デイサービスのレクが盛り上がらない原因と盛り上げ方|職員の工夫と改善策

せっかく準備したレクリエーションが、思ったように盛り上がらない…。デイサービス現場でよく聞かれる悩みのひとつです。裏を返せば、それだけ多くの職員が「どうすれば利用者に楽しんでもらえるか」 「もっとレクが盛り上がり、職員も笑顔で取り組みたい」と考えているということ。原因は、大きく分けると「利用者側の要因」 「職員・運営側の要因」 「環境要因」 の3つに整理されます。
それを理解し、改善策を講じることで、利用者が自然と笑顔になれる“盛り上がるレク”を実現することができます。
この記事では、盛り上がらない原因とその解決策、さらに現場ですぐ試せる進行や声掛けのコツを紹介します。「今日は楽しかった!」と感じてもらえるレクづくりのヒントを、ぜひ参考にしてください。
その他、この記事を読んでいるあなたにおすすめ
- お役立ち記事 | デイサービスで喜ばれる!車いすでもできる「楽しい・簡単」体操プログラム
デイサービスのレクが盛り上がらない原因
利用者側の要因(体調・心理面の影響)
高齢者はその日の 体調や気分 に左右されやすく、認知症や持病が背景にある場合もあります。職員が「盛り上がらない」と感じる場面の裏には、こうした要因が隠れていることも少なくありません。
主な原因例
主な原因例
- 疲れや眠気で集中できない
- 気分の落ち込みや無気力
- 認知症の症状による不安や混乱
対応の工夫
- レク開始前に体調や気分を軽く確認する
- 無理なく座ったままでも参加できる内容に調整
- 短時間で達成感を得られるプログラムを選ぶ
職員・運営側の要因(プログラムと進行の工夫不足)
どんなに準備をしても、内容や進行が利用者に合わなければ楽しさは半減します。難しすぎても、単純すぎても「自分にはできない」 「子ども扱いされている」と感じてしまい、参加意欲を失わせます。
ありがちな失敗例
ありがちな失敗例
- 難しすぎて「自分にはできない」と感じる
- 単純すぎて「やらされている」と感じる
- 利用者の興味・経験と合っていないテーマ
- 誰が何をすればよいかわからないまま始まる
- 職員の声掛けが少なく雰囲気が暗くなる
改善の工夫
- 季節や行事に合わせたテーマを取り入れる
- 懐かしい歌や昔話を題材にする
- 全員が理解できるシンプルなルールにする
- 最初に目的とルールを説明する
- 名前を呼びながら褒めたり、感謝を伝える: 「〇〇さん、いいですねぇ!」
- 成功体験を全体で共有し、一体感をつくる
環境要因(場の雰囲気・物理的条件)
どんなに良い内容でも、環境が整っていなければ盛り上がりにくくなります。音が聞こえづらい、空間が狭い、雰囲気が硬いなど、ちょっとした要素が参加意欲を削いでしまいます。
よくある課題
よくある課題
- 会場が狭く、動きにくい・交流しづらい
- 音が聞こえにくく、BGMや声かけが少ない
- 食後や眠気が強い時間帯に実施している
効果的な工夫
- 座席を円形や半円形に配置し、互いの顔が見えるようにする
- 声や音が届きやすい工夫(マイク・小物の使用)
- 眠気が出やすい時間帯は短時間の軽い活動にする
- 色彩や装飾、明るい雰囲気づくりを意識する
盛り上がらないレクを改善する3つのポイント
レクリエーションを盛り上げるためには、利用者の立場に立って工夫することが大切です。特に次の3つを意識するだけで、現場の雰囲気が大きく変わります。
利用者に合わせたプログラム設計
参加者の体調・関心・機能に合っていないと、楽しむ前に「無理」と感じてしまいます。全員が「できる」と思える設計が盛り上がりの土台になります。
改善のポイント
改善のポイント
- 体調や身体機能に合わせて「立位・座位」を選べる内容にする
- 興味を引きやすいテーマ(季節行事・懐かしい話題)を取り入れる
- 達成感を得やすいシンプルなルールを設定する
小さな成功体験を積み重ねる
高齢者は「できた」という実感が次の意欲につながります。
大きな成果よりも、小さな成功を積み重ねることが盛り上がるレクには欠かせません。
改善のポイント
改善のポイント
- 簡単な課題から始めて「できた!」を積み重ねる
- 職員が率先して褒め、成功を全員で称賛する
- 成功体験を次の活動につなげる工夫を取り入れる
全員が自然に参加できる雰囲気づくり
雰囲気づくりは盛り上がりを左右する大きな要素です。
特に恥ずかしがり屋や消極的な方も「気づいたら参加していた」状態にできる工夫が効果的です。
改善のポイント
改善のポイント
- 参加を強制せず「見学もOK」と伝える
- 拍手や声掛けで場を盛り上げ、自然に巻き込む
- 「できた!」を全員で共有し、場の一体感を高める
この3つを意識することで、利用者が「自分もやってみよう」と前向きになり、レクリエーションは自然と盛り上がります。
すぐに使える!盛り上がるレクリエーション例
レクリエーションを盛り上げたいと思ったときに、すぐに実践できる人気のプログラムを3つ紹介します。いずれも準備が少なく、利用者が自然と参加しやすいのが特徴です。
人気のレクリエーション例
人気のレクリエーション例
- 風船バレー:大きな風船を打ち合うゲーム。座ったままでもできるため安全で、全員が一体感を味わいやすい。
- 色合わせクイズ:カードや色紙を使い、指示された色を素早く出すクイズ形式。集中力や反射神経を使うので盛り上がりやすい。
- 勝ち負けじゃんけん:「勝ってください」「負けてください」と条件を変えるじゃんけん。頭を使いながら楽しめ、笑いも生まれる。
現場で盛り上げる進行・声掛けのコツ
レクリエーションの内容が同じでも、進行や声掛け次第で盛り上がり方は大きく変わります。
特に消極的な方や恥ずかしがり屋の方を自然に巻き込むには、場の雰囲気づくりと声掛けが重要です。
雰囲気づくりの工夫
最初から「さあ盛り上がろう!」と声を張り上げる必要はありません。
安心して参加できる空気をつくることで、自然と盛り上がりにつながります。
具体的な工夫
具体的な工夫
- BGMを流して場を和ませる
- 小道具(旗・カードなど)を用意し、視覚的に楽しい雰囲気を演出
- 「見学でも大丈夫」と伝え、参加のハードルを下げる
声掛けの工夫
利用者が安心して取り組めるよう、積極的に声をかけることが盛り上がりの鍵です。
効果的な声掛け例
効果的な声掛け例
- 名前を呼んで褒める:「○○さん、いい動きですね!」
- 成功を全体に共有:「みなさん、○○さんが素敵にできました!」
- 軽いユーモアを入れる:「今の動き、プロ並みですよ!」
役割分担で巻き込み力を高める
職員1人が進行をすべて担うと負担も大きく、雰囲気が一方的になりがちです。利用者にも簡単な役割をお願いすることで、参加意識が高まります。
工夫のポイント
工夫のポイント
- 点数係やルール説明係などを利用者に任せる
- 補助役を頼むことで「一緒に作るレク」という意識が生まれる
- 職員は「盛り上げ役」と「全体の見守り役」に集中できる
進行や声掛けは「盛り上げなければ!」と肩肘を張る必要はありません。
利用者一人ひとりを尊重しながら自然に巻き込むことが、盛り上がるレクにつながります。
FAQ|デイサービスのレクに関するよくある質問
レクリエーションについて、デイサービス現場でよく寄せられる質問とその答えをまとめました。現場で同じ悩みを抱えている職員の方の参考になれば幸いです。
Q.レクが盛り上がらない時、まず何を見直すべきですか?
盛り上がらない原因の多くは、この記事でお伝えしているように「利用者側の要因」 「職員・運営側の要因」 「環境要因」に大きく分けられます。まずは利用者の状態に合った内容かどうかを確認し、難易度を下げたり、テーマを変えたりすることから始めましょう。
Q.高齢者が消極的な場合、どんなレクが効果的ですか?
無理に体を動かすよりも、回想法を取り入れたレクがおすすめです。昔懐かしい歌や写真、昔遊びを題材にすると会話が自然と広がり、「やってみよう」という気持ちが生まれやすくなります。
Q.職員1人でもレクを盛り上げるコツはありますか?
声掛けと拍手を工夫するだけでも場の雰囲気は変わります。さらに、外部リソースを活用するのも有効です。たとえばオンライン配信型の体操レクを導入すれば、進行をプロに任せつつ職員は見守りに専念できます。
まとめ
デイサービスのレクリエーションが盛り上がらない背景には、次の3つの要因があります。
- 利用者側の要因(体調・心理面の影響)
- 職員・運営側の要因(プログラムと進行の工夫不足)
- 環境要因(場の雰囲気・物理的条件)
これらを意識し、利用者に合わせたプログラム設計・全員が自然に参加できる雰囲気づくり・小さな成功体験の積み重ねを実践することで、レクは自然と盛り上がっていきます。さらに、職員の負担を減らしながら毎日のレクを盛り上げたい方には、当社のオンライン体操教室もおすすめです。
オンライン体操教室の特徴
オンライン体操教室の特徴
- トップレベルのインストラクターがライブで指導
- 利用者の名前を呼びかけることで一体感が生まれ、笑顔が広がる
- 全国の施設と同時参加でき、会話や交流が自然と活発になる
- 月替わりのテーマで利用者のモチベーションを維持
- ネット+PC(またはタブレット)+大型テレビだけで簡単導入、職員は見守りに専念
実際に導入いただいた施設からは、「インストラクターとのやり取りで利用者のやる気が高まり、施設全体が明るくなった」「職員の準備負担が減り、他の業務にも余裕が生まれた」といった声も届いています。
日々のレクリエーションを“簡単+外部リソース活用”に切り替えることで、職員のゆとりと利用者の笑顔を同時に実現できます。盛り上がるレクづくりの新しい形として、ぜひオンライン体操教室の活用もご検討ください。