エイジフレンドリーとは。活用できる補助金とプログラム

エイジフレンドリーとは。活用できる補助金とプログラム


少子高齢化が進行するなか、働く高齢者が増えています。しかし、高齢者は身体機能が低下していることから、若年層の労働者よりも労働災害の発生率が高く、休業も長期化しやすいとされます。


▼年齢別・男女別労働災害発生率

年齢別・男女別労働災害発生率

画像引用元:厚生労働省『令和5年 高年齢労働者の労働災害発生状況


企業においては、高齢者を含むすべての従業員が安心して安全に働ける職場環境をつくることが求められます。そのために重要なのが、エイジフレンドリーに関する取り組みです。

この記事では、エイジフレンドリーの概要や必要な取り組み、補助金、事例について解説します。


出典:厚生労働省『エイジフレンドリーガイドライン』『令和5年 高年齢労働者の労働災害発生状況


目次[非表示]

  1. 1.エイジフレンドリーとは
  2. 2.エイジフレンドリーに必要な取り組み
    1. 2.1.安全衛生管理体制を確立する
    2. 2.2.職場環境の改善を図る
    3. 2.3.高齢労働者の健康や体力の状況を把握して対応する
    4. 2.4.安全衛生教育を行う
  3. 3.エイジフレンドリーを支援する補助金制度
  4. 4.エイジフレンドリーに活用できるプログラム
  5. 5.まとめ


エイジフレンドリーとは

エイジフレンドリーとは、働く高齢者の特性に配慮することです。

例えば、働く高齢者は労働災害のなかでも転倒災害の発生率が高いことが特性として挙げられます。しかし、転倒災害は職場から転倒しやすい段差を取り除くことをはじめとした職場の環境改善に加えて、身体機能のチェックに基づく運動指導による転倒しない体づくりをすることで、防止することができます。

特に、昨今起きやすい転倒災害として、通勤時の労働災害が挙げられます。通勤時の労働災害は、職場の環境要因よりも個人の健康や体力に起因する個人要因が原因となっており、厚生労働省からも体力測定の実施や個別の運動指導を推奨されてます。

このように、エイジフレンドリーな環境づくりを実現することで、高齢者を含むすべての従業員が安全に働けるようになり、労働災害の防止が可能となります。

また、厚生労働省ではエイジフレンドリーな職場を目指すための『エイジフリーガイドライン』を公開しています。


出典:厚生労働省『エイジフレンドリーガイドライン



エイジフレンドリーに必要な取り組み

職場をエイジフレンドリーにするには、安全管理体制や職場環境などを整備する必要があります。また、高齢労働者自身の健康・体力の状態や安全衛生への意識も重要です。


安全衛生管理体制を確立する

エイジフレンドリーを実現するには、組織としての安全衛生管理体制の確立が欠かせません。


▼安全衛生管理体制を確立する取り組みの例

  • エイジフレンドリー対策の担当者を決めて体制を明確にする
  • 高年齢労働者の意見を聞く機会や制度を設ける
  • 加齢による身体機能低下と労働災害発生リスクの関連性を社内で共有する など


高齢労働者が相談をしやすく、組織内での対応が柔軟に行いやすい風通しのよい職場風土を醸成することが重要です。


職場環境の改善を図る

高齢労働者は加齢によって身体能力が低下しているため、それに合わせた働きやすい職場環境をつくることが求められます。


▼職場環境改善を改善する取り組みの例

  • 作業場所の明るさを確保する
  • 段差の近くに標識を設置する
  • 警報音を高齢者でも聞き取りやすい中低音域にする など


また、業務についても勤務時間や作業姿勢、作業の種類など高齢労働者に無理のない内容にする必要があります。


高齢労働者の健康や体力の状況を把握して対応する

高齢労働者の健康状態や体力を把握したうえで、必要があれば業務転換や労働時間の短縮などを行います。


▼健康・体力を把握する取り組みの例

  • 定期健康診断
  • 身体機能のチェック
  • 転倒等リスク評価セルフチェック票の活用 など


また、高齢労働者にはフレイル※1やロコモティブシンドローム※2のリスクがあるため、これらの予防を意識した健康づくり・カラダづくり支援を行うことも有効です。

※1・・・フレイルとは、加齢に伴って心身の活力や社会的なつながりが弱くなった状態のことです。

※2・・・ロコモティブシンドロームとは、加齢に伴う骨や関節、筋肉などの衰えが原因で、立ったり歩いたりする機能が低下している状態のことです。


安全衛生教育を行う

社内で安全衛生教育を行って高齢労働者自身に作業内容とリスクを理解してもらうことで、身体機能の維持・改善への意欲向上が期待できます。


▼安全衛生教育の取り組み例

  • 写真・図・映像などを活用した集合研修を行う
  • 視聴覚教材を活用する など


サービス業における軽作業をはじめ、危険が感じられにくい作業であっても労働災害が発生する可能性はあります。作業ごとのリスクを正しく把握してもらうには、時間をかけてしっかりと安全衛生教育を行うことが重要です。



エイジフレンドリーを支援する補助金制度

厚生労働省では、中小企業におけるエイジフレンドリーへの取り組みを支援するために、エイジフレンドリー補助金を設けています。令和6年度エイジフレンドリー補助金の申請受付締切日は令和6年10月31日(木)です。

2024年度におけるエイジフレンドリー補助金には3つのコースがあり、補助対象となる取り組みや補助率、上限額などが異なります。


▼令和6年度エイジフレンドリー補助金

コース
補助対象
補助率
上限額
高齢労働者の労働災害防止コース
転倒・墜落災害防止対策、腰痛予防対策、熱中症防止対策、交通災害防止対策
二分の一
100万円
転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース
転倒防止・腰痛予防のための専門家等による運動プログラムに基づいた身体機能のチェックおよび専門家等による運動指導
四分の三
100万円
コラボヘルスコース
労働者の健康保持増進のための取り組み
四分の三
30万円

厚生労働省『エイジフレンドリー補助金について』を基に作成


高齢労働者の労働災害防止コースについては、高齢労働者を常時1名以上雇用している必要があります。

転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コースとコラボヘルスコースについては、労働者を常時1名以上雇用していることが条件であり、年齢制限はありません。

また、各コース共通の要件として、労災保険に加入しており、一年以上事業を実施している中小企業事業者なことが求められます。


出典:厚生労働省『エイジフレンドリー補助金について



エイジフレンドリーに活用できるプログラム

ルネサンスの『安全衛生プログラム』では、継続的な運動を通じた体づくりによって高齢労働者の転倒災害を予防することで、エイジフレンドリーの実現に寄与します。


▼安全衛生プログラムの3ステップ

  1. 転倒リスクや身体機能の測定・チェックで体の状態を把握する
  2. 測定結果を基に、改善ポイントに合わせたエクササイズを実践する
  3. 動画を活用して、改善エクササイズを継続する


また、ルネサンスの安全衛生プログラムは、2024年度におけるエイジフレンドリー補助金の対象プログラムとなっています。詳しくはこちらの資料をご覧ください。

  安全衛生プログラムご案内資料 「転倒災害」を防止するために、転倒しないカラダづくりを目的とした、転倒予防プログラムをご紹介いたします。 株式会社ルネサンス



まとめ

この記事では、エイジフレンドリーについて以下の内容を解説しました。


  • エイジフレンドリーの概要
  • エイジフレンドリーに必要な取り組み
  • エイジフレンドリーを支援する補助金制度
  • エイジフレンドリーに活用できるプログラム


エイジフレンドリーとは、働く高齢者の特性に配慮することです。

エイジフレンドリーな職場をつくることで、高齢者を含むすべての従業員が安全に働けるようになり、転倒災害をはじめとする労働災害の防止につながります。

エイジフレンドリーを実現するには、安全衛生管理体制の確立や職場環境の改善、

安全衛生教育などを行うほか、高齢労働者の健康や体力の状況を把握して対応することが求められます。

ルネサンス』では、転倒災害対策のカラダづくりプログラムを提供しています。継続的な取り組みを通じて、事故発生リスクの低減を図ることが可能です。

詳しくは、こちらをご覧ください。

  転倒労災防止・腰痛予防の決定版!|ルネサンス_安全衛生プログラム 労働災害の中でも年々増加している「転倒災害」を防止するために、転倒しないカラダづくりを目的とした、転倒予防プログラムです。 測定やセルフチェックを通じて、自身の体の状態が把握でき、体づくりのための取り組み方法を知ることができます。 株式会社ルネサンス


転倒予防プログラムの開発ストーリーと事例紹介はこちらをご覧ください。

  転ばない身体づくりで、働く人の安全を守る~開発担当者のチャレンジ~|ルネサンス公式note こんにちは。ルネサンスnote編集チームです。 皆さんは何もないところでつまずいたり、バランスを崩して転んだり、といった経験はありませんか? 転倒は、労働衛生における大きな課題とされており、ルネサンスはその予防に向けた取り組みを積極的に進めています。   今回のnoteでは、働く環境における転倒予防プログラムの開発に携わる山口さんに、取り組みの背景や想いについてお話を伺いました。 【プロフィール】 山口 奈緒(やまぐち なお) マーケティングデザイン部 ヘルスケア商品開発チーム  入社後、店舗のフィットネス担当として6年間勤務。本社に異動後、スポーツクラブのプログラ note(ノート)



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