【480名に調査】支援実感(POS)が従業員の定着意向を高める~健康経営は「届ける」時代へ~

人材不足の深刻化や働き方の多様化が進む中、企業にとって従業員の定着やエンゲージメント向上は重要な経営課題となっています。健康経営に取り組む企業は年々増加していますが、一方で「施策を実施しているのに成果につながらない」「従業員の反応が見えない」といった声も少なくありません。
本調査では、勤務年数1年以上の会社員480名を対象に、健康経営の取り組み実感とPOS(Perceived Organizational Support:知覚された組織的支援)、そして定着意向との関係を分析しました。
その結果、健康経営の取り組みを実感している従業員ほど、会社からの支援実感(POS)が高く、さらに「この会社で長く働きたい」と考える割合も高いことが明らかになりました。
本調査から見えてきたのは、健康経営の成果を左右するのは施策の数や制度の充実度ではなく、従業員が「会社は自分を大切にしてくれている」と感じられるかどうかであるということです。健康経営は、施策を実施する時代から、従業員に届ける時代へ。
本記事では、健康経営の成果を高めるために必要な「支援実感(POS)」の視点から、これからの健康経営のあり方を考察します。また、より詳しいアンケート結果や現場で役立つヒントはお役立ち資料として無料でダウンロードいただけます。
本調査の概要
背景
人材不足の深刻化や労働人口の減少を背景に、企業にとって従業員の定着や生産性向上は重要な経営課題となっています。こうした中で、健康経営への取り組みは広がりを見せており、健康経営銘柄や優良法人認定などを通じて、その実施状況は一定程度可視化されてきました。
一方で、これらの評価は施策の有無や実施状況といった“制度面”に重点が置かれており、従業員がそれをどのように受け取っているかという“知覚”の側面は十分に検証されていないという課題があります。
また、健康経営に取り組んでいるにもかかわらず、従業員の定着やエンゲージメントに明確な変化が見られないケースもあり、その要因については十分に整理されていないのが実情です。
目的
本調査では、健康経営の効果を「施策の有無」ではなく「従業員の知覚」という観点から捉え直し、その構造を明らかにすることを目的としました。具体的には、以下の観点から分析を行っています。
- 健康経営に対する従業員の認識(実施されていると感じているか)
- 企業からの支援実感(POS:Perceived Organizational Support)の水準
- POSが従業員の意識(定着意向・貢献意欲)に与える影響
- 業界別・年齢別における支援実感の差異
- 「施策の量」ではなく「支援されていると感じさせる設計」が与える影響
これらを通じて、健康経営を“機能させる”ために必要な設計のあり方に関する示唆を得ることを目指しています。
調査対象・方法
▼調査対象
- 20~60代の会社員
▼対象条件
- 現在勤めている会社での勤務年数が1年以上の方
▼調査方法
- Webアンケート
- 有効回答数:480名
- 調査期間:2026年02月26日 ~ 2026年03月11日
- 調査内容:
- 健康経営に対する認識(会社が健康や働きやすさを重視しているか)
- 健康経営施策の認知・参加状況
- 企業からの支援実感(POS)
- 定着意向(長く働きたいか)
- 貢献意欲(期待以上に働きたいか)
- 生産性・パフォーマンスに関する自己評価
- 業界・年齢などの属性情報
- 実施機関:株式会社ルネサンス
健康経営の課題 | 施策が”届いていない”
調査では、約52%が「自社は従業員の健康や働きやすさを重視している取り組みを行っている」と回答しました。
n=480(単一回答)
また、「健康増進や働きやすさ向上への取り組み」について過去1年以内の状況については、
- 実際に参加・利用した:約29%
- そのような取り組みはない・分からない:約52%
という結果でした。

n=480(単一回答)
この結果から、健康経営に取り組んでいる企業が一定数ある一方で、従業員がその存在を十分に認識していない、あるいは参加・利用に至っていないケースも少なくないことが分かります。
健康経営は、制度や施策を用意するだけでは十分ではありません。従業員に認知され、実際に活用され、さらに「会社が自分たちの健康や働きやすさを大切にしてくれている」という実感につながって初めて、定着や貢献意欲といった成果に結びつく可能性があります。
健康経営の取り組み実感は、支援実感を高める可能性がある
本調査では、「会社が健康や働きやすさを重視した取り組みを行っていると感じているか」と、「会社が自分の健康や働きやすさを大切にしていると感じているか」についてクロス集計を行いました。
その結果、健康経営への取り組みを実感している従業員ほど、会社からの支援実感、すなわちPOSが高い傾向が見られました。
n=480(単一回答)
一方で、健康経営への取り組みを実感していない従業員では、会社からの支援実感も低い傾向が確認されました。
このことから、健康経営施策は「実施しているかどうか」だけでなく、従業員がその取り組みを認識し、自分ごととして受け止められているかが重要であると考えられます。
つまり、健康経営の成果を高めるには、施策そのものの導入に加えて、従業員への伝え方、参加しやすさ、個々の課題との接続といった設計が欠かせません。
カギはPOS(Perceived Organizational Support)”支援実感”
本調査では、POS(Perceived Organizational Support:知覚された組織的支援)に着目しました。
POSとは、従業員が「会社は自分の貢献を評価してくれている」「自分の健康や働きやすさを大切にしてくれている」と感じる度合いを指します。
健康経営においても、従業員が単に制度の存在を知っているだけでなく、「会社が自分たちのことを考えて支援してくれている」と感じられるかどうかが重要です。
今回の調査では、支援実感を把握するための簡易指標として、以下のような認識を確認しました。
- 会社は自分の健康や働きやすさを大切にしている
- 会社は困った時に支援してくれる
その結果、「会社はあなたの健康や働きやすさを大切にしている」と回答した人は約33%、「困った時に支援してくれる」と回答した人は約28%にとどまりました。
健康経営への取り組みが広がる一方で、従業員の支援実感まで十分に届いていない企業も多いことがうかがえます。
n=480(単一答)
n=480(単一回答)
支援実感が高い従業員では、定着意向が7〜8割に
「会社が、自分の健康や働きやすさを大切にしていると感じるか」と、「現在の会社でできるだけ長く働きたいと思うか」についてクロス分析を行ったところ、支援実感が高い層では73.4%が「長く働きたい」と回答しました。
一方で、支援実感が低い層では、「長く働きたい」と回答した人は6.9%にとどまりました。
また、「会社は、困った時に支援してくれる存在か」という項目についても同様の傾向が見られました。支援実感が高い層では78.2%が「長く働きたい」と回答した一方で、支援実感が低い層では10.1%にとどまりました。
この結果から、従業員が会社から支援されていると感じているかどうかは、定着意向と強く関連している可能性があります。
健康経営の成果を高めるためには、施策の導入数や制度の充実度だけでなく、従業員が「自分の健康や働きやすさを大切にされている」と感じられる状態をつくることが重要です。
n=480(単一回答)
また、「会社は、あなたが困った時に支援してくれる存在か」についても
- POSが高い層:78.2%
- POSが低い層:10.1%
と、同様の結果となりました。
n=480(単一回答)
健康経営で今、見直すべきポイント
今回の調査から、健康経営の成果を高めるには、単に施策を導入するだけでなく、従業員が「会社に支援されている」と実感できる状態をつくることが重要であると分かりました。
より詳しいアンケート調査の結果とあわせて、こちらの調査レポートでご紹介しています。
レポートでは、業界別・年齢別に見た支援実感(POS)の違いや、その背景にある要因についても詳しく解説しています。
無料でダウンロードいただけますので、ぜひご活用ください。
従業員の健康課題や働き方が多様化する中では、画一的な施策だけでは十分に届かない可能性があります。一人ひとりの状態や関心に応じて、必要な支援にアクセスしやすい環境を整えることが、POSを高めるうえでも重要です。
ルネサンスでは、スポーツクラブ運営で培った運動指導のノウハウと、法人向け健康づくり支援の実績を活かし、従業員一人ひとりに“届く”健康経営施策の設計・実行を支援しています。
運動・食事・メンタルヘルス・睡眠・生活習慣改善などの幅広いテーマに対応し、オンラインレッスン、ビデオコンテンツ、専門家監修プログラム、現地開催型セミナーなど、企業の課題や従業員の働き方に合わせた提供が可能です。
さらに、施策の企画だけでなく、従業員への告知・参加促進、実施後の効果測定まで伴走することで、健康施策を「用意する」だけでなく、「認知され、参加され、支援実感につながる」取り組みへと高めていきます。
従業員の健康課題や働き方は、企業ごと、個人ごとに異なります。
「無関心層にも参加してもらいたい」「健康経営度調査票に対応した施策を実施したい」「オンラインで継続的に取り組める環境を整えたい」など、課題に応じて最適なプログラムをご提案します。
健康経営の推進に関して、以下のようなお悩みをお持ちのご担当者さまは、お気軽にご相談ください。
- 健康経営の取り組みを始めたいが、何から進めればよいか分からない
- 施策を実施しているが、従業員の参加率や実感につながっていない
- 従業員の年代・職種・健康課題に応じた支援を行いたい
- 無関心層にも届く健康づくり施策を設計したい
- 健康経営を定着やエンゲージメント向上につなげたい
詳しい調査結果や、業界別・年齢別に見た支援実感の違いについては、調査レポートでご紹介しています。無料でダウンロードいただけますので、ぜひご活用ください。


