことで、通所型サービスCの事例を見る際にも、「どのような運動を行ったか」だけでなく、「本人の生活がどう変わったか」「終了後に地域で活動を続けられているか」を評価しやすくなります。


通所型サービスCの事業設計における3つのポイント

通所型サービスCの事例を見る際は、「どのような運動を行ったか」だけを見るのではなく、事業全体の設計を確認することが重要です。特に、自治体・地域包括支援センターでは、次の3つの視点を押さえておくと、他地域の事例を自地域の改善に活かしやすくなります。


本人の生活課題を具体化できているか

通所型サービスCでは、単に「筋力をつける」「体力を高める」といった目標だけでは不十分です。重要なのは、本人が日常生活のなかで困っていることを具体化し、「何ができるようになりたいのか」を明確にすることです。

抽象的な目標

抽象的な目標

1

筋力をつける

バスのステップを昇れるようになる

2

歩行能力を高める

近所のスーパーまで買い物に行けるようになる

3

体力を改善する

週1回の地域サロンに参加できるようになる

4

外出機会を増やす

趣味の集まりに再び参加できるようになる

短期集中型C類型では、本人の「したい」「できるようになりたい」生活行為を目標として明確にすることが重要とされています。目標も「筋力をつける」ではなく、「バスのステップが昇れるようになる」といった具体的な生活行為に結びつけることが示されています。

出典:広島県地域包括ケア推進センター『サービスC(通所・訪問)令和4年度地域づくり加速化事業(全国研修)


地域包括支援センターと専門職が連携できているか

通所型サービスCの成果は、教室内のプログラムだけで決まるものではありません。対象者の把握、参加勧奨、アセスメント、目標設定、終了後の支援までを考えると、自治体、地域包括支援センター、専門職、委託事業者の連携が欠かせません。

特に地域包括支援センターは、対象者の生活状況や地域資源を把握しやすい立場にあります。そのため、単に利用者を紹介するだけでなく、本人の生活目標や卒業後の行き先を一緒に設計する役割が期待されます。


卒業後の通いの場・社会参加まで設計できているか

通所型サービスCは、参加期間中だけ支援を行えばよい事業ではありません。むしろ重要なのは、サービス終了後に本人が地域で活動を続けられる状態をつくることです。短期集中型の介護予防サービスは「やったら終わり」ではなく、本人の「したい」「できるようになりたい」ことができるようになった後、地域活動への参加に結びつけるところまでが重要とされています。

出典:広島県地域包括ケア推進センター『サービスC(通所・訪問)令和4年度地域づくり加速化事業(全国研修)

通所型サービスCの事例パターン

ここでは、自治体・地域包括支援センターが参考にしやすいように、通所型サービスCの事例を「課題別のパターン」として整理します。なお、個別の詳細事例は自治体ごとの地域資源や運用体制によって異なります。

本記事では概要にとどめ、具体的な取り組み内容や成果は以下、お役立ち資料からご確認いただけます。無料でダウンロードいただけますので、ぜひあわせてご確認ください。

事例パターン1:利用者数の伸び悩みを改善するケース

通所型サービスCでは、事業を開始しても想定どおりに利用者が集まらないことがあります。その背景には、対象者像が明確でない、地域包括支援センターや関係者に事業の目的が伝わっていない、本人にとって参加するメリットが見えにくい、といった要因が考えられます。

自治体・地域包括支援センター側では、「誰を対象にする事業なのか」「参加すると何が変わるのか」を関係者間で共通認識として持つことが大切です。

事例パターン2:セルフケア能力の向上を目指すケース

通所型サービスCの目的は、通所期間中だけ身体機能を高めることではありません。サービス終了後も、本人が自宅や地域で介護予防に取り組める状態をつくることが重要です。そのためには、教室内で専門職が支援するだけでなく、本人が自分で体調や生活習慣を振り返り、日常生活の中で実践できるセルフケアを身につける必要があります。

支援内容

目的

1

自宅でできる運動の提案

通所終了後も運動習慣を継続する

2

生活記録・活動記録の活用

本人が変化を実感しやすくする

3

栄養・口腔・活動量の振り返り

身体機能だけでなく生活全体を整える

4

小さな成功体験の共有

自己効力感を高める

セルフケア支援で重要なのは、「運動してください」と伝えることではありません。本人が「これなら続けられそう」「少し変わってきた」と感じられるように、生活の中で実践しやすい形に落とし込むことが大切です。


事例パターン3:卒業後の多様な活動につなげたケース

通所型サービスCで身体機能や生活意欲が改善しても、終了後に活動の場がなければ、再び閉じこもりや生活機能低下につながる可能性があります。そのため、事業設計の段階から、卒業後の受け皿を想定しておくことが重要です。

卒業後の接続先(例)

1

住民主体の通いの場

2

地域サロン

3

一般介護予防事業

4

趣味活動・ボランティア

5

運動施設・地域資源(公園、他公共施設等)

6

就労的活動

家事や外出などの日常生活がしづらくなっている高齢者に対して、通所と訪問を組み合わせて3か月程度支援し、日常生活の改善を図った後、運動や食事を楽しめる通いの場へ移行して状態の維持を図る取り組みを示しています。また、社会参加を通じた介護予防を目指すことも重要とされています。

出典:厚生労働省| 介護予防

詳しい導入事例を知りたい方へ

通所型サービスCは、単に短期間の運動プログラムを提供するだけでは成果につながりにくい事業です。利用者数を確保するための対象者把握、地域包括支援センターとの連携、本人のセルフケア支援、卒業後の通いの場への接続までを一体的に設計することで、生活機能の改善や社会参加につながりやすくなります。

ルネサンスでは、自治体向けの介護予防事業の支援実績をもとに、通所型サービスCを含む取り組み事例をお役立ち資料としてまとめています。より具体的な導入事例や支援内容を確認したい方は、以下より資料をご覧ください。

まとめ

通所型サービスCの事例を見る際は、プログラム内容だけでなく、事業全体の設計を見ることが重要です。

特に自治体・地域包括支援センターでは、対象者の把握、本人の生活目標の設定、専門職との連携、セルフマネジメント支援、卒業後の通いの場への接続までを一体的に考える必要があります。

通所型サービスCを導入・改善する際は、次の点を確認しておくとよいでしょう。

確認ポイント

見るべき内容

1

対象者設計

どのような生活課題を持つ人に届ける事業か

2

生活目標の設定

本人の「したい」「できるようになりたい」が明確になっているか

3

参加勧奨

本人や家族に、参加するメリットが伝わっているか

4

地域包括支援センターとの連携

対象者把握、参加勧奨、卒業後支援の役割が整理されているか

5

専門職の関与

身体機能だけでなく、生活行為や社会参加まで見据えて支援できているか

6

セルフマネジメント支援

通所期間中だけでなく、自宅でも続けられる取り組みにつながっているか

7

卒業後の接続

通いの場、地域サロン、一般介護予防事業などにつなげられるか

8

成果の確認

利用者数だけでなく、生活機能、セルフケア、社会参加の変化も確認できているか

通所型サービスCは、短期間で完結する教室ではなく、高齢者が地域で自分らしく暮らし続けるためのきっかけとなる事業です。

自地域での導入・改善を検討する際は、他自治体の事例をそのまま真似るのではなく、地域資源や対象者像に合わせて設計することが大切です。具体的な取り組み事例を確認したい方は、ルネサンスのお役立ち資料もあわせてご覧ください。


FAQ

Q1.通所型サービスCの事例を見るときは、何を確認すべきですか?

A.プログラム内容だけでなく、対象者の把握方法、地域包括支援センターとの連携、本人の生活目標、卒業後の通いの場への接続まで確認することが重要です。


Q2.通所型サービスCで利用者数が増えない場合はどうすればよいですか?

A.まずは対象者像が明確になっているかを確認します。そのうえで、地域包括支援センターや関係者に事業の目的・対象・期待される変化を共有し、本人にとって参加するメリットが伝わるように説明方法を見直します。


Q3.通所型サービスCの成果はどのように評価すべきですか?

A.利用者数だけでなく、継続率、身体機能、生活行為、セルフケア、社会参加、本人の主観的な変化などを複合的に見ることが望ましいです。


Q4.通所型サービスCの卒業後は、どこにつなげるとよいですか?

A.住民主体の通いの場、地域サロン、一般介護予防事業、趣味活動、ボランティア活動など、本人の希望や生活目標に合った地域資源につなげることが重要です。

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