集団リハビリとは。介護施設で実施するメリットとポイント
高齢化が進展するなかで医療・介護双方のニーズを持つ高齢者の増加が見込まれており、介護施設でのリハビリテーション(以下、リハビリ)を必要とする利用者も増加すると考えられています。
リハビリの需要増加に対応するための方法として注目されているのが、集団リハビリです。
介護施設の担当者のなかには、「集団リハビリを実施することでどのようなメリットがあるのか」「実施する際のポイントが知りたい」などとお考えの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、集団リハビリの概要やメリット、実施する際のポイントについて解説します。
目次[非表示]
- 1.集団リハビリとは
- 2.介護施設で集団リハビリを実施するメリット
- 3.集団リハビリを実施する際のポイント
- 3.1.①利用者のニーズを洗い出す
- 3.2.②運動の強度を高くし過ぎない
- 3.3.③リハビリの質を均一に保つ
- 4.集団リハビリに有効なプログラム
- 4.1.映像プログラムで集団リハビリを行うメリット
- 4.2.ルネサンスの映像プログラム
- 5.まとめ
集団リハビリとは
集団リハビリとは、リハビリの専門職が複数人の利用者に対して実施するリハビリのことです。複数人のグループでストレッチや体操などを行い、運動機能や認知機能の向上に努めることを目的としています。
かつては医療機関でも集団リハビリが広く実施されていましたが、2006年の診療報酬改定によって診療報酬に算定できなくなりました。
そのため、集団リハビリを現在実施しているのは、老健やデイケアなどの介護施設が中心となっています。
出典:厚生労働省『平成18年度診療報酬改定の概要について』
介護施設で集団リハビリを実施するメリット
介護施設での集団リハビリには、介護施設と利用者のそれぞれにとって、個別リハビリとは異なるメリットがあります。
介護施設のメリット
介護施設にとっての集団リハビリのメリットとして、人手不足やリハビリ需要への対応が挙げられます。
▼集団リハビリによる介護施設へのメリット
- スタッフの人手不足を補える
- より多くの利用者にリハビリを提供しやすい
集団リハビリは、個別リハビリと比較して一度の利用者数に対するスタッフ数が少なくて済みます。そのため、介護業界における人手不足やリハビリ需要の増加に対して、効率的に対応しやすいといえます。
利用者のメリット
集団リハビリは、利用者にとって個別リハビリよりも意欲的に参加しやすいリハビリです。
▼集団リハビリによる利用者へのメリット
- リハビリへの意欲を保ちやすい
- 認知症の高齢者でも参加しやすい
集団リハビリでは複数人が参加して互いに支え合えるため、個別リハビリよりも意欲を保ちやすいと考えられます。
また、集団での取り組みは何をするのかがイメージしやすいことから、集団リハビリは認知症の高齢者でも参加しやすいとされます。
集団リハビリを実施する際のポイント
集団リハビリを実施する際は、利用者のニーズや運動強度に気をつける必要があります。また、リハビリの質を均一に保つことも重要です。
①利用者のニーズを洗い出す
集団リハビリを実施する際は、利用者のニーズを洗い出すことがポイントです。
集団リハビリにおいては、プログラムの内容を一人ひとりに合わせられないことから、利用者の不満につながる場合があります。
利用者全体のニーズを洗い出したうえで、より多くの利用者に満足してもらえるプログラム内容を策定することが重要となります。
②運動の強度を高くし過ぎない
集団リハビリのプログラムにおいては、運動の強度を高くし過ぎないように気をつけます。
利用者の健康状態や身体機能によって対応できる運動強度は異なります。集団で取り組むリハビリにおいては個別の調整ができないため、すべての参加者が無理なく取り組める運動強度にすることが欠かせません。
高すぎず低すぎないレベルのプログラムを用意できると、より多くの利用者が意欲をもって取り組みやすくなると考えられます。
③リハビリの質を均一に保つ
集団リハビリの質を均一に保てる体制づくりが重要となります。
集団リハビリでは毎回同じスタッフが対応するとは限らず、リハビリの質が指導者となるスタッフの指導スキルに依存しやすいといえます。
プログラムの質を均一に保つには、マニュアルの作成や録画映像の利用などが有効です。
集団リハビリに有効なプログラム
ルネサンスでは、集団リハビリに活用できる映像プログラムを用意しています。
映像プログラムで集団リハビリを行うメリット
映像プログラムとは、動画を活用して指導を行うプログラムです。映像プログラムを活用することで、集団リハビリを効率的に行えるようになります。
▼映像プログラムで集団リハビリを行うメリット
- 一律化した指導を簡便に行える
- 集団リハビリの実施にかかるコストの削減
- 突発的な人員不足に対応できる
- ブランディングにつながる
ポイントを押さえた指導が映像で実施できるため、機能訓練指導員はリハビリの見本を見せる必要がなくなり、利用者の補助や本質的な指導・修正に注力しやすくなります。
また、集団リハビリの実施における事前準備や研修時間などを削減でき、販管費の削減や残業時間の削減にも寄与します。スタッフの欠勤や退職などで突発的な人員不足が生じた場合にも映像プログラムであれば柔軟に対応することが可能です。
さらに、映像プログラムによる集団リハビリを実施することで介護施設のアピールポイントにできるため、新たなブランディングの構築にもつながります。
ルネサンスの映像プログラム
ルネサンスでは、口腔・運動器・レッドコートに関する映像プログラムを提供しています。
ここでは例として、口腔映像プログラムを紹介します。
▼ルネサンスによる口腔映像プログラムの特徴
- 7つのシリーズで構成されている
- 各シリーズで“評価”を導入している
- リズミカルな音楽を採用している
- 直営店舗での検証を行っている
ルネサンスの口腔映像プログラムでは、口腔周囲や舌周囲の運動、発声運動に加えて、姿勢改善を含めた運動メニューを提供しています。衰えたり固くなったりしている筋肉をリリースしたあとにエクササイズを実施する、理学療法的なリハビリの流れで構成されています。
動画内に評価項目を導入しており、現在の身体状況や運動前後での変化を感じてもらうことが可能です。利用者とスタッフでともに評価を行うことで、モチベーションやエンゲージメントの向上にもつながります。
また、運動のBGMとしてアップテンポでリズミカルな音楽を採用していることで、利用者にエクササイズを楽しんでもらいやすくなっています。
ルネサンスの映像プログラムは直営店舗での検証を行ったうえで販売しています。運動前後での変化も実証済みのため、安心してご利用いただけます。
なお、利用者に満足してもらえる集団プログラムについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
まとめ
この記事では、集団リハビリについて以下の内容を解説しました。
- 集団リハビリの概要
- 介護施設で集団リハビリを実施するメリット
- 集団リハビリを実施する際のポイント
- 集団リハビリに有効なプログラム
集団リハビリは、個別リハビリと比較して利用者の意欲を保ちやすく、認知症の高齢者でも参加しやすいとされます。また、リハビリ需要の増加に伴う介護施設の人手不足への対策としても有効です。
集団リハビリを実施する際は、利用者のニーズと健康状態に合ったプログラムを策定するとともに、指導の質を均一に保つことが重要となります。
集団リハビリにおける指導の質を一律化するには、映像プログラムの利用が有効です。映像で指導を実施することで、機能訓練指導員は利用者ごとの本質的な指導・修正に集中できるようになります。また、集団リハビリにかかるコストの削減や人員不足への対応、ブランディングの構築手段としても活用できます。
『ルネサンス』では、口腔・運動器・レッドコートに関する映像プログラムを提供しています。直営店舗の検証において運動前後での変化なども実証済みのため、安心してご利用いただけます。
また、口腔機能加算の取得を支援するサービス『R-Smart』も提供しています。口腔嚥下筋肉のトレーニングや姿勢改善に特化したグループプログラムと、EMSによる個別のリハビリによって嚥下機能の維持・向上を目指せます。
詳しくは、こちらの資料をご確認ください。