嚥下機能を簡単に評価するスクリーニングテストの実施方法
嚥下機能とは、食べ物を咀嚼して胃まで運ぶ一連の流れを行うための機能です。嚥下機能の低下は、食欲低下による低栄養や体重減少を招いて心身の不調につながります。また、気管に食べ物が入って誤嚥性肺炎や窒息を起こす原因になる可能性もあります。
嚥下機能は気づかないうちに低下しているケースがありますが、スクリーニングテストと呼ばれる簡単な検査を行うことでチェック・評価できます。
介護施設の担当者のなかには、「嚥下機能を簡単に評価したい」「スクリーニングテストにはどのような種類があるのか」などと気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、嚥下機能を評価するスクリーニングテストの種類や、嚥下機能の低下を予防する方法について解説します。
なお、高齢者の嚥下機能低下についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
出典:厚生労働省『高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査』
目次[非表示]
- 1.嚥下機能を評価するスクリーニングテスト
- 2.嚥下機能の低下予防につながるルネサンスのサービスを紹介
- 2.1.グループプログラム
- 2.2.EMSリハビリプログラム
- 3.まとめ
嚥下機能を評価するスクリーニングテスト
嚥下機能を簡単に評価する方法として、スクリーニングテストが用いられます。スクリーニングテストでは、唾液・水・やわらかい食べ物などを飲み込む際の様子から嚥下機能を確認します。
▼スクリーニングテストの概要
スクリーニング評価 |
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目的 |
食事場面での問題点の把握 |
方法 |
問診 |
項目 |
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反復唾液嚥下テスト
反復唾液嚥下テストとは、30秒間に何回唾液を飲み込めるかによって嚥下機能を評価する手法です。30秒間に飲み込めた回数が3回未満の場合は、嚥下機能障がいの可能性が高いとされます。
反復唾液嚥下テストを行う際、評価者は評価対象の喉頭に指を当てておき、嚥下の際に十分に上方に持ち上がった場合を1回としてカウントします。
▼反復唾液嚥下テストの様子
▼セルフチェックの方法
自分でチェックする場合は30秒間で唾液を飲み込めた回数を数えます。平均が6回程度であるため、5回以下だと嚥下機能低下予備軍の可能性があります。
出典:厚生労働省『介護予防のための 生活機能評価に関するマニュアル(改訂版)』
改訂水飲みテスト
改訂水飲みテストとは、少量(スプーン1杯分 3ml)の冷水を口に含んで嚥下してもらうことで嚥下機能を評価する手法です。
嚥下ができたかどうかのほかに、以下の項目について確認を行います。
▼改訂水飲みテストの評価項目
- むせるかどうか
- 呼吸が問題なく行えているか
- 声の変化がないか など
フードテスト
フードテストとは、患者にとって飲み込みやすい食物を用いて行う評価手法です。使用される食物にはプリンやゼリーなどが挙げられます。
改訂水飲みテストと同様に、嚥下に加えて以下の項目を確認します。
▼フードテストの評価項目
- むせるかどうか
- 呼吸が問題なく行えているか
- 声の変化がないか など
頸部聴診法
頸部聴診法は、水や食物を飲み込んだときの嚥下音について、聴診器を用いて確認する評価手法です。確認する項目は以下のとおりです。
▼頸部聴診法の評価項目
- 雑音の有無
- 嚥下後の呼吸音の異常 など
頸部聴診法による評価は、改訂水飲みテストやフードテストと並行して行うことが有効とされます。
なお、嚥下機能の評価を詳しく知りたい方は、こちらの資料をご確認ください。
嚥下機能の低下予防につながるルネサンスのサービスを紹介
ルネサンスでは、口腔機能改善をサポートするサービス『R-Smart』を提供しています。R-smartでは、口腔嚥下筋肉と姿勢の改善を図るグループプログラムと、EMSによるリハビリを行うプログラムを用意しています。
グループプログラム
R-Smartのグループプログラムでは、口腔嚥下筋肉の筋膜リリースや姿勢改善を実施することで、嚥下機能の改善を図ります。
▼姿勢改善に役立つエクササイズ
下位頸椎新店エクササイズ(胸張りエクササイズ)
嚥下機能は不良姿勢と深い関連がある事がわかってきました。上記のプログラムを実践する事で頸部(首回り)のポジションを適切な位置にコンディショニングする事が可能です。
なお、不良姿勢と嚥下機能の関連性については、こちらの資料をご確認ください。
EMSリハビリプログラム
R-SmartのEMSリハビリプログラムでは、電気刺激療法(EMS)によって嚥下に用いる筋力を鍛えます。
▼咬筋へのEMS
電気刺激で筋肉を活性化することにより、嚥下機能が改善したと学会にて報告されています。
なお、ルネサンスによる電気刺激療法を用いたプログラムについては、こちらの資料をご確認ください。
まとめ
この記事では、嚥下機能を評価するスクリーニングテストについて解説しました。
- スクリーニングテストの種類
- 嚥下機能の低下予防につながるルネサンスのサービス
嚥下機能を簡単に評価する方法として、スクリーニングテストが存在します。
スクリーニングテストの種類には、反復唾液嚥下テスト、改訂水飲みテスト、フードテスト、頸部聴診法などが挙げられます。
『ルネサンス』では、口腔機能加算の取得を支援するサービス『R-Smart』を提供しています。口腔嚥下筋肉のトレーニングや姿勢改善に特化したグループプログラムと、EMSによる個別のリハビリによって利用者さま一人ひとりの問題に適したアプローチを実現します。
詳しいサービスの内容は、こちらをご確認ください。