【健康経営度調査】フィードバックシートを活用した施策立案の方法
企業が従業員の健康保持・増進に取り組むことは、将来的な業績向上や企業価値の向上につながると考えられています。
このような考えから、経営的視点で健康管理を捉えたうえで、長期的なビジョンで実践する“健康経営”が注目を集めています。
しかし、健康経営に関する施策はさまざまです。健康経営の取組みを進めようにも、「自社に適した施策が分からない」というケースも考えられます。
そこで、施策のヒントになるのが健康経営度調査票の『フィードバックシート』です。
この記事では、健康経営度調査のフィードバックシートを活用した健康経営の施策立案の方法について解説します。
目次[非表示]
- 1.健康経営度調査とは
- 2.フィードバックシートを活用した施策立案の方法
- 2.1.①自社の現状を把握する
- 2.2.②取組みが必要な項目を選出する
- 2.3.③競合他社のフィードバックシートを参考に取組みを検討する
- 3.まとめ
健康経営度調査とは
健康経営度調査とは、健康経営に対する企業の取組みについて評価を行い、評価結果の経年変化を分析する調査のことです。
調査は企業が提出する健康経営度調査票により行われ、提出した健康経営度調査票は後日、健康経営の実践レベルを含むフィードバックが添えられて返送されます。
なお、これまで大規模法人を対象としていたフィードバックシートの交付が、令和6年度からブライト500申請法人に対しても行われます。
健康経営銘柄やホワイト500の選定・認定を目指す企業だけではなく、中小規模法人における健康経営の普及を促進するとともに、「どのような施策を取り組めばいいのか分からない」という企業にとっても、今後の施策検討に役立つ可能性があります。
健康経営調査票の入手方法は、企業の規模によって異なります。
▼健康経営調査票の入手方法
企業規模 |
入手方法 |
上場企業 |
郵便や電子メールなどで案内が送られる 過去に回答したことのある非上場企業 登録しているメールアドレスに案内が送られる |
そのほかの企業 |
新規申請用ID発行サイトから企業情報を登録後、電子メールで専用サイトのログイン情報が送られる |
経済産業省『健康経営優良法人の申請について』を基に作成
なお、調査票は毎年回答期限が設けられているため、申請する際は、経済産業省のホームページより情報を確認しましょう。
出典:経済産業省『健康経営度調査について』
フィードバックシートを活用した施策立案の方法
健康経営度調査票の提出により、得たフィードバックはどのように活用したらよいのでしょうか。
ここからは、フィードバックシートを基にした施策立案の方法を解説します。
①自社の現状を把握する
健康経営度調査のフィードバックシートでは、回答した法人のなかでの総合順位や評価項目を総合評価した偏差値などが記載されています。
画像引用元:経済産業省『令和3年度 健康経営度調査フィードバックシート <サンプル>』
また、総合評価される際の項目は、以下の4つです。
▼健康経営度調査の評価項目
- 経営理念・方針
- 組織体制
- 制度・施策実行
- 評価・改善
それぞれの項目で自社の偏差値に加えて、全体平均、業種のトップ、または平均の偏差値も一緒に算出されます。全体的にどの項目が足りていないのか、現状の把握に役立ちます。
過去にも回答している場合は、各項目の経年変化をグラフで確認することも可能です。
出典:経済産業省『令和3年度 健康経営度調査フィードバックシート <サンプル>』
②取組みが必要な項目を選出する
先述した4つの項目は、さらに細かく13の項目に分けられて評価されます。
画像引用元:経済産業省『令和3年度 健康経営度調査フィードバックシート <サンプル>』
▼詳細分析の項目例
- 経営理念・方針:健康経営の戦略・方針などの社内外への発信
- 組織体制:産業医・保健師の関与
- 制度・施策実行:健診・検診などの活用・推進
- 評価・改善:健康経営の推進に関する効果検証
それぞれの項目で自社の偏差値が全体の平均にどのくらい到達しているのか、ひと目で把握しやすい点が特徴です。
偏差値が平均に達していない項目を選出すれば、強化が必要な健康経営の取組みの方向性が明確になります。
出典:経済産業省『令和3年度 健康経営度調査フィードバックシート <サンプル>』
③競合他社のフィードバックシートを参考に取組みを検討する
経済産業省は、2021年度の調査から“評価結果の開示”を設問に入れており、開示可能と回答した企業のフィードバックシートを公開しています。
フィードバックシートには、課題に対する施策や効果検証の結果などが記載されているため、施策を検討する際の参考になります。
実際に、健康経営度調査に回答している企業は、以下のような取組みを行っています。
▼健康経営の施策例
- 健康診断の受診率100%に向けて従業員の受診月を統一し、未受診者には連絡のリマインドを行った
- 労働時間の適正化を図るため、ノー残業デーの実施や直行直帰の推進などを行った
- 社内のコミュニケーションを活性化するため、各チームで健康や安全に関する意見交換を毎週5分間行った
また、業種別で分かれているため、競合他社の評価や施策と比較することも可能です。
健康経営で得られる効果や導入事例については、こちらの記事で紹介しています。併せてご覧ください。
まとめ
この記事では、健康経営度調査に関する以下の内容を解説しました。
- 健康経営度調査の概要
- フィードバックシートを活用した施策立案の方法
健康経営銘柄や健康経営優良法人の認定申請を行うには、健康経営度調査への回答が必要です。仮に申請しない場合でも、回答することで自社の健康経営の取組みに対する評価や競合他社と比較など、現状の把握に役立ちます。
また、回答後に送付されるフィードバックシートを活用することで、今後どのような施策を行えばよいかの参考にもなります。
施策を立案する際は、自社の現状から課題を洗い出して、競合他社の取組みを参考にしてみてはいかがでしょうか。
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