
コマツ(株式会社小松製作所)は、建設機械や鉱山機械、産業機械などを主力製品とする総合機械メーカーです。1921年の創業以来、「ものづくりと技術の革新」を核に国内外で広く事業を展開し、その技術力と品質は世界中で高い評価を受けています。
同社は、優先順位を決める際のキーワードとして「SLQDC※」を掲げ、安全と健康を最優先に社員の健康づくりを推進しています。
今回はこうした方針のもと、コマツ湘南工場でルネサンスの職場向け健康づくりプログラムを導入して実施された「ウォーキングイベント」について、社員の健康と安心して働ける環境づくりを担う3名の方々にお話を伺いました。
※SLQDC=Safety and Health(安全と健康)・Law(法令遵守)・Quality(品質)・Delivery(納期)・Cost(コスト)
💡職場の健康づくりプログラムは、健康経営の多くのテーマに対応し、健康増進・維持をサポートするプログラムです。 専門家の監修を受けた行動科学に基づく生活習慣改善へのアプローチや、運動の苦手な方でも運動習慣化に導くためのアプローチで健康づくりの習慣化をサポートします。
| 導入前の課題 |
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| 導入の決め手 |
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| 導入の効果 |
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――産業医の井上氏は、まず「WHOが示す『身体活動・座位行動ガイドライン』では、長時間座り続けることが健康に大きな悪影響を及ぼすとされています」と話します。死亡率の上昇をはじめ、心疾患やがんなどの身体疾患、不眠や不安といった精神面のリスクも高まると指摘されています。
「湘南工場は研究開発部門が多く『座りっぱなし』になりがちで、身体活動量・運動習慣ともに少ない現状があります。
そこで身体・精神両面の健康増進を目指し、運動習慣のない社員にも運動するきっかけを提供したいと考え、工場内にウォーキングコースを作り、習慣化できる環境を整備しました。」(井上氏)



「もともとコンクリートだった道の一部をウッドチップで舗装し、安全で歩きやすいコースにしました。
ウォーキングイベントは、この新しいコースを周知し、積極的に活用してもらうきっかけにしたいという思いから実施したものです。」(井上氏)
――ウォーキングの習慣化により期待される効果は健康増進だけではないと、髙野氏は続けます。
「湘南工場に車で通勤している場合、一日を通して体を動かす機会がほとんどないという人も多いです。
ウォーキングコースやイベントはきっかけに過ぎませんが、少しの時間でも歩き、体を動かす習慣づくりにつなげてほしいと思っています。
私はマラソンランナーなので、ジョギングしながら頭の中の整理をしたり、嫌なことを忘れてストレスを解消したりしています。運動による創造性の向上は学術的にも証明されていますし、そうした運動の良さも社員の皆さんに広げていけたら嬉しいですね。」(髙野氏)

――ウォーキングイベントを実施するにあたり、ルネサンスの「職場向け健康づくりプログラム」を選んだ理由について、國本氏は次のように振り返ります。
「ルネサンスさんは当社の健康保険組合から紹介を受けました。他社との比較検討はあまり行いませんでしたが、打ち合わせを重ねるなかでこちらの意図や要望をしっかりと理解してくださり、信頼できると感じたことが決め手です。
ウォーキングイベントを行うと決めたのが7月、開催が11月でしたので、約4ヶ月の準備でスムーズに実施できました。7~8月で内容を詰め、その後はメールで調整を進めました」(國本氏)

――さらに井上氏は、打ち合わせで印象的だった提案について次のように話します。

「ただウォーキングイベントを開くだけでは、参加者が集まりにくいのではないかと感じていました。そんななかルネサンスさんから『社員さんに響くイベント内容にしましょう』と提案があり、『皆さんはどういったものに興味を持っていますか?』と質問をいただきました。
コマツの湘南工場は“新しいもの好き”な社員が多いので、ウォーキングシューズの種類やおすすめのシューズの紹介が良いかもしれないと伝えたところ、すぐに講話内容へ反映してくださいました。我々の特徴を理解しようとしてくださる姿勢が非常に良かったと感じています。」(井上氏)


――準備段階で工夫を重ねた結果、良い反響につながりました。
「参加者を募る際は、健診結果のアンケートで1日30分以上の運動が『週に2回未満』『全くしない』と回答した社員に先行案内を行い、積極的に参加を促しました。
当日は社員が集まりやすい昼休みに実施し、スマートミール弁当(ヘルシーなお弁当)や水の無料配布で付加価値をつけました。昼食をとりながら講話を聞き、その後にウォーキングコースを歩くという構成です。
食堂に向かう社員の目にも留まり、興味を持った社員の次回参加につながるなど、きっかけづくりにもなりました。」(國本氏)

「ウォーキングイベントはこれまでに2回実施し、合計52名が参加。参加者の60%が『運動習慣なし』と回答した社員でした。アンケートでは満足度96%、さらに『今日をきっかけにウォーキングの意欲が上がりましたか』という質問には94%が『上がった』と回答しています。
参加者からは『運動後に体が温まり、昼休みを気持ちよく過ごせた』『日常の歩き方を意識することができ、体の使い方がわかった。健康に良い影響が出るのではないか』『講師の説明が丁寧でわかりやすかった』『楽しかった』など好意的な声が多く、また実施してほしいというリクエストも寄せられました」(國本氏)
――イベントを運営する立場としても、プログラム導入の意義を実感したといいます。
「医師と保健師である私たちもイベントを開催することはできますが、ルネサンスさんのプログラムを導入して『ここまではできない』と決定的な違いを感じました。
特に、講師の方が最初にしてくださったジムさながらのストレッチはとても好評で、スポーツやフィットネスに携わっているプロだからこそできる内容、発想だと感じました。」(井上氏)


「私もイベントに参加しましたが、社員の方と交流できる良い機会になりました。講話では会社や工場の特徴に合わせたメッセージを盛り込んでいただき、非常に良かったです。
実施後にも活用できるエクササイズの資料をご提供いただけた点も、参加者以外への波及効果として期待できます。」(國本氏)
――ウォーキングイベントにはインタビュイーの3名のほか、工場長も率先して参加され、終始盛況でした。参加者の男女比は男性58%・女性42%と大きな偏りがなく、年代も20代〜60代までバランス良く分布していました。ウォーキングイベントが幅広いニーズに応え、多くの方が楽しめる施策であることが確認できました。

※ウォーキングイベントの年齢別 参加者割合

※ウォーキングイベント参加者の男女比
💡職場の健康づくりプログラムは、健康経営の多くのテーマに対応し、健康増進・維持をサポートするプログラムです。 専門家の監修を受けた行動科学に基づく生活習慣改善へのアプローチや、運動の苦手な方でも運動習慣化に導くためのアプローチで健康づくりの習慣化をサポートします。
――身体活動量・運動習慣が少ないという課題に向けて、今後も取り組みを広げていく考えです。
「ウォーキングイベントは今後も続けていきたいと考えている一方で、参加できる人数に限りがあるため、湘南工場の約1,500名の社員が参加できる体力測定会や、ウォーキングコースを活用した企画も検討していきます。
これらもルネサンスさんとの連携を視野に入れながら進める予定です。」(井上氏)


「一昔前までのメーカーには、運動会や社員旅行のような“オフィシャルではないコミュニケーション”の場がありました。それが時代とともに失われつつあるなか、体を動かしながら交流できるイベントを実施し、楽しんで参加されている様子が見られたのは非常に良かったです。
ウォーキングコースや体力測定を心身の健康づくりだけでなく、業務外のコミュニケーションに生かすことは、今後の楽しい宿題だと捉えています。
当社はものづくりの会社として、良い商品は心身ともに健康な社員がつくると考えています。経営的にも『SLQDC』を重んじ、社員をはじめ関わるすべての人が健康・安全に働けることを最重要にしています。これからも社員が健康であってほしいと願っています。」(髙野氏)

💡職場の健康づくりプログラムは、健康経営の多くのテーマに対応し、健康増進・維持をサポートするプログラムです。 専門家の監修を受けた行動科学に基づく生活習慣改善へのアプローチや、運動の苦手な方でも運動習慣化に導くためのアプローチで健康づくりの習慣化をサポートします。