交付金を受けるまでの流れと申請のコツ
地方自治体における事業の活性化や行政目的のために、援助・報償として交付する交付金制度があります。
各自治体が地域事業を行う際に資金が足りない場合には、交付金を活用することも一つの方法です。しかし、受給には特定の条件を満たしたうえで、審査に通過する必要があるため「受給のハードルが高いのでは」とお悩みの担当者の方もいるのではないでしょうか。
この記事では、交付金を受けるまでの一般的な流れと、申請を行う際のコツについて解説します。
なお、まちづくりに活用できる交付金については、こちらの記事で解説しています。
また、少子高齢化に関する2040年問題についてはこちらの記事をご覧ください。
出典:内閣府『補助金制度について』
目次[非表示]
- 1.交付金を受けるまでの流れ
- 1.1.①申請書(計画書)の提出
- 1.2.②審査・採択
- 1.3.③報告書の提出
- 1.4.④交付請求・振り込み
- 2.交付金申請のコツ
- 2.1.①交付金の趣旨との適合性を確保する
- 2.2.②見込みの妥当性を示す
- 2.3.③連携体制を整える
- 3.まとめ
交付金を受けるまでの流れ
交付金を受けるまでの一般的な流れとして、以下の4つのステップがあります。
①申請書(計画書)の提出
国から交付金の公募が行われたら、公募要領で指定された様式の申請書を用いて、期日までに申請を行います。
申請書の提出時には、交付金の活用によって見込まれる事業の運営状況や実施体制、改善内容などを記載した計画書を作成・提出する必要があります。
なお、交付の目的や対象者、費用などは補助事業によって異なるため、公募要領で事前に確認します。
②審査・採択
申請書・計画書を提出したあとは、各制度を管轄する官庁によって公募要領に基づいた審査が実施されます。
書類審査を通過すると採択となり、申請者に対して採択通知が行われます。なお、採択がなされてから、当初提出した事業計画の内容を変更する場合は、事業開始までに変更届の提出が必要です。
採択通知後は、事業計画に基づいた事業を実施します。
③報告書の提出
事業を完了したあとは、各制度を管轄する官庁に報告書を提出する必要があります。報告書には、事業の実施状況や効果などの実績を記載します。
報告書の提出には期限があるほか、添付書類が必要になる場合があるため、実施要項を確認しておくことが重要です。
また、報告書の提出後には審査が実施されて、そこで交付が決定した場合には、申請者へと確定通知が行われます。
④交付請求・振り込み
確定通知が行われたあとは、各制度を管轄する官庁へ交付申請を行います。
申請者が所定の交付請求書を提出したあと、提出した請求書に基づいて、指定の口座に交付金の振り込みが行われます。
交付金申請のコツ
交付金申請の審査では、実施要項に沿った事業計画を作成する必要があり、事業計画の妥当性や実現可能性などが判断されます。採択されるためには、計画書の書き方を工夫することが大切です。
①交付金の趣旨との適合性を確保する
事業計画を作成する際は、交付金の趣旨や目的に適合させることが重要です。
交付金は、特定の事業・活動を補助する目的で交付されるため、国が目標とする取組みに適合しているかどうかが判断要素の一つとなります。
事業内容や目標を設定する際は、交付金制度の趣旨に適合しているか、計画目標と整合性が取れているかなど、地域の課題と事業計画の目標の適合性を確認します。
②見込みの妥当性を示す
事業計画書には、交付金を活用してどれくらいの効果が期待できるか、見込みの数値(売り上げ増加・コスト削減など)を記載することが重要です。
見込みの数値を記載する際は、客観的な根拠に基づいており、妥当性があることを示す必要があります。事業内容や評価方法が漠然としていて、数字に根拠がない場合には、実現可能性が低いと捉えられるおそれがあります。
具体的なデータや資料を提示して見込みを予測することで、妥当性が生まれて、審査にとおりやすくなると考えられます。
③連携体制を整える
民間企業や住民、関連事業との連携体制を整えることもコツの一つです。
計画した事業内容を円滑に実施するためには、民間企業や住民、関連事業との連携体制を構築することが欠かせません。
交付金の申請時には、住民や民間企業、関連事業との連携体制を明らかにすることで、実現可能性を提示できるようになります。
まとめ
この記事では、交付金の申請手続きについて以下の内容を解説しました。
- 交付金を受けるまでの流れ
- 交付金申請のコツ
交付金は、地方自治体や地方団体、企業などが特定の事業を行う場合に活用できるケースがあります。
交付金を受けるには、公募要領に沿った申請書・計画書の提出、審査・採択、報告書・請求書の提出といったステップを踏みます。
また、交付金の審査では、計画書の内容や見込みなどが判断されます。採択されるためには、制度の趣旨に適合する事業計画を立てるとともに、見込みの妥当性を具体的に示して、事業実施に向けた連携体制を整えることが大切です。
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