サントリーウエルネス株式会社は、サプリメントや女性用・男性用化粧品などを製造・販売しています。多くのシニアを中心とするお客様がいる中で、商品に加えてサービスでお客様のウエルネスに貢献することを目指して開発したのが健康行動促進アプリ『Comado(コマド)』です。 その開発の経緯と直面した課題、さらに運用後の効果や新たな課題について、詳しくお話をうかがいました。
開発のきっかけ |
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運用前の課題と運用方法 |
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運用後の効果 |
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現在ダウンロード数が60万人を突破(2024年9月時点)した健康行動促進アプリ『Comado』の開発には、2つの目標が掲げられていたといいます。
「1つ目は、私が所属するサービス事業部のミッションである、定期購入いただいているお客様とどれだけ長く良いお付き合いができるかということです。
2つ目は、サプリメントや化粧品の製造・販売を通じて、お客様の健康をサポートする企業として、製造・販売だけでなく、運動・食事・睡眠までトータルにサポートし、真のウエルネスを提供することでした」(能仁氏)
これらの目標達成に向けて、チーム内で綿密な検討が重ねられたそうです。
「当初はさまざまな方向性でサービスを検討していましたが、真のウエルネスを提供するためには、運動が不可欠だという結論に至りました。そこで、日常的に取り入れやすい運動をどのように提供するかを模索した結果、オンラインフィットネスという形にたどりついたのです。
ただ、多くのお客様が60代~70代のシニア層であるため、オンライン形式が受け入れられるかが大きな懸念事項でした」(能仁氏)
シニアのお客様にアプリを活用したオンラインサービスを提供することにこだわったのには理由がありました。
「行動履歴をデータとして蓄積・活用しやすいのが最大の理由です。お客様の行動データを分析することで、コンテンツの内容やパーソナライズした提案をより的確に行えると考えました。
これまでは商品同梱物やDMなどのオフラインツールを中心にコミュニケーションを取ってきましたので、シニア層のお客様のデジタル事情に対する私たちの理解は充分ではなく、まずは調査から始めました」(能仁氏)
シニア向けオンラインサービスの提供は、サントリーホールディングスにとって初の試みであったため、慎重に進めていったといいます。
「詳細な調査を行ったところ、多くのシニアの方がデジタルツールを日常的に利用しており、アプリでのサービス提供は十分可能だと判断しました。とはいえ、お客様の使いやすさを重視し、UIやUXにこだわりを持ち開発を進めました。
また、より多くの方に『Comado』を導入いただけるよう、商品に同梱する紹介チラシには『Comado』のダウンロード方法を細かく記載しました。さらに、不明点がある場合、多くのオンラインサービスではFAQやチャットでの解決を促すケースが多いですが、お客様の利便性を考慮して電話での問い合わせがしやすいような導線も設けました」(能仁氏)
実際に運用を開始したからこそ、見えてきた課題もあったといいます。
「スタート時は、オンラインフィットネスが『Comado』の目玉であり、最も利用されるコンテンツになると考えていました。
しかし、運用を開始してみると、アプリ内で最も利用されていたのは健康行動を記録するコンテンツでした。ボタンをクリックするだけで記録できる手軽さが、高い利用頻度につながっていたようです。
もちろん、オンラインフィットネスを利用するユーザー様も多くいらっしゃいましたが、改めて調査を行うと、「内容が難しい」「動きが速くてついていけない」といった声が寄せられました。
健康行動の習慣化は重要ですが、真のウエルネスを提供するためには、運動が得意な方だけでなく、苦手意識をお持ちの方にも「やってみよう!」と思っていただける内容を検討する必要があると感じました」(能仁氏)
オンラインフィットネスの幅を広げることを検討していたところ、ルネサンスからサービスの提案があったといいます。
「アーカイブ配信も用意していますが、生配信に価値を感じていただけるお客様も多く、生配信の本数やバリエーションを増やす方法を模索する中で、ルネサンスさんを含む複数の企業にご相談しました」(能仁氏)
これまでのオンラインフィットネスとは異なる魅力を感じ、ルネサンスを採用することに決めたといいます。
「ルネサンスさんと一緒にやらせていただくことになった理由は、自宅からアットホームな生配信が可能な点と、豊富な配信本数でした。
日本全国のインストラクターと提携されているため、ジャンルや時間帯、プログラムのバリエーションが充実しており、幅広いお客様にご利用いただけると感じました」(能仁氏)
実際にルネサンスのオンラインフィットネスを『Comado』で提供するにあたり、入念な準備を行ったといいます。
「まずは『Comado』のスタイルに合わせてもらうための準備を進めました。『Comado』ユーザーは、ルネサンスさんが提供しているオンラインフィットネスユーザーとは10歳以上年齢が上であるため、インストラクターの方々に理解を深めていただけるよう、意識合わせの場を設けました。
さらに、運動強度やスピード調整といった要望をルネサンスさんに細かくお伝えし、インストラクターの方々と密に調整していただいたことで、スムーズにスタートすることができました」(能仁氏)
オンラインフィットネスでは、特に翌週の継続利用率を重視しているといいます。
「運動習慣を定着させるには、3か月程度の継続が必要だと考えています。
そこで、各プログラムの翌週継続利用率やユーザーアンケートを詳細に分析し、継続利用率の低いプログラムについてはルネサンスさんと共に改善点の検討を重ねています。
こうした改善を重ねた結果、継続利用率は着実に改善してきており、ルネサンスさんとインストラクターの皆さまには大変感謝しています」(能仁氏)
この取り組みは、当初の目標であった解約率の改善にも大きな効果をもたらしているそうです。
「Comadoを使っていないユーザーに比べ、comadoを使っているユーザーは解約率が3分の1まで大幅に低下しました。
その中でもフィットネスの生配信は、インストラクターからの声掛けや他ユーザー様と一緒にやることによる一体感などが魅力であり、Comadoを通じたゆるやかな「つながり」が当社のファン化や解約率改善につながっていると考えています。」(能仁氏)
ユーザーアンケートから得られる情報も非常に多いといいます。
「プログラム参加後のアンケートでは、毎週非常に多くのご意見をいただいています。改善提案や感想、インストラクターへの質問、さらにはオンラインフィットネスの映像に登場するペットへのメッセージなど、その内容は多岐にわたります。
これらのアンケート内容は、サービス改善に活用するだけでなく、質問についてはインストラクターから回答をいただき、それをお客様にフィードバックする取り組みも行っています。『Comado』を通じて育まれたつながりを大切にしながら、真のウエルネスを提供するという想いのもと、きめ細やかな対応を続けています」(能仁氏)
「少しずつですが着実に、お客様のファン化を実現できていると思います。今後は『Comado』のさらなるユーザー拡大と認知向上を目指しています。
その実現のため、『Comado』の利用状況に基づいた、よりパーソナライズされた情報提供をしていきたいと考えています。
また、自社のスポーツチームの観戦チケットのプレゼントや落語の収録参加イベントの企画、アーティストをアンバサダーに迎えたコンテンツ配信など、幅広いコンテンツ提供に力を入れています」(能仁氏)
最後に『Comado』に携わるメンバーとしての想いを語っていただきました。
「会社としても『Comado』に取り組む姿勢は本気そのもので、まさに”挑戦”という言葉がぴったりの一大プロジェクトです。真のウエルネスを実感できるサービスにするためには、オンラインフィットネスを含め、改善の余地はまだまだあるため、一人でも多くのお客様に喜んでいただけるアプリになるよう、さらなる進化を目指したいと思います」(能仁氏)
ルネサンス 健康ソリューション部は、「健康で快適な日々をもっと身近に、もっと日常に」というビジョンのもと、スポーツクラブ・介護・自治体事業で培ったノウハウを活かし、多様なオンラインフィットネスソリューションを展開しています。
私たちは、顧客企業様の目指す姿の実現に向けて、パートナーとして伴走し、共に課題解決を目指し、歩んでいます。
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