科学的介護推進体制加算とは。算定要件と取得の方法

科学的介護推進体制加算とは。算定要件と取得の方法


介護施設においては、蓄積されたデータを活用してケアプランや介護計画などを立てることで、質の高いケアを提供できるようになると期待されています。

介護報酬において、データを用いた科学的介護情報システム(以下、LIFE)を活用することで取得できる加算が、科学的介護推進体制加算です。

介護施設の担当者のなかには、「科学的介護推進体制加算の算定要件を知りたい」「科学的介護推進体制加算を取得するにはどうすればよいのか」などとお考えの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、科学的介護推進体制加算の概要や算定要件、取得する方法について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.科学的介護推進体制加算とは
  2. 2.科学的介護推進体制加算の算定要件
  3. 3.科学的介護推進体制加算を取得する方法
    1. 3.1.利用者の同意を得る
    2. 3.2.必要な項目をLIFEに入力する
    3. 3.3.フィードバックを活用してPDCAサイクルを回す
  4. 4.まとめ


科学的介護推進体制加算とは

科学的介護推進体制加算とは、LIFEの活用による取り組みを推進する加算のことです。

LIFEに介護施設で記録している情報を提出すると、蓄積した全国のデータに基づくフィードバックが受け取れます。フィードバックを活用してPDCAを回すことで、介護施設におけるケアの質向上につながると期待できます。


▼LIFEによって提供されるフィードバックの例

  • 利用者個人のBMIを時系列に見るグラフ
  • 事務所のADL平均値が都道府県内でどの位置にあるかのグラフ など



科学的介護推進体制加算の算定要件

科学的介護推進体制加算の算定要件は以下のとおりです。


▼科学的介護推進体制加算の算定要件

イ 入所者・利用者ごとの心身の状況等(加算(Ⅱ)については心身、疾病の状況等)の基本的な情報を、厚生労働省に提出していること。

ロ サービスの提供に当たって、イに規定する情報その他サービスを適切かつ

有効に提供するために必要な情報を活用していること。

引用元:内閣府『介護サービスの質の評価と科学的介護の取組の推進(その1)(令和3年度介護報酬改定)


科学的介護推進体制加算が算定されると、通所系サービスにおいては月当たり40単位が加算されます。

出典:内閣府『介護サービスの質の評価と科学的介護の取組の推進(その1)(令和3年度介護報酬改定)



科学的介護推進体制加算を取得する方法

科学的介護推進体制加算を取得する際は、利用者の同意を得たうえで必要な項目をLIFEに入力して、データの活用によってPDCAを回します。


利用者の同意を得る

科学的介護推進体制加算を取得するには、利用者の同意が必要となります。全員の同意が得られない場合は、同意が得られた利用者についてのみ算定されます。

LIFEの活用によるケアの質向上について、患者に共有して理解を得ることが重要です。

ただし、LIFEへのデータ提出時には情報の匿名化がなされることから、データの提出そのものは同意を得ずに行えます。


必要な項目をLIFEに入力する

通所系サービスにおいて、科学的介護推進体制加算を算定するためにLIFEへの入力が必要な項目は以下のとおりです。


▼通所系サービスにおいてLIFEへの入力が必要な項目

  • 要介護度
  • 障害高齢者の日常生活自立度
  • 認知症高齢者の日常生活自立度
  • 評価日
  • 評価時点
  • ADL
  • サービス利用終了理由(評価時点がサービス終了時の場合)
  • 身長、体重
  • 義歯の使用
  • むせ
  • 歯の汚れ
  • 歯肉の腫れ・出血
  • 認知症の診断
  • 生活・認知機能尺度
  • 意思疎通


また、LIFEへのデータ入力は、少なくとも3ヶ月に一回行う必要があります。以前は6ヶ月に1回でしたが、2024年度の介護報酬改定によってより高い頻度での提出が求められるようになりました。

出典:厚生労働省『令和6年度介護報酬改定における改定事項について


フィードバックを活用してPDCAサイクルを回す

科学的介護推進体制加算においては、LIFEから得られたフィードバックを基にPDCAサイクルを回して改善を図る必要があります。


▼科学的介護推進体制加算におけるPDCAの推進

科学的介護推進体制加算におけるPDCAの推進

画像引用元:内閣府『介護サービスの質の評価と科学的介護の取組の推進(その1)(令和3年度介護報酬改定)


ただし、フィードバックの活用においては、フィードバックがケアの正否を評価するものではないことに注意します。介護施設の職員内でフィードバックを広く共有して、ケアの改善につなげることが重要といえます。

出典:内閣府『介護サービスの質の評価と科学的介護の取組の推進(その1)(令和3年度介護報酬改定)



まとめ

この記事では、科学的介護推進体制加算について以下の内容を解説しました。


  • 科学的介護推進体制加算とは
  • 科学的介護推進体制加算の種類
  • 科学的介護推進体制加算の算定要件
  • 科学的介護推進体制加算を取得する方法


科学的介護推進体制加算とは、LIFEの活用による取り組みを推進する加算のことです。データに基づくフィードバックを、介護施設におけるケアの質向上につなげることが目的です。

科学的介護推進体制加算を取得するには、利用者の同意を得てLIFEに必要な項目を

入力したうえで、得られたフィードバックをPDCAに活用する必要があります。

ただし、たくさんの入力項目を高い提出頻度で提出することが求められるため、マニュアル入力で行っていると所要時間が膨大になってしまいます。LIFEへのデータ入力を効率的に行うには、システムの導入が有効です。

ルネサンス』では、介護報酬改定に対応するための加算算定業務やプログラムの提供をサポートしています。加算算定業務を支援する『R-Smart』では、LIFEとの連携サポート機能を提供しており、効率的なデータ入力を実現します。

詳しいサービスの内容は、こちらをご確認ください。

  口腔機能向上加算算定支援システム|R-Smart 『R-Smart』は、通所介護施設における「個別機能訓練加算」と口腔機能向上加算の算定に必要な「帳票作成やLIFE連携を実現する」システムと、利用者への「評価及び運動プログラムの導入を支援する」サービスです。 株式会社ルネサンス


関連記事

pagetop