職員も利用者もラクに楽しめる!デイサービス向け「簡単レクリエーション」アイデア集

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“職員にも利用者にも簡単”なレクリエーションが求められる背景

デイサービスの現場では、

  • 「毎日のレクがマンネリ化してきた」
  • 「利用者はあまり盛り上がらず、職員が無理に盛り上げている」
  • 「準備や企画、実施に労力がかかり、職員の負担が大きい」
  • 「職員の得意不得意に左右される」

といった運営上の悩みがつきものです。一方、利用者側からは

  • 「無理なく全員で楽しみたい」
  • 「幼稚なレクはやりたくない」
  • 「なぜ全員でレクをしなければいけないか分からない」
  • 「できなかったり、難しすぎると途中でやめたくなる」
  • 「みんなに迷惑かけるからやりたくない」
  • 「集団活動が苦手」


という声が上がります。厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」では、通所介護(デイサービス)の目的を 「利用者の社会的孤立感の解消および心身機能の維持」 と明示しており、レクリエーションはその鍵となる取り組みと位置づけられています。

さらに、令和4年改訂の『介護予防マニュアル【第4版】』では、運動・栄養・口腔機能などを総合的に高めるプログラムとして、日常的なグループ活動やレクリエーションの活用を推奨。現場の介護職が“無理なく継続できる仕組み化”の重要性が強調されています。

参照元:令和4年改訂 介護予防マニュアル【第4版】(厚生労働省)

こうした国の指針を踏まえると、誰もがすぐ実践できる“簡単レク”を導入することは、

  1. 低コスト・短時間で準備できる ─ 職員の業務負担を軽減
  2. 安全設計で多様なADLレベルに対応 ─ 利用者の参加ハードルを下げる
  3. 「みんなで出来た!」という成功体験を共有 ─ 利用者満足度&継続利用意向アップ

という三拍子そろったメリットをもたらします。

実施前に押さえておきたい3つの準備ポイント

1)利用者ADLレベルと興味関心を“見える化”

  • 厚生労働省の「医療区分・ADL 区分評価票」など公的様式を参考に、歩行・立位・認知など10項目を○△×でチェック
  • 趣味歴や好きな色・音楽を3分で聞き取る「ミニヒアリング表」を合わせて使うと、参加意欲が向上。
  • 評価結果は職員間で共有しておき、準備段階から“参加できる人・難しい人”を把握しておく。


2)材料コストと準備時間を5分単位で可視化

項目
目安コスト
準備時間
道具不要
口腔体操・手拍子ゲーム
¥0
0–3 分
消耗品
風船バレー
¥200/100 個
3–5 分
リユース素材
ペットボトルボウリング
¥0(使用済)
5–7 分
  • 色分けシート(緑=3分以内、黄=5分、赤=10分以上)で、当日のタイムテーブル調整が一目で完結。
  • “コスト 500 円/日以内” など 数値目標を先に決める と素材選定がスムーズ。


3)職員×利用者の安全フロー(感染症・転倒リスク)

  1. 感染症対策:国の「感染症発生時の業務継続ガイドライン〈感染症編〉 」に準拠
    • 入口での体温・症状チェック → 手指消毒(→ マスク着用)の3ステップを基本に
    • 通所系ひな形を活用すれば BCP(業務継続計画)にもそのまま転記可能
  2. 転倒予防:厚労省のセルフチェック票で床材・動線を点検(週1回推奨)
  3. 急変時は3分以内に初期対応:「報告→記録→家族連絡」をフローチャートで掲示し、新人でも即対応できる環境を整える

種類別!“簡単”レクリエーション 20選

主なチェック基準

  • 準備時間:目安のセットアップ時間
  • 材料コスト:1回あたりの概算
  • 職員負担:必要スタッフ人数
  • 利用者ハードル:ADL低めでも参加可か

A. 道具不要&費用ゼロ(3選)

レク名

準備時間

材料コスト

職員負担

利用者ハードル

効果・ポイント

パタカラ体操

0分

¥0
1人

★☆☆

口腔機能維持・誤嚥予防

勝ち負けじゃんけん

0分

¥0

1人

★☆☆
判断力・注意力強化
手拍子リズム体操

0分

¥0
1人
★☆☆
上肢可動域・アイスブレイク

※内容は一つの目安で各現場の状況により変わります。

B. 脳トレ&頭を使うゲーム(5選)

レク名

準備時間

材料コスト

職員負担

利用者ハードル

効果・ポイント

福笑い

3分

¥100
1人

★★☆

空間認識・笑いの効果

カルタ取り

3分

¥300

1人

★★☆
記憶想起・瞬発力

数字合わせ計算ゲーム

2分

¥0
1人
★★☆
計算力・協働

俳句完成ゲーム

2分

¥0
1人
★★☆
言語刺激・季節感

色合わせクイズ

2分

¥0
1人
★★☆
認知刺激・視覚刺激

※内容は一つの目安で各現場の状況により変わります。

C. テーブルで座ってできるゲーム(6選)

レク名

準備時間

材料コスト

職員負担

利用者ハードル

効果・ポイント

お手玉ホッケー

4分

¥200
2人

★☆☆

反射・上肢運動

風船バレー(うちわ)

3分

¥150

2人

★☆☆
心肺刺激・笑顔増

ピンポン玉入れ

5分

¥200
2人
★☆☆
目と手の協調

紙コップ積み

3分

¥100
1人
★★☆
指先巧緻性

新聞紙丸め広げゲーム

2分

¥0
1人
★★☆
握力・前腕筋

紙コップ扇ぎリレー

4分

¥100
2人
★★☆
協調・集中力

※内容は一つの目安で各現場の状況により変わります。

D. 軽い運動&リズム体操(4選)

レク名

準備時間

材料コスト

職員負担

利用者ハードル

効果・ポイント

タオル体操

2分

¥0
1人

★☆☆

肩関節可動域向上

手首・足首体操

1分

¥0

1人

★☆☆
末梢血流促進

座位リズムステップ

3分

¥0
2人
★★☆
心拍アップ・リズム感

歌に合わせた体操
(懐メロ)

3分

¥0
1人
★★☆
呼吸筋+回想法

※内容は一つの目安で各現場の状況により変わります。

E. 手先を使う創作・工作(2選)

レク名

準備時間

材料コスト

職員負担

利用者ハードル

効果・ポイント

折り紙しおり作り

5分

¥50
1人

★★☆

指先巧緻・達成感

ペットボトルキャップアート

7分

¥0

2人

★★☆
共同制作・色彩感覚

※内容は一つの目安で各現場の状況により変わります。

明日から成功させる進行のコツ

ファシリテーション 5ステップ

  1. アイスブレイク
    • 声かけは “目線を合わせて・ゆっくり・短く” が基本。利用者のお名前で声かけすることでモチベーションが上がります。
    • ADLに合わせて席を検討(目が見えずらい人、耳が遠い方など前方へ、後方の場合はアシスタント必須。)

  2. 目的の共有
    • 「今日は腕と指を動かして血流アップします」など、目的や期待効果をお伝えすると参加意欲が高まります。

  3. デモンストレーション
    • 職員がまず実演 → 利用者に真似してもらう流れに。動きを分割し、難易度が上がる場合は“声+手拍子”をつけてリズムを取るとスムーズ。

  4. 呼名&ポジティブフィードバック
    • 成功・失敗を問わず「◯◯さん、ナイスチャレンジ!」と即時に称賛。個人名+肯定語で場の空気が明るくなります。

  5. クールダウンと振り返り
    • 軽い深呼吸→水分補給→「どの動きが楽しかったですか?」 「目的と期待効果に繋がりそうな実感」などの感想ヒアリング。ここで次回の要望を拾うとマンネリ防止に直結。


“職員にも利用者にも簡単”を実現する 3つのキーワード

キーワード

職員メリット

利用者メリット

テンポ

セット替えを最小限にし、タイムテーブルを崩さない

疲労感を残さず満足度アップ

バリエーション

ルール変えで同じ道具を使い回し

「できた!」体験が何度も味わえる

リズム&声かけ

司会の負担減(BGM+手拍子で進行)

動作タイミングが掴みやすい


トラブルシューティング早見表

状況

直前のサイン

即時対応

予防策

集中が切れる

目線が下がる、無言
個人名を呼ぶ/動作を簡略化
3–5 分ごとにテンポ変化

転倒リスク増

体幹が前傾、腕がテーブルにつく
すぐ座位確認/スタッフが背面サポート
立ちっぱなし時間を5分以内に制限

拒否・不参加

返事がない、視線回避

道具を手渡しし「できる所だけ」提案
興味関心ヒアリング→好きな曲を選曲

💡ポイント
  • “困ったらルールを減らす”—覚える要素が少なければ参加率は自然と上がります。
  • 利用者→職員へ質問役をスイッチ すると盛り上がりが復活しやすい(例:司会を利用者にお願いする)。

※役割スイッチは、様々な場面で可能。レクに参加しないが、レクに必要な物を作成するのに参加してくれる人もいる、また男性の場合は、指示役や声出し役にお願いすると積極的に参加する場合もある。レクの運営参加、レクの盛り上げ役として参加、などアセスメントが重要なカギとなる。

事例で見る“簡単レク”の業務効果

ケーススタディ ― 現場の声でわかる3つの効果

※以下は当社が考えるデイサービスで簡単レクを実施した場合の期待効果です。

効果カテゴリ

具体的な変化の例

職員コメント

利用者コメント

参加率の向上

「これまで参加に消極的だった利用者が自然に輪に入るようになった」
「道具の準備がほぼ要らず、”とりあえずやってみよう”と提案しやすい」
「難しくなく、みんなと同じペースでできるので楽しい」

準備・運営負担の軽減

毎日のレク準備が“メモ帳1枚レベル”に簡素化
「シフト後の片づけ時間が短くなり、本来業務に集中できる」

マンネリ化の防止

月替わり・週替わりで種目をローテすると雰囲気が一変

「”次は何をやろうか”と利用者からリクエストが出る」
「今日はどんな遊びか楽しみ。家族にも話したい

💡ポイント整理

  1. シンプルなルール×短時間準備 が、職員側の心理的ハードルを一気に下げる 
  2. 参加しやすい雰囲気が生まれ、少し消極的な利用者も自然と巻き込まれる 
  3. マンネリ打破により、“毎日レクをやること自体がチームの習慣” になりやすい

こうした事例はあくまで「傾向」です。施設規模や利用者構成によって効果は異なりますが、“職員にも利用者にも簡単” を軸にレクを見直すことで、業務効率と利用者満足の両面でプラスが期待できます。

まとめ

“簡単レク”を仕組み化して、業務負担とマンネリを根本解決するには?

ここまでご紹介してきた “職員にも利用者にも簡単”なレクリエーション は、

  1. 低コスト・短時間で準備できる 
  2. 安全設計で多様なADLレベルに対応 
  3. 成功体験を共有して参加率が自然に向上 

という三拍子で、デイサービス現場の「マンネリ」 「人手不足」課題を同時に和らげます。
しかし、

  • 「結局、定期的にネタを探すのが大変」 
  • 「新人職員へノウハウをどう継承する?」 
  • 「法人全体で取り組みを標準化したい」

といった “仕組み化” の壁にぶつかる施設も少なくありません。

次の一手:オンライン体操教室でレクリエーションを“外注”という選択肢に

当社のオンライン体操教室は、

  • プロインストラクターが施設の大型テレビ等にライブ配信 
  • 座ったまま参加できる安全設計のオリジナル体操メニュー 
  • 必要機材は ネット回線+PC(またはタブレット)+大型テレビ等 

というシンプルな仕組みなので、職員負担が少なく“毎日のレク”を実施可能 にします。

現場課題
オンライン体操教室の活用イメージ
期待できる効果
ネタ探し・準備工数
開始時間にZoomで接続→そのままレク開始
企画・準備時間の大幅削減
人員不足・業務集中
職員は見守りに専念、他業務時間に充てることも可能
職員負担を大幅軽減
マンネリ化
月替わりでテーマが更新
利用者のモチベーション維持

日々のレクリエーションを “簡単 + 外部リソース活用” に切り替えれば、職員のゆとり利用者の笑顔が同時に実現できます。
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