デイサービス職員の業務負担を軽減する3つの方法とは?現場の声から考える改善策
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目次[非表示]
- 1.デイサービス職員の業務負担が増える背景とは?
- 1.1.多岐にわたる業務内容と時間的制約
- 1.2.人手不足による一人当たりの負担増加
- 1.3.精神的ストレスとモチベーションの低下
- 2.業務負担軽減のための3つのアプローチ
- 2.1.ICTツールの導入による業務効率化
- 2.2.業務の見える化と役割分担の最適化
- 2.3.職員のスキルアップと教育体制の整備
- 3.現場の業務負担を減らすためにできる工夫とは?
- 4.導入事例のご紹介
- 5.まとめ
デイサービス職員の業務負担が増える背景とは?
デイサービスの現場では、職員の業務負担が年々増加しているという声が多く聞かれます。利用者のニーズが多様化し、求められるケアの質が高まっていることに加え、慢性的な人手不足も大きな要因です。本章では、こうした業務負担がどのような背景で生じているのかを整理していきます。
多岐にわたる業務内容と時間的制約
デイサービスの職員は、利用者の送迎、健康状態の確認、食事・入浴・トイレ等の介助、レクリエーションや機能訓練の実施、記録・報告業務など、非常に多くの業務を限られた時間内にこなさなければなりません。急な対応やトラブルもよく起きるため、予定通りに進まないことも日常茶飯事です。こうした状況は、時間的なプレッシャーを強め、精神的なストレスの一因となります。
人手不足による一人当たりの負担増加
介護業界全体の課題でもある人手不足は、デイサービスの現場でも深刻です。職員の離職率が高く、募集をかけてもなかなか採用が決まらない状況が続いています。その結果、一人の職員が担う業務の範囲が広がり、長時間労働や心身の疲労につながります。特に、離職者の仕事をカバーしないといけない状況になると、残った職員にしわ寄せがきて離職の連鎖のリスクが生じます。
「令和5年度介護労働実態調査」によると、「介護職員が不足している」と感じている事業所は66.3%にのぼり、また新規採用が「困難」と回答した事業所も過半数を超えています。離職率も14.4%と高水準で推移しており、慢性的な人材不足が現場の負担増を招いていることがわかります。
出典:公益財団法人 介護労働安定センター 令和5年度「介護労働実態調査」結果の概要について。
精神的ストレスとモチベーションの低下
業務の多さに加え、利用者や家族からの要望への対応、職場での人間関係など、対人関係での気疲れもストレス要因です。このように仕事や人間関係が大変な割には賃金が上がらないなど、モチベーションの維持が難しくなっている職員も少なくありません。
また、身体の不調を抱えながら仕事をしている職員が一定数いることも、現場の課題となっています。慢性的な腰痛等が原因で休職や離職に至るケースも少なくなく、職場のサポート体制の整備が求められています。
業務負担軽減のための3つのアプローチ
職員の業務負担を軽減し、働きやすい職場環境を整えることは、利用者へのサービスの質を保つうえでも重要です。ここでは、具体的な3つのアプローチを紹介します。
ICTツールの導入による業務効率化
業務記録のデジタル化、スケジュール管理アプリの活用、送迎ルートの最適化など、ICTを活用することで業務をより短時間で行うことが可能になります。特に記録業務や情報共有の効率化は、職員の負担を大きく軽減する手段となります。
たとえば、ICTツールの導入により、レクリエーションの準備や利用者への機能訓練指導、加算帳票の作成といった作業を効率化することで、職員の時間的・精神的な負担を大きく軽減することが可能です。
一例として、口腔機能向上加算に対応したプログラムと帳票管理を一体化したシステム「R-Smart」のご紹介です。R-Smartでは、口腔嚥下機能に特化した評価と動画プログラムを提供し、歯科衛生士などの専門職がいなくても対応可能な設計になっています。また、システム導入から実運用までを支援するサポート体制も整っており、導入ハードルの低さも魅力のひとつです。
業務の見える化と役割分担の最適化
業務の属人化を避け、誰が何をしているかを可視化することで、無理や無駄を減らすことが可能です。また、チーム内での役割分担を見直すことで、得意分野を活かした効率的な業務運営が実現できます。スタッフ間の連携強化にもつながります。
定期的な業務フローの見直しや業務のマニュアル化、ホワイトボードやタスク管理ツールを用いた「見える化」の実践は、職員のストレス軽減に加え、新人教育の効率化にもつながるとされています。
職員のスキルアップと教育体制の整備
業務効率を高めるためには、職員のスキルアップも欠かせません。OJTだけでなく、外部研修やeラーニングなど、多様な学びの機会を提供することが求められます。学びやすく、継続可能な教育体制の整備が、長期的な職員定着にも寄与します。
最近では「介護職員初任者研修」や「認知症介護基礎研修」のeラーニング版が提供されており、業務時間外に自分のペースで学べる仕組みが注目されています。教育の負担が減ることで、現場でのフォローも容易になり、組織全体の教育力向上につながります。
現場の業務負担を減らすためにできる工夫とは?
業務負担の軽減は、単なる業務削減ではなく、質の高いケアを維持しながら現場のストレスを和らげる取り組みが求められます。その一つが「外部リソースの上手な活用」です。
外部リソースを活用した“現場の負担軽減
たとえば、専門的な知識やスキルが求められる機能訓練や、企画・準備に時間が必要なレクリエーションプログラムなどは、外部サービスの活用で質を上げながら、効率化を図ることも可能になります。職員の準備や実施に関わる負担を軽減でき、その時間に他の業務や休憩を取ることができるため、職場環境を整えることができます。
ライブ型・オンデマンド型の映像コンテンツを取り入れる
ICT技術を活用した映像コンテンツは、職員の負担軽減だけでなく、利用者へのサービスの質の向上にも効果的です。ライブ側とオンデマンド型のコンテンツを上手に使い分けることで、現場の状況に応じた柔軟な運用が可能となります。
また、複数拠点をもつ法人では、提供サービスおよび運用の標準化にもつながり、サービスの質を向上させながら効率化を実現する手段としても注目されています。
「無理なく続けられる」仕組みを整えることが鍵
どんなに良い施策でも、現場で継続的に活用されなければ意味がありません。職員にとって無理なく続けられる体制やサポート、簡単に導入できる仕組みを構築することが、真の業務改善につながります。
改善活動のPDCAサイクルを仕組みに組み込むことで、変化に柔軟に対応しながら定着させることが可能です。月次の振り返りミーティングや簡単なアンケートを通じて、現場の声を反映させる姿勢も重要です。
導入事例のご紹介
実際にこうした取り組みを導入し、効果を実感している施設もあります。下記の事例では、オンライン体操教室を導入したことで職員の負担が減り、利用者満足度も向上しています。さらに、リアルタイムのレッスンにより利用者は質の高いサービスを受けられるだけでなく、職員側も研修が不要になり、業務中の空き時間を有効活用できる点が高く評価されています。
事業所の実態や課題に応じて、適切なソリューションを選ぶことが、成功への鍵となります。
まとめ
デイサービス職員の業務負担が増える背景には、業務の複雑化、人手不足、精神的ストレスなど、さまざまな要因が絡み合っています。これらの課題に対し、ICTの活用、業務設計の見直し、外部リソースの導入といった多角的なアプローチが求められます。
中でも、「無理なく・質を落とさず・継続的に」実行できる仕組みづくりが重要です。オンライン体操教室のようなサービスは、その一助となりうる存在です。
業務負担軽減は、職員の働きやすさだけでなく、利用者満足度の向上や事業所の成長にも直結します。職員の負担軽減とサービスの質向上を両立したいとお考えの方は、ぜひこちらのページもご覧ください。