学校水泳がなくなる? 自治体がいま検討すべき5つの視点
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目次[非表示]
「学校水泳がなくなる」というニュースの背景
近年、学校水泳の廃止や見直しに関する報道が全国各地で増えています。背景には、学校プールの老朽化や維持管理のコスト、安全面への懸念、さらには教員の負担増加など複合的な課題があります。実際に、文部科学省が発表した「学校基本調査」では、近年の小中学校の施設整備に関する予算の厳しさが指摘されています。
出典:文部科学省「学校基本調査」
なぜ学校水泳は“なくなる”のか? 〜全国で起きている変化〜
「学校水泳がなくなる」と聞くと驚く方も多いかもしれません。しかし、これは単なる噂ではありません。実際に多くの自治体で、プール授業の実施を見直す動きが進んでいます。その背景には以下のような要因があります。
- プール施設の老朽化と修繕費の高騰
- 教員の専門性不足と負担増加
- 授業時間数の削減
- 安全面への配慮
文部科学省の「学校保健統計調査」でも、事故防止や熱中症対策の必要性が指摘されており、学校現場の対応力には限界があるといえるでしょう。
出典:文部科学省「学校保健統計調査」
学校プールの維持にはどんな課題があるのか?
自治体が管理する学校プールには、次のような課題が山積しています。
維持コストと施設老朽化
プールの修繕費用や定期的な点検・改修には多額のコストがかかります。特に築30年以上のプールは漏水やタイル剥がれなどの問題を抱えているケースもあります。
安全管理の責任
水泳授業中の事故リスクに備え、監視体制の強化や職員研修も不可欠です。ところが、すべての学校が十分な人員を確保できるわけではありません。
教職員の負担
水泳指導が得意でない教員には、プール授業が大きな精神的・肉体的負担となるため、人材育成や外部講師の活用が不可欠です。また、教員は通常業務に加え、機器点検や水質管理などの追加業務も担わなければなりません。
民間活用はどう進んでいる? 〜委託・外部施設活用の事例〜
こうした課題に対応するため、民間のスイミングスクールなどと連携する動きが進んでいます。
事例:和歌山県那智勝浦町の取り組み
ルネサンスのスイミングコーチが那智勝浦町の小学校を訪問し、教員に向けた水泳指導の研修会と児童に向けた水泳授業を実施。児童の水泳スキル向上と、教員の負担軽減にもつながっています。
出典:教育家庭新聞
教育的な観点から考える「水泳教育の必要性と今後」
水泳教育は、単なる体育の一環ではなく、命を守る力を育てる教育でもあります。水難事故の予防や、自己防衛力の育成という意味でも、その価値は非常に大きいものです。
文部科学省の「学習指導要領」でも、水泳は小学校段階での重要な運動分野のひとつとして位置づけられています。
さらに現代の教育ニーズに応じて、次のような多角的アプローチが求められています。
- 外部指導者による専門的な指導体制を整える
- ICTを活用した動画やeラーニングによる事前学習
- 地域施設や家庭と連携した水辺活動体験の推進
- 多文化・多様な子どもへの配慮(泳げない子どもや障害のある児童への対応)
こうした観点からの再設計が、次世代における水泳教育の持続可能性を高めます。
出典:文部科学省「学習指導要領」
自治体が今、検討すべき5つの視点
学校水泳の見直しにあたっては、自治体が以下のような観点を総合的に検討することが重要です。
- コスト対効果:プール施設維持費と外部委託費用の比較検討
- 教育効果:単なる泳力向上だけでなく、命を守る教育の価値
- 安全管理:施設・人材・運用体制の安全水準の検証
- 人的リソース:教職員の負担軽減と専門家(インストラクター)の活用
- 地域事情:地域の施設環境、移動距離、保護者の理解など地域特性の把握
これらの視点を文部科学省の「教育データ標準」や自治体間で共有されている成功事例などと照らし合わせ、最適な選択をする必要があります。
また、実際にスイミングスクールと連携した授業支援の具体的な事例については、こちらの記事もぜひご覧ください。
まとめ
学校水泳を「やめるべきか・続けるべきか」は、単純な二択ではありません。
重要なのは、限られた予算や人材の中で、子どもたちの学びや安全をどう保障するかという視点です。文部科学省のデータや各地の取り組み事例を参考に、貴自治体にとって最適な形を模索していただければと思います。
『ルネサンス』では、これまで季節や天候に左右されない室内プールの活用やスクールの指導ノウハウを活かした体育授業を受託してまいりました。その実績を踏まえ、スイミングスクール運営における豊富な指導経験の専属インストラクター派遣や、安心・安全の施設環境の提供など、スイミングスクールの運営で培った知識・ノウハウを生かして、水泳授業のサポートを行っています。
事前の座学による基礎学習や学年ごとに内容・難易度を変更し水辺でのレクチャーなど、学校の課題や実態に応じた内容で課題を解決します。
より安全で質の高い水泳授業を取り入れたいとお考えの方は、ぜひこちらをご覧ください。