バランスボールを事務椅子代わりに使用
厚生労働省「第14次労働災害防止計画」によると、労働災害の中でも転倒による労働災害が最も多く、近年その件数も増加傾向にあります。また、年齢別の発生状況においても、50歳代以上で転倒災害が急増する傾向にあり、労働者の高齢化が進む中で、職場での転倒災害の防止は喫緊の課題と言えます。また、厚生労働省と消費者庁は、日本転倒予防学会が制定した10月10日の「転倒予防の日」を契機に国民に向けて、転倒予防の取組の実施を呼びかけています※1。
福岡市職員においても、45歳位から公務上の災害が増加傾向にあり、主な原因が転倒によるケガとなっていることから、福岡市職員を対象とした「バランスボールを活用した転倒災害予防」に関する実証実験を行いました※2。
※2 福岡市と「バランスボールを活用した転倒災害予防実証実験にかかる協定」を締結(2024年5月9日プレスリリース)
ルネサンスの転倒リスク測定会
日常的にバランスボールに座る、エクササイズを実践することで、下肢筋力、バランス能力、敏捷性の向上が確認されました。また、転倒リスクの低減にも有意な成果が得られました。
片足立ち上がりテスト、座位ステッピングテスト、2ステップテストにおいて有意差が認められました。
実験前に「1か月間でつまずいた」と回答した方の割合が60.9%であったのに対し、実験後には32.6%にまで減少しました。さらに、「1か月間で転倒した」方は0名という結果が得られています。また、腰痛、肩こり、膝痛に関しても、痛みの改善が見られる傾向が確認されました。参加者より「姿勢がよくなった」「腰痛などの気になる痛みが軽減した」などの声も上がっています。
オフィスにおいては、座位時間が長いために体幹筋をはじめとした筋肉に好ましくない影響を及ぼすことが危惧されています。この点、業務中にバランスボールを使用することで、体のバランスを維持するために自然と体幹筋や下肢の筋肉を使うことになり、バランス感覚も含めて向上する効果を期待することができます。
今回のバランスボールを使用した結果、業務中にバランス感覚と筋力の向上が認められ、座りながらにして身体機能の向上が認められたことは、躓き、転倒などを予防する効果が期待できます。無理なく、日々オフィスワークと体幹筋等の向上が両立するプログラムであると言えます。
ルネサンスとスポーツオアシスは、2024年4月1日より企業グループとなり、両社の事業シナジーを強化しております。
本実証実験を通して得られた知見、エビデンスを活用して、全国の自治体職員、企業、健康保険組合に向けた職場の安全衛生の維持、向上のための「バランスボールを活用した転倒予防プログラム」を両社で展開してまいります。また、本実証実験でも活用したバランスボールをはじめとするオアシスホームフィットネスが展開する健康グッズは、職場や家庭での効率的な運動に役立つものが多々あることを鑑み、今後も様々なプログラムとの組合せも検討してまいります。
引き続き、両社の強みを組み合わせ、そのシナジー効果により、更なる事業の拡大を図っていくと同時に、両社の企業理念である「生きがい創造」、「Well-Being」の実現に向けて、取り組んでまいります。
転がりを防ぐ固定用リングがセットになった安全安心に配慮されたバランスボールです。執務中に事務用椅子として使っても、転がる心配がないため、職場でも使いやすく、神奈川県鎌倉市や千葉県習志野市をはじめとした11自治体、1団体の職員も取り入れている事例が増えています。
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