民間企業との包括連携協定とは。地域活性化につながる事例3選
地域住民のニーズや地域課題が多様化・複雑化するなか、各自治体の資源のみですべてのニーズ・課題に対応することが困難になっています。そこで注目されているのが民間企業との“包括連携協定”です。
自治体の担当者のなかには、「包括連携協定はどのように活用できるのか」「具体的な事例が知りたい」などと気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、包括連携協定の概要やメリット・デメリット、ポイント、事例について解説します。
包括連携協定とは
包括連携協定とは、自治体と民間企業がさまざまな地域課題の解決に向けて連携するために結ぶ協定を指します。個別事業を行うための連携協定とは異なり、包括的な取り組みを継続的に行うことが特徴です。
包括連携協定によって取り組む課題の例としては以下が挙げられます。
▼連携して取り組む地域課題の例
- 地域住民の健康増進
- 子育て支援・高齢者の介護予防支援
- 地域の災害対策
- 地域環境の保全
- 地域の観光振興
- 地域産業の活性化
- スポーツ・文化・芸術の振興 など
包括連携協定を結ぶことによるメリット・デメリット
包括連携協定を結ぶことで、課題の解決に向けて効率的に取り組みやすくなると考えられます。
ただし、包括連携協定を結んだとしても、その後の取り組み方次第では課題解決につながらない可能性もあります。
メリット
民間企業と包括連携協定を結ぶことで、自治体にとって以下のメリットが期待できます。
▼包括連携協定のメリット
- 自治体と民間企業双方のノウハウ・資源を課題解決に活用できる
- 人事異動で企業側の担当者が変わっても協定を基に円滑な連携ができる など
自治体と民間企業が地域の課題解決に対して円滑に取り組めるようになることで、
地域社会の発展や市民サービスの向上が期待できます。
また、企業にとってもイメージアップやビジネスチャンスの開拓につながると考えられます。
デメリット
包括連携協定を結ぶ際の自治体のデメリットとしては以下が挙げられます。
▼包括連携協定のデメリット
- 片方が動かないことで取り組みが停滞する可能性がある
- 協定の締結自体が目的になってしまうケースがある など
包括連携協定では1対1で協定を結ぶことから、期待する効果を得るためには自治体と企業の双方が能動的に動く必要があります。
協定の締結自体が目的となって、その後の取り組みを自治体・企業ともに相手方に任せきりにしてしまうと、地域課題の解決を円滑に行えなくなります。
包括連携協定を結ぶ際のポイント
包括連携協定を結ぶ際のポイントは以下のとおりです。
▼包括連携協定を結ぶ際のポイント
- 互いに利益のある関係を構築する
- 具体的な取り組みの内容を定めておく
- 地元の企業・店舗と連携協定を結ぶ
包括連携協定においては、互いに利益を分かち合える関係性を構築する必要があります。協定を結ぶ時点で実施可能性のある具体的な取り組みについて策定しておくことで、事業の停滞を予防することが可能です。
また、包括連携協定は地域の活性化につながるため、地元の企業・店舗と連携することで双方の利益になると考えられます。
ルネサンスの連携協定事例3選
ルネサンスでは、スポーツクラブが所在する地域の自治体と包括連携協定を結び、地域の課題解決への取り組みを行っています。
事例1|近隣スポーツクラブの店舗活用
神奈川県座間市との包括連携協定では、ルネサンスが座間市内に新しく開業したスポーツクラブの店舗を、地域における健康づくり支援の拠点として活用する体制の構築を行いました。
また、ルネサンスの人的・物的資源を活用して地域に貢献できる項目について、座間市と協議を重ねています。
▼包括連携協定による具体的な取り組み
- 社協福祉まつりにおける、未病見える化コーナーへの協力
- 座間市民健康マラソン大会への協力
- 公立保育園での運動遊びの実施
- 座間市いっせい防災行動訓練への参加 など
事例2|健康増進等に関する包括連携協定
熊本県熊本市では“第3次健康くまもと21基本計画”を掲げており、ルネサンスが持つ健康づくり事業におけるノウハウとの親和性から、包括連携協定を締結しました。
包括連携協定を起点として、地域住民の健康増進をはじめとする地域課題解決に向けた継続的な取り組みを図っています。
▼包括連携協定による具体的な取り組み
- 市民の生活習慣改善と環境づくり
- 市民の生活習慣病の発症予防と重症化予防
- 市民の健康になれるコミュニティづくり
- 市民のライフコースアプローチを踏まえた健康づくり など
事例3|災害時等における施設利用の協力に関する連携協定
岐阜県本巣市とルネサンスの包括連携協定では、災害時における施設開放や運動支援のほか、市民への日頃の健康促進に関する協定を締結しました。
災害が発生した際にスポーツクラブの施設・設備が一部開放されるほか、避難者への健康維持の支援も実施します。
また、災害時だけでなく、日常において市民の健康づくり・体力向上に関する取り組みを、連携して行っています。
▼包括連携協定による具体的な取り組み
- 帰宅困難者の一時滞在施設として、可能な範囲での施設提供
- 避難所における可能な範囲での運動支援
- 子どもの体力向上に関する運動支援 など
まとめ
この記事では、包括連携協定について以下の内容を解説しました。
- 包括連携協定の概要
- 包括連携協定を結ぶことによるメリット・デメリット
- 包括連携協定を結ぶ際のポイント
- ルネサンスの連携協定事例
包括連携協定とは、地域課題を解決するために自治体と民間企業が継続的な連携を行う協定です。包括連携協定を活用することで、地域の課題解決に向けて自治体と民間企業双方の資源を活用できます。
包括連携協定を結ぶ際は、地元の企業・店舗と具体的な取り組み内容を決めて協定を結ぶことで、互いに利益のある関係を構築しやすくなると考えられます。
『ルネサンス』では、地域の健康づくりを自立自走できるように事業構想から計画、実行までを一貫して支援しています。
全国100店舗のスポーツクラブの運営や270以上の自治体の支援実績に基づく健康づくりノウハウを、さまざまな地域課題の解決に向けて提供いたします。
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